アレグラの飲み合わせについて、飲み合わせに注意が必要な薬について、それぞれの領域の薬ごとに確認していきます。
Contents
- 1 アレグラの特徴と飲み合わせの注意点
- 2 アレグラとの飲み合わせが併用禁忌に該当するもの
- 3 アレグラの飲み合わせ|併用に注意が必要な薬
- 4 アレグラとグレープフルーツとの飲み合わせ
- 5 アレグラと咳止めの飲み合わせ|アスベリン、メジコン、フスコデなど
- 6 アレグラと胃薬・胃腸薬の飲み合わせ
- 7 アレグラと漢方薬の飲み合わせ
- 8 アレグラと痰切りの飲み合わせ|ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンなど
- 9 アレグラと抗炎症薬の飲み合わせ|トランサミンなど
- 10 アレグラと他の鼻水・アレルギー薬との飲み合わせ|アレジオン、アレロック、ザイザルなど
- 11 アレグラと抗ロイコトリエン薬との飲み合わせ|オノン、キプレス、シングレアなど
- 12 アレグラと抗生物質との飲み合わせ|メイアクト、フロモックス、クラリス、ジスロマック、クラビット、ワイドシリンなど
- 13 アレグラの解熱鎮痛剤との飲み合わせ|イブ、ロキソニン、カロナールなど
- 14 アレグラとサプリメントの飲み合わせ
アレグラの特徴と飲み合わせの注意点
アレグラはフェキソフェナジンの成分を含む抗アレルギー薬であり、花粉症を含むアレルギー性鼻炎や蕁麻疹、皮膚炎などの皮膚疾患に効果が認められている薬です((アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/780069_4490023F1024_1_22.pdf))。
アレグラの特徴は抗アレルギーと言われる分類の中でも特に眠気が出にくい点であり、日常的に車の運転などをする人などに向いている薬です。
アレグラは処方薬の他に、市販薬としても販売されており、アレグラFXの名称で販売されています。市販のアレグラFXは花粉症などを含むアレルギー性鼻炎に対して効能効果が認めらており、蕁麻疹、皮膚炎などの皮膚疾患は効能効果の対象外となります((アレグラFX 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J1201000287_06_A.pdf))。
アレグラの飲み合わせに関して、処方薬においては絶対に併用できない薬(併用禁忌薬)はなく、併用に注意が必要なレベル(併用注意)として、いくつかの薬剤が注意喚起されています((アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/780069_4490023F1024_1_22.pdf))。
一方、市販のアレグラFXに関しては、「してはいけないこと」として、アレグラFXを服用している期間は「他のアレルギー用薬(皮ふ疾患用薬,鼻炎用内服薬を含む)、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(かぜ薬、鎮咳去痰薬、乗物酔い薬、催眠鎮静薬等)、制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤)、エリスロマイシン」を使用しない、および飲酒をしないよう注意喚起されています((アレグラFX 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/otc/PDF/J1201000287_06_A.pdf))。
アレグラとの飲み合わせが併用禁忌に該当するもの
アレグラの処方薬と他の薬などとの飲み合わせに関しては前述の通り、絶対に併用できないもの(併用禁忌)はありません((アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/780069_4490023F1024_1_22.pdf))。
一方、市販薬のアレグラFXに関しては、「他のアレルギー用薬(皮ふ疾患用薬,鼻炎用内服薬を含む)、抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(かぜ薬、鎮咳去痰薬、乗物酔い薬、催眠鎮静薬等)、制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤)、エリスロマイシン」と併用しないよう注意喚起されています。
市販のアレグラFXと上記の薬との併用が禁止されている理由として、他のアレルギー用薬は、作用が重複するため、風邪薬、鎮咳去痰薬、乗り物酔い薬、催眠鎮静薬などは抗ヒスタミン成分、抗アレルギー成分がこれらに含まれる可能性があり、作用が重複する可能性があるため、制酸剤に関しては処方薬においても併用注意とされておりアレグラFXの作用を減弱させる可能性があるため、エリスロマイシンも処方薬において併用注意とされておりアレグラFXの作用を増強させる可能性があるためと考えられます。
市販のアレグラFXを使用する場合は、アレジオン、クラリチン、ザジテン、コンタック鼻炎Z、ストナリニZなどの抗アレルギー薬、パブロン、ベンザブロック、ルルなどの風邪薬、ドリエルやウットなどの鎮静薬、アネロンやトラベルミンなどの乗物酔い薬との併用は避けるようにしましょう。
アレグラの飲み合わせ|併用に注意が必要な薬
アレグラの処方薬には前述の通り、併用禁忌ではないものの、飲み合わせに注意が必要な薬がいくつかあり、併用注意として注意喚起されています。
アレグラの処方薬の併用注意の薬剤は以下の通りです((アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/780069_4490023F1024_1_22.pdf))。
成分名等 | 代表的な薬剤等 |
制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤) | マーロックス、マルファ |
エリスロマイシン | エリスロシン |
マーロックス、マルファなどの制酸剤に関しては、制酸剤の成分がアレグラの成分に吸着し、吸収が阻害されることにより作用を減弱させる可能性があるため、エリスロマイシンは薬物動態に影響するタンパク質を阻害し、アレグラの作用を増強させる可能性があるためとされています。
アレグラとグレープフルーツとの飲み合わせ
アレグラはグレープフルーツとの飲み合わせは問題なく特に注意喚起されていません((アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/780069_4490023F1024_1_22.pdf))。しかし、アレグラはグレープフルーツジュースをはじめとした果実ジュース(リンゴジュース、オレンジジュース)によるトランスポーターOATPの抑制による作用の減弱がしられています((公益社団法人日本薬学会))。
アレグラを使用する場合はグレープフルーツジュース、リンゴジュース、オレンジジュースで服用するのは避け、どうしても服用したい場合は数時間程度間隔をあけるようにしましょう。
また、ジュースでなく、グレープフルーツ、リンゴ、オレンジの果肉に関しては影響は大きくないと考えられますが、念のため、これらも数時間程度おくのが安全と考えられます。
アレグラと咳止めの飲み合わせ|アスベリン、メジコン、フスコデなど
アレグラは飲み合わせの悪い咳止め薬はなく、基本的にはどの咳止めとも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い咳止めでは、アスベリン、メジコン(デキスロトメトルファン)、フスコデ、アストミン、フスタゾールなどがありますが、いずれの薬剤もアレグラと併用することが可能です。
なお、市販のアレグラFXに関しては、抗ヒスタミン薬を含む鎮咳去痰薬との併用が「してはいけないこと」として注意喚起されています。実際に市販の鎮咳去痰薬に含まれる抗ヒスタミン成分として、クロルフェニラミンマレイン酸塩、カルビノキサミンなどがあります。これらの成分が含まれる市販の咳止め薬とは併用しないようにしましょう。
アレグラと胃薬・胃腸薬の飲み合わせ
アレグラは飲み合わせの悪い胃薬・胃腸薬はなく、基本的にはどの胃薬・胃腸薬とも飲み合わせることができます。
一緒に使用されることが多いものとして、処方薬ではムコスタ(成分名:レバミピド)、セルベックス(成分名:テプレノン)の他、ネキシウムやオメプラール(成分名:オメプラゾール)、タケプロン(成分名:ランソプラゾール)、パリエット(成分名:ラベプラゾール)、タケキャブ、ガスター(成分名:ファモチジン)などがありますが、これらのいずれの薬剤もアレグラと併用することが可能です。
アレグラと漢方薬の飲み合わせ
アレグラは飲み合わせの悪い漢方はなく、基本的にはどの漢方薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い漢方薬では風邪全般に使用される葛根湯や鼻水などに使用される小青竜湯、咳などに使用される麦門冬湯などありますが、いずれの漢方もアレグラと併用することが可能です。
アレグラと痰切りの飲み合わせ|ムコダイン、ムコソルバン、ビソルボンなど
アレグラは飲み合わせの悪い痰切り薬はなく、基本的にはどの痰切りとも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い痰切りでは、ムコダイン(カルボシステイン)、ムコソルバン・ムコサール・ムコソレート(アンブロキソール)、ビソルボン(ブロムヘキシン)などがありますが、いずれの薬剤もアレグラと併用することが可能です。
なお、市販のアレグラFXに関しては、抗ヒスタミン薬を含む鎮咳去痰薬との併用が「してはいけないこと」として注意喚起されています。実際に市販の鎮咳去痰薬に含まれる抗ヒスタミン成分として、クロルフェニラミンマレイン酸塩、カルビノキサミンなどがあります。これらの成分が含まれる市販の咳止め薬とは併用しないようにしましょう。
アレグラと抗炎症薬の飲み合わせ|トランサミンなど
アレグラは抗炎症薬であるトランサミン(トラネキサム酸)とも飲み合わせは悪くなく、よく併用される薬の一つです。
アレグラと他の鼻水・アレルギー薬との飲み合わせ|アレジオン、アレロック、ザイザルなど
アレグラは抗アレルギー薬に分類される薬剤であり、基本的に他の抗アレルギー薬とは併用しません。
ザジテン(ケトチフェン)、ゼスラン・ポララミン(メキタジン)、アレロック(オロパタジン)、ジルテック(セチリジン)、ザイザル、タリオン(ベポタスチン)、エバステル(エバスチン)、アレジオン(エピナスチン)、クラリチン(ロラタジン)、デザレックス、ビラノア、ルパフィンなどとは併用しないのが一般的です。ただし、処方医の先生の判断でこれらを併用するケースもあり、その場合は医師の指示通りに使用するようにしましょう。なお、ディレグラに関してはアレグラの成分であるフェキソフェナジンを含むため、アレグラとは基本的に併用しません。
また、抗ヒスタミン薬の第一世代とは併用することがあり、ポララミンやレスタミン、セレスタミンなどとは併用されるケースがあります。
市販のアレグラFXに関しては他の抗アレルギー薬との併用が「してはいけないこと」として注意喚起されているため、アレジオン、クラリチン、ザジテン、コンタック鼻炎Z、ストナリニZなどの抗アレルギー薬と自己判断で併用しないようにしましょう。
アレグラと抗ロイコトリエン薬との飲み合わせ|オノン、キプレス、シングレアなど
アレグラは飲み合わせの悪い抗ロイコトリエン薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い抗ロイコトリエン薬として、オノン(プランルカスト)、キプレス・シングレア(モンテルカスト)がありますが、いずれの薬剤もよく併用され、アレグラとの併用は問題ありません。
アレグラと抗生物質との飲み合わせ|メイアクト、フロモックス、クラリス、ジスロマック、クラビット、ワイドシリンなど
アレグラは抗生物質や抗菌剤との併用に関して、飲み合わせの悪い薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
具体的なその他の抗生物質・抗菌剤として、サワシリン(アモキシシリン)、オーグメンチン、メイアクト(セフジトレン)、フロモックス(セフカペン)、セフゾン(セフジニル)、クラリス(クラリスロマイシン)、ジスロマック(アジスロマイシン)、オゼックス(トスフロキサシン)、ジェニナックなどがありますが、いずれもアレグラと併用できる薬剤です。
アレグラの解熱鎮痛剤との飲み合わせ|イブ、ロキソニン、カロナールなど
アレグラは飲み合わせの悪い解熱鎮痛薬はなく、基本的にはどの薬とも一緒に使用することができます。
一緒に使用されることが多い解熱薬として、処方薬ではロキソニン(ロキソプロフェン)、カロナール(アセトアミノフェン)、ボルタレン(ジクロフェナク)、セレコックスなどがありますが、いずれの薬剤もよく併用され、アレグラとの併用は問題ありません。
市販薬に関しては、イブ、ロキソニンS、タイレノールなどの解熱鎮痛薬がありますが、いずれも併用可能な薬となります。ただし、イブイシーズのなかでもエスタックイブシリーズは解熱鎮痛薬でなく、総合感冒薬(風邪薬)に該当するため、これらの併用は避けましょう。
アレグラとサプリメントの飲み合わせ
アレグラとサプリメントとの飲み合わせについても現時点では明確に注意が必要なものは報告されていません。ただし、バレリアン(セイヨウカノコソウ)などは鎮静、催眠作用が強く出る可能性もあるため、念のため注意しましょう。
その他、サプリメントは現時点では特別な注意喚起されているものはあまりありませんが、今後新しい種類のサプリメントが登場する可能性もあるため、心配な場合は医師や薬剤師の相談の上、併用するようにしましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
コメント