クラリチンドライシロップの特徴、味、効果、使い方、飲み合わせ、副作用、薬価、ジェネリック、市販での購入、アレロックとの違いなどについて添付文書等から解説していきます。
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クラリチンドライシロップの特徴
クラリチンドライシロップはロラタジンを成分とする第二世代の抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬に分類される薬の一つです。花粉症をはじめとした鼻水・鼻づまり・くしゃみなどが症状となるアレルギー性鼻炎や、蕁麻疹、湿疹、皮膚炎などに対して効果が認められている薬剤です((クラリチンドライシロップ1% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027R1029_3_02.pdf))。
クラリチンドライシロップの特徴として1日1回の使用で効果が持続し、薬が及ぼす日常活動への影響は少ないと考えられ((クラリチンドライシロップ1% インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/630004_4490027R1029_3_001_1F))、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬に分類される薬の中でもアレグラと並んで眠気の副作用が少ないとされている薬です。
クラリチンドライシロップの味は
クラリチンはほのかに甘い味がついた粉薬です((クラリチンドライシロップ お子さまへの上手な飲ませ方))。
幼児や小児でも比較的飲みやすい薬であり、拒薬の報告事例もあまりないとされています((五十嵐 隆, 乳幼児・小児服薬介助ハンドブック, じほう))。
クラリチンドライシロップはバイエルが製造販売
クラリチンドライシロップは製造販売元の製薬会社がバイエル薬品株式会社であり、バイエル薬品がそのまま販売しているものと、販売のみ塩野義製薬株式会社が行っている製品がありますが、いずれの製品も中身は同じものであり、効果や使い方などは全く同じものです。
クラリチンドライシロップの効果|鼻水や皮膚への効果は
クラリチンドライシロップは花粉症をはじめとした鼻水・鼻づまり・くしゃみなどが症状となるアレルギー性鼻炎や、蕁麻疹、湿疹、皮膚炎などに対して効果が認められている薬剤です。
クラリチンドライシロップの効能効果の詳細は以下の通りです。
アレルギー性鼻炎,蕁麻疹,皮膚疾患(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症)に伴うそう痒
クラリチンドライシロップ1% 添付文書
クラリチンドライシロップの効果時間|効果が出るまでの時間と効果が持続する時間
クラリチンドライシロップの効果時間に関しては、効果が出るまでの時間(効果発現時間)は2時間後、効果が持続する時間(効果持続時間)は14時間と確認されています((クラリチンドライシロップ1% インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/630004_4490027R1029_3_001_1F))。
上記の内容は錠剤の膨疹及び紅斑に対する効果を確認した臨床試験での結果ですが、成分が同じドライシロップに関しても同程度の作用時間を有すると考えられます。
クラリチンドライシロップの使い方|7歳未満と幼児と7歳以上では?0.5gの用量
クラリチンドライシロップは年齢によって使用する量が異なってくる薬剤です。
3歳以上の7歳未満の幼児では1回あたり0.5gを1日1回であり、0.5g包であれば1包を使います。
7歳以上の小児であれば1回あたり1gとなり、0.5g包であれば2包を使うことになります。
クラリチンドライシロップの用法用量の詳細は以下の通りです。
成人:通常,ロラタジンとして1回10mg(ドライシロップとして1g)を1日1回,食後に用時溶解して経口投与する。なお,年齢・症状により適宜増減する。
小児:通常,3歳以上7歳未満の小児にはロラタジンとして1回5mg(ドライシロップとして0.5g),7歳以上の小児にはロラタジンとして1回10mg(ドライシロップとして1g)を1日1回,食後に用時溶解して経口投与する。クラリチンドライシロップ1% 添付文書
クラリチンドライシロップの使用期限は
クラリチンドライシロップの使用期限は製造から3年と定めれられています((クラリチンドライシロップ1% インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/630004_4490027R1029_3_001_1F))。
通常、薬局で薬をもらう場合は1年〜2年程度の余裕をもったものが渡されるケースが多いため、その程度の期間であれば使用できるケースが多いと考えられますが、事前に詳細な使用期限を把握しておきたい場合は、薬をもらう際に薬局に確認するようにしましょう。
ただし、メーガーが出荷している0.5gの分包製品でなく、薬局内で分包しているようなケースでは使用期限はそこまで長くはないと考えられます。保存状態がよくても薬をもらってから数ヶ月以内で使用するようにしましょう。
クラリチンドライシロップの飲ませ方
クラリチンドライシロップが飲みにくいという場合は、ヨーグルト、アイスクリーム(バニラ、チョコレート)、プリン、牛乳、ミルクココア、コーヒー牛乳などに混ぜると飲みやすくなり、ヤクルトなどの乳酸菌飲料やスポーツドリンクとは苦味が出る可能性があり相性がよくないとされています((クラリチンドライシロップ お子さまへの上手な飲ませ方))。
クラリチンドライシロップの副作用
クラリチンドライシロップは眠気などの副作用が比較的に出にくい抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬と言えます。
実際の副作用が出る頻度は臨床試験で確認されており、小児における副作用は、197例中10例(5.1%)に認められ、主なものは、眠気7件(3.6%)、腹痛2件(1.0%)であったとされています((クラリチンドライシロップ1% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027R1029_3_02.pdf))。
クラリチンは花粉症や蕁麻疹に使われる抗ヒスタミン薬の中では、アレグラと並んで非常に眠気が出にくいとされており、花粉症シーズンなどで眠気が出てほしくない場合に重用される薬です。
一般的に抗ヒスタミン薬で眠い状態になっていまう理由は、ヒスタミンが脳の覚醒に影響する作用をもっており、そのヒスタミンの作用を阻害してしまうためとされています。
しかし、クラリチンやアレグラは薬の成分が脳内に移行しにくいことが各種実験で確認されています。このため、他の抗ヒスタミン薬では、薬の服用中の車などの危険を伴う機械の操作に対して注意喚起がされていますが、クラリチンやアレグラに関してはこの注意喚起がありません。また、外国でのデータでは、クラリチン使用時の自動車運転能力に及ぼす影響を検討したとき、運転能力に影響を与えなかったという確認もされています((クラリチンドライシロップ1% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027R1029_3_02.pdf))。
クラリチンドライシロップの飲み合わせ
クラリチンドライシロップは、エリスロマイシンの成分を含む薬剤(エリスロシンなど)、シメチジンの成分を含む薬剤(タガメットなど)との飲み合わせに関して併用注意とされています((クラリチンドライシロップ1% 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027R1029_3_02.pdf))。
いずれの薬剤とも併用することでクラリチンの血中での濃度が上がる可能性が指摘されており、普段よりもクラリチンの効果が出やすくなる可能性があります。併用禁忌(併用できない)ではないため、医師の判断で使用されるケースがありますが、これらの薬剤を使用している場合は予め医師や薬剤師に知らせるようにしましょう。
その他には飲み合わせに関して注意喚起されている薬はありません。花粉症シーズンなどでは特に多い組み合わせとして、抗ロイコトリエン薬のオノン(プランルカスト)、キプレス・シングレア(モンテルカスト)、ステロイド配合薬のセレスタミン、点鼻薬のナゾネックス、アラミスト、フルナーゼ、リノコート、エリザス、目薬のリボスチン(レボカバスチン)、ザジテン(ケトチフェン)点眼液、パタノール点眼液、アレジオン点眼液、フルメトロン・オドメール(フルオロメトロン)点眼液などの薬は組み合わせることが多い薬剤と言えます。
その他にも解熱鎮痛剤であるカロナール(アセトアミノフェン)、ブルフェン(イブプロフェン)、去痰薬のムコダイン(カルボシステイン)、ムコソルバン(アンブロキソール)、鎮咳薬のアスベリン、メジコン、アストミン、炎症を緩和するトランサミン(トラネキサム酸)、抗生物質・抗菌剤のサワシリン、ワイドシリン、パセトシン、メイアクト、フロモックス、クラリス(クラリスロマイシン)などとも併用・飲み合わせは問題ないと言えます。
クラリチンドライシロップの薬価・ジェネリック
クラリチンドライシロップの2016年4月改定(2018年3月まで)の薬価は1gあたり182.8円となっています。
なお、クラリチンドライシロップにはジェネリック医薬品が販売されており、成分名であるロラタジンドライシロップという製品名で販売されています。
クラリチンドライシロップのジェネリック医薬品の薬価は、1gあたり86.2〜100.0円となっておりクラリチンドライシロップより経済的と言えます。ジェネリック医薬品を希望する場合は医師や薬剤にその旨を伝えるようにしましょう。
クラリチンドライシロップの市販での購入
クラリチンの成分であるロラタジンを含んだ製品は成人用では錠剤が市販でも販売されていますが、ドライシロップ剤を含めた小児用は市販では買うことができません。
クラリチンと比較的近い成分で市販で買える小児用の薬剤としてアレグラFXジュニアがあります。ただし、アレグラFXジュニアに関しても対象は7歳以上となるため、7歳未満の幼児に対しては使用できません。
クラリチンドライシロップに関して基本的には医師の診察の上、処方してもらうようにしましょう。
クラリチンドライシロップとアレロックの違いや併用
クラリチンドライシロップと同じく小児で使用するアレルギー薬でよく使われるものとして、アレロック顆粒があります。
クラリチンドライシロップとアレロック顆粒の違いとして、効果の強さと眠気の出やすさがあります。効果の強さは一般的にはアレロックの方が強いと言われている反面、クラリチンドライシロップの方が眠くなりにくいというメリットがあります。また、アレロック顆粒は1日2回の使用であるのに対し、クラリチンドライシロップは1日2回の使用で良いという点、7歳の前後で使用する量が変わる点は同じもののアレロックは2歳から使用できるという違いもあります。
上記のような違いを考慮し基本的には医師がクラリチンドライシロップ、アレロック顆粒の使い分けをします。なお、一般的にはクラリチンドライシロップとアレロックは特別な事情がある場合を除き併用することはありません。自己判断で併用するようなことは避けましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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