ビシフロールの効果やジェネリックなど|半減期や粉砕、一包化についても

ビ・シフロールのパーキンソン病、むずむず脚症候群に対する効果や、ジェネリック医薬品、半減期、粉砕や一包化の可否、効かない場合の対処法等について添付文書などから解説します。

ビシフロールの効果と作用機序

ビシフロール(一般名:プラミペキソール)は脳内物質のドパミンと似た働きをするドパミン作動薬と言われる薬の一つです。
脳内のドパミンが減少することで振戦(手足のふるえ)、筋固縮(こわばり)、無動(動作が遅い)、姿勢反射障害(バランスがとりづらくなる)などが起こるパーキンソン病や、脚がむずむずして、異常な感覚や痛みなどがあり、脚を動かしたい衝動にかられるむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)に効果があるとされている薬です。
ビシフロールの効能効果は以下の通りです。

1. パーキンソン病
2. 中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)

ビ・シフロール錠0.125mg/ ビ・シフロール錠0.5mg 添付文書

ビシフロールの作用機序はドパミンD2受容体のサブファミリー (D2,D3,D4) に高い親和性を示し、ドパミンのような作用をもたらすことによってパーキンソン病やむずむず脚症候群に効果をもたらすとされています。

ビシフロールの半減期と用法用量、効かない場合の対処法

ビシフロールの半減期(血中の濃度が半分になるまでの時間)はおそよ7時間とされています1)
ビシフロールをパーキンソン病に使用する場合は1日4.5mgを超えない範囲で1日2回、もしくは3回に分けて使用します。
むずむず脚症候群(特発性レストレスレッグス症候群)に使用する場合は1日0.75mgを超えない範囲で1日1回就寝2〜3時間前に使用します。

1. パーキンソン病
通常、成人にはプラミペキソール塩酸塩水和物として1日量0.25mgからはじめ、2週目に1日量を0.5mgとし、以後経過を観察しながら、1週間毎に1日量として0.5mgずつ増量し、維持量(標準1日量1.5~4.5mg)を定める。1日量がプラミペキソール塩酸塩水和物として1.5mg未満の場合は2回に分割して朝夕食後に、1.5mg以上の場合は3回に分割して毎食後経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減ができるが、1日量は4.5mgを超えないこと。
2. 中等度から高度の特発性レストレスレッグス症候群(下肢静止不能症候群)
通常、成人にはプラミペキソール塩酸塩水和物として0.25mgを1日1回就寝2~3時間前に経口投与する。投与は1日0.125mgより開始し、症状に応じて1日0.75mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこと。

ビ・シフロール錠0.125mg/ ビ・シフロール錠0.5mg 添付文書

ビシフロールが効かないと感じる場合、まずは正しく服用できているか確認しましょう。上記のとおり、パーキンソン病の場合は、1日2回もしくは3回使用する必要がある薬です。また、むずむず脚症候群では就寝の2〜3時間前に使用する必要があります。
また、ビシフロールは用量が人によって異なり、使用する錠数にも注意が必要であるため、こちらも十分な確認をしましょう。
用法用量が正しいにも関わらず、効かないと感じる場合は、最高用量に達していなければ医師の判断により増量することが可能です。効かないと感じる旨を医師に相談し、増量を検討してもらうようにしましょう。ただし、増量には副作用のリスクも伴い、間隔も最低1週間設ける必要があります。
前提としてビシフロールは即効性を期待するような薬ではなく、数日から数週間使用することで効果が発揮されるような薬です。正しい用法用量で継続して使用しながら効果の様子を見るようにしましょう。
1) ビ・シフロール錠0.125mg/ ビ・シフロール錠0.5mg 添付文書

ビシフロールのジェネリック

ビシフロールには数多くのジェネリック医薬品が販売されており、プラミペキソール塩酸塩錠○○(○○はメーカー名)という商品名で販売されています。ビ・シフロール錠には0.125mgと0.5mgの規格がありますが、いずれの規格もジェネリック医薬品でしたら半額以下の薬価で入手することが可能です。
ビシフロールとジェネリックの薬価は以下の通りです。

薬剤名 薬価 ジェネリック
薬価
ビ・シフロール錠0.125mg 45.7 19.5
ビ・シフロール錠0.5mg 155.4 68.6

上記の通り、ビシフロールをジェネリック医薬品に変更するとかなり経済的になるため、希望する場合は薬局で相談するようにしましょう。

ビシフロールの粉砕と一包化の可否

ビシフロールは粉砕、一包化に関しては添付文書に「本剤は光に対して不安定なため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。」とあり、基本的には避けたほうが望ましいと言えそうです。
しかし、参考になる情報として、粉砕に関しては有効成分の各種条件下における安定性の試験において、高湿度や長期間の保存においても有効成分に大きな変化がなかった結果が確認されています2)
また、一包化に関しても製剤の各種条件下における安定性の試験において、光や高い湿度下では影響があることが確認されているものの、暗所にて低湿度であれば1ヶ月は規格内であることが確認されています2)
これらの情報から考えるに、粉砕や一包化をしても適切な保存(暗所で低湿度)をすればある程度は可能とも考えられます。
2) ビ・シフロール錠0.125mg/ ビ・シフロール錠0.5mg インタビューフォーム
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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