ブルフェンの飲み合わせについて、飲み合わせに注意が必要なものをそれぞれの領域の薬ごとに確認していきます。
Contents
- 1 ブルフェンの特徴|飲み合わせの注意について
- 2 ブルフェンとの飲み合わせが悪い薬(併用禁忌薬)
- 3 ブルフェンの飲み合わせ|併用に注意が必要な薬
- 4 ブルフェンと胃薬・胃腸薬の飲み合わせ
- 5 ブルフェンと咳止めの飲み合わせ|アスベリン、メジコン、フスコデなど
- 6 ブルフェンと漢方の飲み合わせ
- 7 ブルフェンと痰切りの飲み合わせ|ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンなど
- 8 ブルフェンと抗炎症薬の飲み合わせ|トランサミンなど
- 9 ブルフェンと鼻水・アレルギー薬との飲み合わせ|アレグラ、アレロック、ザイザルなど
- 10 ブルフェンと抗ロイコトリエン薬との飲み合わせ|オノン、キプレス、シングレアなど
- 11 ブルフェンと抗生物質との飲み合わせ|メイアクト、フロモックス、クラリス、ジスロマック、クラビット、ワイドシリンなど
- 12 ブルフェンと他の解熱鎮痛剤との飲み合わせ|カロナールやロキソニンなど
- 13 ブルフェンと飲み物の飲み合わせ|牛乳やアルコールは
- 14 ブルフェンとサプリの飲み合わせ
ブルフェンの特徴|飲み合わせの注意について
ブルフェンはイブプロフェンという解熱鎮痛成分を含むNSAIDs(非ステロイド性解熱鎮痛剤)に分類される薬であり、腰痛や関節痛などの痛み止め、風邪などの解熱等に効果が認められています((ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200022_1149001D1160_1_06.pdf))。
ブルフェンは適度な強さの解熱鎮痛効果と比較的副作用が少ない安全面をもち合わせるバランスの良い解熱鎮痛薬という特徴を持ちます。また、成分のイブプロフェンはその安全面から市販薬でもよく使われる解熱鎮痛成分の一つとなっています。
ブルフェンには錠剤タイプのフルフェン錠100とブルフェン錠200、粉薬のブルフェン顆粒20%があります。
ブルフェンの飲み合わせとして、飲み合わせが悪く絶対に併用できない薬(併用禁忌薬)が1種類ある他、併用に注意が必要なレベル(併用注意)として、いくつかの薬剤が注意喚起されています((ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200022_1149001D1160_1_06.pdf))。
ブルフェンとの飲み合わせが悪い薬(併用禁忌薬)
ブルフェンと飲み合わせが悪く併用できない薬(併用禁忌薬)として、ジドブジンの成分を含む薬(製品名:レトロビルカプセル100mg )があります。
ブルフェンとレトロビルの併用が禁忌となっている理由として、血友病患者において出血傾向が増強した報告があるため((ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200022_1149001D1160_1_06.pdf))、とされています。
レトロビルカプセルはHIV感染症に使用される薬剤であり、実際に該当するケースは少ないものの、使用している場合は必ず医療機関に事前に申し出ておくようにしましょう。市販薬に含まれるイブプロフェンも同様の注意が必要であるため、自己判断で市販の風邪薬、痛み止めを使わないようにしましょう。
ブルフェンの飲み合わせ|併用に注意が必要な薬
ブルフェンには併用禁忌薬の他、飲み合わせに注意が必要な薬がいくつかあり、併用注意として注意喚起されています。
ブルフェンの併用注意の薬剤は以下の通りです((ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200022_1149001D1160_1_06.pdf))。
成分名等 | 代表的な薬剤等 |
クマリン系抗凝血剤 (ワルファリン) |
ワーファリン |
アスピリン製剤 (抗血小板剤として投与している場合) |
バイアスピリン |
抗凝血剤 (ワルファリン等) 抗血小板剤 (クロピドグレル等) 選択的セロトニン再取り込み阻害剤 (SSRI) (フルボキサミン、パロキセチン等) |
ワーファリン、プラビックス、デプロメール、パキシル |
リチウム製剤 (炭酸リチウム) |
リーマス |
チアジド系利尿薬 (ヒドロクロロチアジド) ループ利尿薬 (フロセミド) |
ラシックス |
リチウム製剤 (炭酸リチウム) |
リーマス |
ACE阻害剤 (エナラプリル等) β遮断剤 (プロプラノロール等) |
レニベース(エナラプリル)、インデラル(プロプラノロール) |
タクロリムス水和物 | プログラフ |
ニューキノロン系抗菌剤 (エノキサシン水和物等) |
ニューキノロン |
コレスチラミン | クエストラン |
スルホニル尿素系血糖降下剤 (クロルプロパミド、グリベンクラミド等) |
アマリール(グリメピリド)、オイグルコン(グリベンクラミド) |
CYP2C9阻害作用を有する薬剤 (ボリコナゾール、フルコナゾール) |
ジフルカン |
上記のような薬のうち、特に降圧剤などに関しては、実際には併用されるケースも多くあり、必ずしも避ける必要はありません。併用注意とされている理由は降圧作用を減弱させたり、腎機能悪化の恐れがあるためであり、短期間の併用であればさほど影響は大きくないと考えられます。
また、その他の併用注意薬に関しても必ずしも避ける必要はありません。医師が承知の上で処方された場合にはあまり心配せず服用しましょう。ただし、自己判断でブルフェンを併用するようなことは避けましょう。
ブルフェンと胃薬・胃腸薬の飲み合わせ
ブルフェンは飲み合わせの悪い胃薬・胃腸薬はなく、基本的にはどの胃薬・胃腸薬とも飲み合わせることができます。
一緒に使用されることが多いものとして、処方薬ではムコスタ(成分名:レバミピド)、セルベックス(成分名:テプレノン)の他、ネキシウムやオメプラール(成分名:オメプラゾール)、タケプロン(成分名:ランソプラゾール)、パリエット(成分名:ラベプラゾール)、タケキャブ、ガスター(成分名:ファモチジン)などがあります。
また、市販のイブプロフェン製剤に関しては、胃を保護する成分が一緒に配合されているものもあるため、成分を確認したり薬剤師等に確認するようにしましょう。
ブルフェンと咳止めの飲み合わせ|アスベリン、メジコン、フスコデなど
ブルフェンは飲み合わせの悪い咳止め薬はなく、基本的にはどの咳止めとも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い咳止めでは、アスベリン、メジコン(デキスロトメトルファン)、フスコデ、アストミン、フスタゾールなどがありますが、いずれの薬剤もブルフェンと併用することが可能です。
ただし、カフコデに関しては、ブルフェンと同じ解熱鎮痛成分のアセトアミノフェンの成分を含むため、自己判断では使用せず、医師が一緒に使用して良いと判断した時のみ使用するようにしましょう。
また、市販の咳止めとも基本的には一緒に使用できますが、いわゆる風邪薬(総合感冒薬)に関しては解熱鎮痛成分が重なる可能性があるため、自己判断では併用しないようにしましょう。
ブルフェンと漢方の飲み合わせ
ブルフェンは飲み合わせの悪い漢方はなく、基本的にはどの漢方薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い漢方では風邪全般に使用される葛根湯や鼻水などに使用される小青竜湯、咳などに使用される麦門冬湯などありますが、いずれの漢方もブルフェンと併用することが可能です。
ブルフェンと痰切りの飲み合わせ|ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンなど
ブルフェンは飲み合わせの悪い痰切り薬はなく、基本的にはどの痰切りとも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い痰切りでは、ムコダイン(カルボシステイン)、ムコソルバン・ムコサール・ムコソレート(アンブロキソール)、ビソルボン(ブロムヘキシン)などがありますが、いずれの薬剤もブルフェンと併用することが可能です。
また、市販の痰切りとも基本的には一緒に使用できますが、いわゆる風邪薬(総合感冒薬)に関しては解熱鎮痛成分が重なる可能性があるため、自己判断では併用しないようにしましょう。
ブルフェンと抗炎症薬の飲み合わせ|トランサミンなど
ブルフェンは抗炎症薬であるトランサミン(トラネキサム酸)とも飲み合わせは悪くなく、非常によく併用される薬の一つです。
ブルフェンと鼻水・アレルギー薬との飲み合わせ|アレグラ、アレロック、ザイザルなど
ブルフェンは飲み合わせの悪い抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬として、アレグラ(フェキソフェナジン)、クラリチン(ロラタジン)、アレジオン(エピナスチン)、エバステル(エバスチン)、タリオン(ベポタスチン)、ザイザル、アレロック(オロパタジン)、ジルテック(セチリジン)、デザレックス、ビラノア、ルパフィン、ゼスラン・ニポラジン(メキタジン)、ポララミン(クロルフェニラミン)、ザジテン(ケトチフェン)、セレスタミンなどがありますが、いずれの薬剤もブルフェンと併用することが可能です。
また、市販の花粉症薬とも基本的には一緒に使用できますが、いわゆる風邪薬(総合感冒薬)に関しては解熱鎮痛成分が重なる可能性があるため、自己判断では併用しないようにしましょう。
ブルフェンと抗ロイコトリエン薬との飲み合わせ|オノン、キプレス、シングレアなど
ブルフェンは飲み合わせの悪い抗ロイコトリエン薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い抗ロイコトリエン薬として、オノン(プランルカスト)、キプレス・シングレア(モンテルカスト)がありますが、いずれの薬剤もブルフェンと併用することが可能です。
ブルフェンと抗生物質との飲み合わせ|メイアクト、フロモックス、クラリス、ジスロマック、クラビット、ワイドシリンなど
ブルフェンはキノロン系に分類される抗菌剤との併用に関して、併用注意とされています。その理由は痙攣を誘発する可能性があるためとされており、クラビット(レボフロキサシン)、ジェニナック(ガレノキサシン)、グレースビット(シタフロキサシン)、スオード(プルリフロキサシン)、シプロキサン(シプロフロキサシン)、オゼックス(トスフロキサシン)、アベロックス(モシキフロキサシン)などが該当します。ただし、実際には医師の判断で併用されるケースも多くあり、必ずしも避ける必要はなく、医師の適切な処方の元の併用であれば一緒に使っても問題ありません。
その他の一般的な抗生物質であるサワシリン(アモキシシリン)、オーグメンチン、メイアクト(セフジトレン)、フロモックス(セフカペン)、セフゾン(セフジニル)、クラリス(クラリスロマイシン)、ジスロマック(アジスロマイシン)などがありますが、医師の適切な診察のもと、ブルフェンと一緒に処方された場合は併用して問題ないと言えるでしょう。
ブルフェンと他の解熱鎮痛剤との飲み合わせ|カロナールやロキソニンなど
ブルフェンと他の解熱鎮痛剤は基本的には避けることが望ましいと製薬会社から注意喚起されていますが((ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200022_1149001D1160_1_06.pdf))、実際には、併用されるケースもあります。
例としてアセトアミノフェン製剤のカロナールを1日3回などの定時で使用し、痛みや熱が辛いときにブルフェンを頓服で使用するなどのケースなどがあります。
これらの併用は自己判断では避けるべきですが、医師が併用を把握した上で処方している場合は使用しても問題ないと言えるでしょう。
なお、アセトアミノフェン製剤以外では、ロキソニンなどのいわゆるNSAIDsとブルフェンの併用はあまりしません。自己判断で併用するようなこともやめましょう。
ブルフェンと飲み物の飲み合わせ|牛乳やアルコールは
ブルフェンは飲み物との飲み合わせに関しても特別に注意喚起されているものはありません((ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200022_1149001D1160_1_06.pdf))。
一般的に薬と注意が必要なグレープフルーツジュールなども特別な注意喚起はありません。ただし、推奨されるものでものないため、基本的にブルフェンを飲むときは水で服用するようにしましょう。
また、牛乳に関しても一部の薬は吸収を遅らせたりする可能性があるため、併用に注意が必要とされていますが、ブルフェンについてはそのような注意喚起もないため、併用をさける必要はありません。牛乳で胃あれを軽減する可能性についても言われていますが、明確な根拠となる報告はあまりないため、特別な理由がない場合はやはり水で服用するようにしましょう。
また、お酒やアルコールとの併用に関しても特に注意喚起はされていません((ブルフェン錠100/ブルフェン錠200/ブルフェン顆粒20% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/200022_1149001D1160_1_06.pdf))。
ただし、お酒との併用はやはり避けたほうが安全と考えられ、アルコールによって血流に影響がでて痛みの感じ方にも影響がある可能性や現在の症状に何らかの影響を与える可能性も否定できません。
ブルフェンとサプリの飲み合わせ
ブルフェンとサプリメントとの飲み合わせについても現時点では明確に注意が必要なものは報告されていません。ただし、イチョウ葉エキスやフィーバーフューなどは抗血小板作用があるため、併用により出血しやすくなる可能性もあるため、念のため注意しましょう。
その他、サプリメントは現時点では特別な注意喚起されているものはあまりありませんが、今後新しい種類のサプリメントが登場する可能性もあるため、心配な場合は医師や薬剤師の相談の上、併用するようにしましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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