ドレニゾンテープの強さ、使い方、顔への使用可否などの使用部位、薬の単位、虫刺されなどの効能、かぶれなどの副作用などについて添付文書などから解説します。
ドレニゾンテープの強さや特徴
ドレニゾンテープはフルドロキシコルチドというステロイドの成分を含んだテープ剤です。皮膚疾患用密封療法剤という分類もされ、成分にステロイドを含む比較的珍しいテープ剤と言えます。
ステロイド外用剤の剤型は軟膏の他、クリームやローションといった形状が一般的ですが、ドレニゾンテープのようにテープ剤で使用する場合はより強い効果が期待できるという特徴があります。
通常ステロイドの外用剤はその強さにより最も強いⅠ群(Strongest)、Ⅱ群(VeryStrong)、Ⅲ群(Strong)、Ⅳ群(Mild)、最も弱いⅤ群(Weak)に分類されます。ドレニゾンテープの成分であるフルドロキシコルチド自体最も弱いⅤ群に分類されますが、テープ剤として使用する場合は、より強い効果が発揮され、Ⅲ群の強さになると言われているため、注意しながら使用するようにしましょう。
ドレニゾンテープは4μg/cm2という単位であり、 テープ1cm2あたり成分のフルドロキシコルチドが4μg含まれます。包装単位は(7.5cm×200cm)×5、(7.5cm×10cm)×50の2種類であり、通常は7.5cm×10cmのものを1枚単位で使用ことが多い薬です。
ドレニゾンテープの使い方
ドレニゾンテープの使い方は必要に応じて適切な大きさに切り、1日1回もしくは2回、患部に貼るという使い方をします。使用する部位は予め綺麗に洗い、乾燥させてから使用するようにしましょう。
また、テープを貼る際の注意点としてテープを少しだけめくってから患部に貼り、そのまま患部に徐々に貼り付けながら、台紙を剥がすという手順で綺麗に貼ることができます。先に台紙を剥がすと、適当な大きな切るのが難しくなったり、貼るときにも患部に対して綺麗に貼れなくなることがあるため、台紙は貼る直前まで剥がさないようにしましょう。
患部を軽く洗浄し,よく乾燥させた後,本剤を台紙に付着したまま適当な大きさに切り取り,台紙を取り除き患部に粘着面をあてて貼付する。本剤は,貼付後12時間または24時間ごとに貼りかえる。必要な場合,夜間のみ貼付する。なお,貼りかえ時にも患部の洗浄および乾燥を行うこと。
ドレニゾンテープ 添付文書
ドレニゾンテープの効能と使用部位
ドレニゾンテープの効能は湿疹、皮膚炎の他、乾癬、やけどなどでできる肥厚性瘢痕・ケロイドなどもあります。また、虫刺されと明記はされていませんが、虫刺されによる皮膚炎などには効果があると考えられます。
湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症,ビダール苔癬を含む),結節性痒疹(固定蕁麻疹を含む),乾癬,掌蹠膿疱症,扁平紅色苔癬,アミロイド苔癬,環状肉芽腫,光沢苔癬,慢性円板状エリテマトーデス,フォックス・フォアダイス病,肥厚性瘢痕・ケロイド,尋常性白斑,シャンバーグ病,悪性リンパ腫(菌状息肉症の紅斑・扁平浸潤期等)
ドレニゾンテープ 添付文書
注意点として、ドレニゾンテープを含めたステロイド剤は、切り傷にはあまり向いていません。場合によっては悪化するケースもありますので、医師から特別な指示があったような場合を除き、自己判断で使用するのは避けましょう。
ドレニゾンテープは前述の通り、成分自体は強いものではないものの、テープ剤という剤型の特徴により、ステロイドの中でも中程度の強さを持つ薬です。したがって、使用する部位にも注意が必要であり、薬の吸収率が高くなる顔などでは効果が強く出すぎるケースがあります。基本的に顔に使用することはあまり多くありません。自己判断で使用することはやめましょう。
ドレニゾンテープの副作用
ドレニゾンテープで注意するべき副作用として接触皮膚炎(いわゆる「かぶれ」)などの使用部位の炎症です。頻度も14.4%と他の副作用と比較し圧倒的に頻度がたかいものとなります。かぶれはテープ剤という特徴を持っているために起きてしまう仕方がない面もありますが、皮膚を常に清潔に保って使用するといったことでもある程度対策することができます。
かぶれがあまりにもひどく継続するような場合は、軟膏やクリームなどの剤型のステロイドに変更するという手もありますので、その場合は医師に相談しましょう。
その他に注意が必要な副作用として、眼圧亢進、緑内障、後のう白内障などの目における副作用や、ステロイドの免疫系への影響による皮膚の感染症なども頻度は低いものの注意が必要となります。ドレニゾンテープを使用していて違和感を感じる様な場合は早めに医師や薬剤師に相談する様にしましょう。
ドレニゾンテープの通販、市販での購入可否
ドレニゾンテープの市販での入手の可否ですが、まず通販(個人輸入)での購入はあまりおすすめできません。個人輸入の通販では成分が粗悪なもので作られている可能性や、副作用がでてしまったときの救済の範囲外になるなど、様々なデメリットの可能性があるためです。
また、ドレニゾンテープは「処方箋医薬品以外の医薬品」に該当するため、厳密には処方箋がなくても薬局などで販売することが可能です。しかし、実際には医療用医薬品を処方箋なしで販売してくれる薬局は少数であり、現実的とは言えません。
市販薬でドレニゾンテープと同じ成分を含んだものは販売されおらず、ステロイドのテープ剤という括りでも市販薬では販売されていないのが現状です。
以上のことからドレニゾンテープを市販で購入するのは現実的ではなく、原則として医師からの処方箋により、薬局で入手するのが最も確実な入手方法といえるでしょう。
薬を使用する際には必ず添付文書を確認し、決められた用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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