テクスメテンの効果や副作用|顔や赤ちゃんへの使用、やけどや水虫の可否、市販の有無などの

テクスメテンの特徴、効果、使い方、副作用、薬価、ジェネリック、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

テクスメテンの特徴

テクスメテンはステロイドの成分であるジフルコルトロン吉草酸エステルを含んだ外用剤であり、湿疹、皮膚炎、かゆみの痒疹群など幅広い皮膚疾患の効能を有している薬です((テクスメテン軟膏0.1%/テクスメテンユニバーサルクリーム0.1% 添付文書))。
テクスメテンには塗り薬である軟膏、ユニバーサルクリームの2種類があります。
ユニバーサルクリームは、軟膏よりもクリームに近い性質がありますが、軟膏よりもベタつきが少なく、クリームよりも患部への刺激が少ないという特徴があり、軟膏等とクリームの中間の性質を持っています。テクスメテンユニバーサルクリームは白色ワセリン、流動パラフィンを主体とした W/O 型乳剤性基剤であり、乾燥病巣部にも湿潤病巣部にも幅広く適用でき、刺激感、かさつき感、べとつき感が少なく伸展性に富んでいるとされています((テクスメテン軟膏0.1%/テクスメテンユニバーサルクリーム0.1% インタビューフォーム))。

テクスメテンの強さは上から2番目|アンテベート、マイザーと同等

テクスメテンのステロイド外用剤としての強さは上から2番目の強さであるⅡ群(verystrong)に分類され、効果が強い部類に入ります。
ステロイドの外用剤は効果の強さにより、Ⅰ〜Ⅴ群に分類されます。Ⅰ群(Strongest)が最強であり、数が大きくなるにつれ効果が弱くなり、Ⅴ群(Weak)が最も弱い分類となります。
他のステロイド剤と強さを比較すると、ロコイドやキンダベート(それぞれⅣ群)、リンデロンV・VGやメサデルム(それぞれⅢ群)よりも強く、アンテベートやマイザー(それぞれⅡ群)と同等の強さ、デルモベート(Ⅰ群)よりは弱いという位置付けになります。
テクスメテンはかなり効果が強い部類に入るため、使い方には注意が必要となるものの、高い効果が期待できる外用剤と言えます。

テクスメテンの効能効果|湿疹、皮膚炎、かゆみなど

テクスメテン軟膏、テクスメテンユニバーサルクリームは湿疹、皮膚炎、かゆみの痒疹群など幅広い皮膚疾患の効能を有している薬です。
テクスメテン軟膏、テクスメテンユニバーサルクリームの効能効果の詳細は以下の通りです。


湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、日光皮膚炎を含む)
乾癬
掌蹠膿疱症
痒疹群(じん麻疹様苔癬、ストロフルス、固定じん麻疹を含む)
紅皮症
慢性円板状エリテマトーデス
アミロイド苔癬
扁平紅色苔癬

テクスメテン軟膏0.1%/テクスメテンユニバーサルクリーム0.1% 添付文書


テクスメテンの作用機序

テクスメテン軟膏、テクスメテンユニバーサルクリームが湿疹、皮膚炎などの皮膚疾患に対して効果を示すのは、ステロイド成分による抗炎症作用が働くためです。
ステロイドの成分は一般的に抗炎症蛋白のリポコルチンを産生を促進させ、ホスホリパーゼA2を阻害し、結果として抗炎症作用を示すとされています。

テクスメテンの実際の患者さんに対する効果

テクスメテンの実際の患者さんに対する効果は臨床試験において確認されています。
テクスメテンの疾患別の有効率は以下の通りであり、代表的なものでは、湿疹・皮膚炎群において86.8%の有効率、乾癬に対しては88.1%の有効率、かゆみを伴う痒疹群では65.8%の有効率などとなります((テクスメテン軟膏0.1%/テクスメテンユニバーサルクリーム0.1% 添付文書))。

疾患名 例数 有効率(%)
(有効以上)
湿疹・皮膚炎群 969 86.8
乾癬 219 88.1
掌蹠膿疱症 142 69.0
痒疹群 79 65.8
紅皮症 27 74.1
慢性円板状エリテマトーデス 27 81.5
アミロイド苔癬 6 83.3
扁平紅色苔癬 10 80.0

テクスメテンのやけどへの使用

テクスメテン軟膏、テクスメテンユニバーサルクリームはやけどに対する効能効果は明記されていません。
炎症を抑えるという意味では効果が期待できる面もあり、同じⅡ群ステロイドのアンテベートなどはやけど後の「肥厚性瘢痕・ケロイド」が効能に明記されています。
ただし、第2度深在性以上の熱傷・凍傷に対しては禁忌とされているため、自己判断でやけどに使用するようなことは避けましょう。

テクスメテンはヘルペスや水虫には基本的に使用しない

テクスメテン軟膏、テクスメテンユニバーサルクリームに含まれる成分はステロイドであり、ウイルスの感染に対しては基本的に効果は期待できません。
ヘルペスなどもウイルスが原因の感染症であり、テクスメテンには適さない皮膚疾患です。医師から特別に指示された場合を除き、自己判断で使用することはやめましょう。
その他、皮膚の疾患の代表的なものにかゆみを伴う水虫がありますが、基本的にテクスメテンの成分は水虫の原因には効果がありません。ステロイドによって免疫が低下して逆に悪化するような可能性もあり、テクスメテンは積極的に水虫に使用する薬でありません。テクスメテンを自己判断で水虫に使用するのは避けましょう。

テクスメテンの使い方

テクスメテン軟膏、テクスメテンユニバーサルクリームは1日1〜3回患部に塗って使用します。
テクスメテン軟膏、テクスメテンユニバーサルクリームの用法用量の詳細は以下の通りです。

通常1日1~3回、適量を患部に塗布する。

テクスメテン軟膏0.1%/テクスメテンユニバーサルクリーム0.1% 添付文書

テクスメテンの顔や陰部への使用

テクスメテンは比較的皮膚が厚い部分(腕、脚、背中など)に使用することが多いステロイドであり、顔や陰部などの粘膜は薬の吸収率が高くなるため、テクスメテンのような作用の強いステロイドは使うケースが限られます。
医師から指示されているケースを除き、自己判断でテクスメテンを顔や陰部などのデリケートな部分に使用するのは避けるようにしましょう。

テクスメテンの子供や赤ちゃんの使用

テクスメテン軟膏、テクスメテンユニバーサルクリームは子供や赤ちゃんに対しても使用できない薬ではありません。
ただし、子供や赤ちゃんは一般的に大人に使用するよりも効果が強く出てしまう傾向があります。子供や赤ちゃんでも医師からの指示であればテクスメテンを使用しても問題ないと考えられますが、大人よりも慎重に使用するようにしましょう。また、必ず医師から指示があった場合のみ使用するようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

テクスメテンの副作用

テクスメテン軟膏、テクスメテンユニバーサルクリームはステロイドの一つであり、副作用が心配という人もいるかと思いますが、正しい使用法で使用する分にはあまり心配は必要ないと言えます。
副作用の頻度として参考になるものとしてテクスメテン軟膏を例に挙げると、瘡(0.5%)、皮疹増悪(0.3%)、皮膚の刺激感(0.2%)、皮膚乾燥(0.1%)等とされています((テクスメテン軟膏0.1%/テクスメテンユニバーサルクリーム0.1% 添付文書))。
起こりうる副作用は基本的には塗布した部分におけるものがほとんどであり、塗った部位を様子を見ながら使用すれば副作用が問題になるようなことはあまりないと言えるでしょう。
なお、頻度はまれですが、報告されている重大な副作用として目に関わる副作用もあり、眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障が報告されています。これらは目の周辺に使用した場合や、特に長期にステロイドを使用している際に可能性があるため、目の周辺や長期で使用しているような場合は念のため、定期的に目にも異常がないか確認するようにしましょう。
その他、ステロイドは免疫を弱めてしまう傾向があるため、皮膚の感染症を起こしてしまうリスクが共通してあることも念のため覚えておきましょう。

テクスメテンの薬価・ジェネリック

トプシムの薬価は、2016年4月の改定時点(2016年4月〜2018年3月まで)で、軟膏、ユニバーサルクリーム共通して1gあたり15.5円とされています。軟膏やクリームでは1本あたり5gのものでは77.5円、1本あたり10gのものでは155円となります。
なお、テクスメテンにはジェネリック医薬品があり、アルゾナ軟膏、アルゾナユニバーサルクリームの商品名で販売されています。薬価は1gあたり10.6円であり、テクスメテンよりもジェネリック医薬品の方が経済的と言えます。
また、テクスメテンは同じ成分を含み同じ先発医薬品として販売されているネリゾナがあります。ネリゾナ軟膏、ネリゾナユニバーサルクリームの薬価は1gあたり27.6円であり、テクスメテンよりも高い薬価が設定されています。同じ成分であるため、効果に違いはありませんが、ネリゾナの方がより多くの剤型があり、軟膏、ユニバーサルクリームの他、クリーム、ソリューションの4剤型があります。

テクスメテンの市販での購入

テクスメテンは前述の通り、効果が比較的強いステロイドであり、市販で販売されている薬には含まれていない成分となります。基本的にテクスメテン、もしくはテクスメテンと同じ成分の代替薬を市販で買うことはできません。
市販で販売されている薬の中で最も効果の強いステロイド外用剤は、テクスメテンのⅡ群よりも一段階弱いⅢ群(strong)に分類されるベタメタゾン吉草酸エステルを成分として含んだ薬となります。
ベタメタゾン吉草酸エステルを含む市販薬としてベトネベートクリームSベトネベートN軟膏ASがあり、ベトネベートクリームSはステロイドの成分のみ、ベトネベートN軟膏ASはステロイドの他に抗菌薬が含まれているため、患部が化膿しているような場合に適している薬です。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
 

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