ジフラールの特徴|ジェネリックの有無、顔や陰部への使用、ステロイドの強さ、やけどや傷への使用は

ジフラール軟膏、ジフラールクリームについて、強さ、顔や陰部への使用の可否、傷ややけどなどへの効果、ジェネリック、市販での購入の可否などについて添付文書等から解説していきます。

ジフラールの特徴、種類、ステロイドの強さ

ジフラールはジフロラゾン酢酸エステルを成分とし抗炎症作用のあるステロイドの塗り薬です((ジフラール軟膏 0.05%/ ジフラールクリーム 0.05% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/800126_2646723M1156_1_04.pdf))。
ジフラールの特徴はステロイド外用剤の中でも非常に強い作用がある点です。

ジフラールは軟膏、クリームがある

ジフラールはステロイドの外用剤であり、その種類として軟膏クリームがあります。
外用剤の軟膏、クリームの一般的な使い分けや使用感はおおよそ以下の通りとなります。

剤型 メリット デメリット 向いている
ケース
軟膏 保湿性が高く、刺激が少ない ベタベタし使用感がイマイチ 傷があったり、ジュクジュクしている部分
クリーム 軟膏よりもベタつかず、吸収も良い 軟膏よりも効果が低い可能性、刺激を感じることも 乾燥している部分、皮膚が厚い部分

ジフラールはステロイド最強クラスの強さのI群(strongest)

ジフラールのステロイドの強さは、上から一番目のⅠ群(strongest)に分類され、最も効果が強いステロイド外用剤のひとつです。
ジフラールを含めたステロイドの外用剤は、その効果の強さによりⅠ〜Ⅴ群(strongest、verystorong、storong、mild、weak)に分類されます。Ⅰ群が効果が最も強く、Ⅴ群が最も効果が弱い分類となります。
 

ジフラールの強さはデルモベートと同等、アンテベート、リンデロンよりも強力

ジルフラールは前述の通りステロイド外用剤の中でⅠ群(strongest)に分類される薬剤であり、同じⅠ群のデルモベートと同程度の強さ、Ⅱ群のアンテベート、マイザー、リンデロンDP、Ⅲ群のリンデロンV、メサデルムなどよりも作用が強いステロイドとなります。

ジフラールの効果と使用部位

ジフラールはステロイドの中でも効果が強いステロイドであり、その効果や使用できる部位を正しく理解しておくことが重要です。

ジフラールの効果は湿疹や皮膚炎、やけどにも|傷は状況に応じて

ジフラールは湿疹皮膚炎のほか、やけどの後の肥厚性瘢痕・ケロイドなどにも効果があります。
ジフラールの効能効果の詳細は以下の通りです。

湿疹・皮膚炎群(ビダール苔癬、進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む)、乾癬、痒疹群(ストロフルス、じん麻疹様苔癬、固定じん麻疹を含む)、掌蹠膿疱症、紅皮症、薬疹・中毒疹、虫さされ、紅斑症(多形滲出性紅斑、ダリエ遠心性環状紅斑、遠心性丘疹性紅斑)、慢性円板状エリテマトーデス、扁平紅色苔癬、毛孔性紅色粃糠疹、特発性色素性紫斑(マヨッキー紫斑、シャンバーク病、紫斑性色素性苔癬様皮膚炎を含む)、肥厚性瘢痕・ケロイド、肉芽腫症(サルコイドーシス、環状肉芽腫)、悪性リンパ腫(菌状息肉症を含む)、皮膚アミロイドーシス(アミロイド苔癬、斑状型アミロイド苔癬を含む)、天疱瘡群、類天疱瘡(ジューリング疱疹状皮膚炎を含む)、円形脱毛症。

ジフラール軟膏 0.05%/ ジフラールクリーム 0.05% 添付文書

 

ジフラールは顔や陰部などにはあまり使用しない

ジフラールは比較的皮膚が厚い部分(腕、脚、背中など)に使用することが多いステロイドであり、陰部などの粘膜は薬の吸収率が高くなるため、ジフラールのような作用の強いステロイドはあまり使用されません。
医師から指示されているケースを除き、自己判断でジフラールを顔や陰部などのデリケートな部分に使用するのは避けるようにしましょう。

ジフラールを傷に使用するのは状況に応じて

ジフラールはいわゆる傷などにはあまり使用しない塗り薬です。
炎症を鎮める目的で医師が処方するケースもありますが、一般的な傷口には同じステロイドでも化膿止めの成分を含むリンデロンVGなどが用いられることが多く、ジフラールを使用すると免疫を抑える作用もあるため、雑菌などの感染のリスクもあります。自己判断で傷口に使用するのは避けるようにしましょう。

ニキビやヘルペスには自己判断では使用しない

基本的にはジフラールはニキビに使用する外用剤ではありません。一般的にステロイドにはニキビのような症状が起こる痤瘡様発疹という副作用が知られており、ニキビに使用すると逆に悪化する可能性もあります。自己判断で使用することはやめましょう。
また、ジフラールも含めステロイド外用剤は皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことが原則となっています。この理由はステロイドによって免疫が低下して逆に悪化するようなケースもあるからです。ヘルペスなども感染症の一つと言えますので、ジフラールには適さない皮膚疾患です。

ジフラールの副作用

ジフラールはステロイドの一つであり、副作用が心配という人もいるかと思いますが、正しい使用法で使用する分にはあまり心配は必要ないと言えます。
副作用の頻度を調査した結果は、調査症例15,960例(軟膏・クリームを含む)中、副作用発現症例は233例(1.46%)であり、副作用発現件数は延べ269件、主な副作用は毛嚢炎・せつ66件(0.41%)、皮膚萎縮44件(0.28%)、ステロイドざ瘡31件(0.19%)等であった、とされています((ジフラール軟膏 0.05%/ ジフラールクリーム 0.05% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/800126_2646723M1156_1_04.pdf))。
起こりうる副作用は基本的には塗布した部分におけるものがほとんどであり、塗った部位を様子を見ながら使用すれば副作用が問題になるようなことはあまりないと言えるでしょう。
なお、頻度はまれですが、報告されている重大な副作用として目に関わる副作用もあり、眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障が報告されています。これらは目の周辺に使用した場合や、特に長期にステロイドを使用している際に可能性があるため、目の周辺や長期で使用しているような場合は念のため、定期的に目にも異常がないか確認するようにしましょう。
その他、ステロイドは免疫を弱めてしまう傾向があるため、皮膚の感染症を起こしてしまうリスクが共通してあることも念のため覚えておきましょう。

ジフラールの薬価、ジェネリック

ジフラールの薬価は、2018年4月の改定時点(2018年4月〜2020年3月まで)で1gあたり16.3円とされています。1本5gのものでは81.5円、1本10gのものでは163円となります。
なお、ジフラールにはジェネリック医薬品があり、アナミドール、ジフロラゾン酢酸エステルという製品名で販売されています。薬価はアナミドールが1gあたり6.3円、ジフロラゾン酢酸エステルが1gあたり8.5円であり、ジフラールよりもジェネリック医薬品の方が経済的と言えます。
また、ジフラールと同じ成分を含む外用剤としてダイアコートがありますが、こちらはジフラールと全く同じ薬価であり、ジフラールと同じ先発医薬品に該当します。

ジフラールの市販での販売

ジフラールは前述の通り、効果が強いステロイドであり、市販で販売されている薬には含まれていない成分となります。
市販で販売されている薬の中で最も効果の強いステロイド外用剤は、ジフラールのⅠ群よりも二段階弱いⅢ群(strong)に分類されるベタメタゾン吉草酸エステルを成分として含んだ薬となります。
ベタメタゾン吉草酸エステルを含む市販薬としてベトネベートクリームSベトネベートN軟膏ASがあり、ベトネベートクリームSはステロイドの成分のみ、ベトネベートN軟膏ASはステロイドの他に抗菌薬がふくまれているため、患部が化膿しているような場合に適している薬です。
 
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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