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アレロックの授乳への影響と妊娠中の使用|蕁麻疹や花粉症の薬アレロックについて授乳の再開の目安も

アレロックについて、授乳への影響と妊娠中の使用、授乳再開の目安の日数などについても解説していきます。

アレロックの授乳中の使用|授乳への影響は

アレロックは授乳中の使用は推奨されていません
アレロックにはアレロック錠の他、水なしで服用できるアレロックOD錠、小児でよく使われるアレロック顆粒がありますが、いずれも授乳中の使用に関しては以下のような注意喚起がされています。

授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行及び出生児の体重増加抑制が報告されている。]

アレロック 添付文書

動物実験で、アレロックの成分が母乳中に移行することがわかっており、そのまま乳児に母乳を飲ませると薬の成分も乳児が摂取してしまう可能性が指摘されています。このため、製薬会社では授乳中に使用することは推奨していません。

アレロックが母乳に移行する量

製薬会社の資料によればアレロックが実際に母乳中に移行する量は血液中の濃度の1.5倍もしくは0.36〜1.97倍というデータが確認されており、一定の濃度で母乳中に移行することが確認されています。

授乳期のラットに 14C-オロパタジン塩酸塩 1mg/kg を経口投与後の乳汁中放射能濃度及び血漿中放射能濃度を測定した。乳汁中放射能は血漿中放射能より遅れて最高値を示し、その AUC0-∞は血漿中放射能の AUC0-∞の約 1.5 倍であった。また、乳児の血漿中放射能濃度は投与後 24 時間に最高値を示した。
授乳期のラットに非標識オロパタジン塩酸塩 1mg/kg を経口投与後の乳汁中及び血漿中濃度を RIA 法により測定した。乳汁中未変化体濃度は、投与後 0.25~24 時間まで血漿中未変化体濃度の 0.36~1.97 倍を示した。乳汁中及び血漿中未変化体の AUC0-24 は、乳汁中及び血漿中放射能の AUC0-24 に対して、それぞれ 66.3%及び 74.5%であったことから、オロパタジン塩酸塩は未変化体として比較的高い乳汁移行性を示すと考えられた。

アレロック インタビューフォーム

専門家の見解はアレロックの授乳中の使用は大きな問題なし

アレロックの授乳中の使用は問題ないという専門家の見解もあります。
愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)では、実際の乳児での有害事象の報告がなく、問題ないという判断をしています。

動物での母乳への移行が報告されているが、授乳による乳児への有害事象の報告が見あたらない。小児にも適応があり、使用可能と考えられる。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

アレロックは顆粒剤が子供でも使用される薬です。一般的には2歳以上とされているものの、場合によっては2歳以下の子供でも使用されることがあり、母乳経由で乳児が摂取しても影響は限定的と考えられます。

アレロックの授乳中の使用に関して最後は医師の判断で

アレロックの授乳中の使用は前述の通り、製薬会社は推奨していないものの、実際には乳児への影響は限定的と考えられます。
ただし、最終的に授乳中にアレロックを使用するかを決めるのは処方医の先生となります。お母さんや子供の体調や体質、その時の症状や併用している薬など、様々な状況から総合的に判断し、医師が処方するか決めることになります。また、アレロックが分類される抗ヒスタミン薬には様々な種類があり、他の抗ヒスタミン薬に変更するのも一つの手段です。
処方医の先生には授乳中であることはもちろん、その他にお母さんと子供の体調や体質、他に使用している薬、生活環境などすべて伝えた上で先生に判断してもらうようにしましょう。

アレロックを使用した時の授乳を再開するタイミングは

もしアレロックを授乳中に使用するものの、その間は授乳を中止するという判断になった場合、授乳を再開するタイミングも処方医の先生と十分に相談しておきましょう。
製薬会社からの動物実験の結果では、乳児のアレロックの成分の濃度は母親への投与後 24 時間に最高値を示した、という結果1)があるため、1日以上空けて再開するのが比較的安全性が高いと考えられます。
1) アレロック インタビューフォーム

アレロックの妊娠中の使用

アレロックは妊娠中の使用も推奨されていません
いずれの剤型においても、ベネフィットが妊娠中に使用するリスクを上回る場合のみ使用してくださいといった意味合いの注意喚起がされています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

アレロック 添付文書

ただし、上記のような注意喚起はほとんどの薬剤で書かれている内容であり、実際にはほとんどリスクがないような薬でも記載されている場合がほとんどです。

妊娠中に注意喚起されているのはデータがないから

前述のようなアレロックの妊娠中の使用に関する注意喚起がされている理由は、妊婦に使用したデータがない、もしくは少ないからです。

承認時(成人)までに実施した国内の臨床試験では妊婦、産婦、授乳婦等を対象とした試験は実施していない。

アレロック インタビューフォーム

したがって、実際に妊婦に使用して危険な影響が現れることが確認されているわけではありません。危険とも安全とも確認できるほどデータがないというのが実際のところと考えられます。

妊娠中の使用は動物実験ではほとんど影響なし

妊娠中のアレロックの使用に関して動物実験のデータがいくつか公開されていますが、それらの結果は基本的に大きな問題はないというものでした。

胎児への移行性
(ア)ラットにおける妊娠前及び妊娠初期の投与試験では、オロパタジン塩酸塩 400mg/kg投与群で母動物の一般状態の悪化が原因と考えられる受胎率の低下傾向が認められている。胎児においては 400mg/kg 投与群でも影響は認められなかった。
(イ)ラットにおける胎児の器官形成期投与試験ではオロパタジン塩酸塩 600mg/kg 投与群において、対照群に比べ胎児体重の低下が認められている。また、内臓異常の頻度は 200mg/kg 以上投与した群で対照群と比較して上昇傾向がみられたものの、自然発生頻度の範囲内であった。ウサギにおける同様の試験ではオロパタジン塩酸塩 400mg/kg 投与群においても、胎児の発育に影響はみられず、催奇形性も認められなかった。
(ウ)ラットにおける周産期及び授乳期投与試験では、母動物においてオロパタジン塩酸塩 600mg/kg 投与群で哺育期間中に摂餌量の減少及び体重増加抑制傾向が認められているが、妊娠期間、出生率の異常は認められなかった。また、出生児では4mg/kg 以上投与した群で体重増加抑制、60mg/kg 以上投与した群で 4 日生存率の低下が認められ、600mg/kg 投与群において、離乳率の低下、膣開口の遅れが認められた。しかし、他の発育・形成及び生殖能力に関する検査では異常は認められなかった。

アレロック インタビューフォーム

専門家の見解も妊娠中の使用は大きな問題なし

愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)ではアレロックの妊娠中の使用に関して問題ないという見解です。

ヒトでの催奇形性、胎児毒性を示唆するデータなし。妊婦に使用可能と考えられる。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

妊娠中の使用に関しても最後は医師の判断で

授乳中の使用と同様、アレロックの妊娠中の使用に関しても最後は処方医の先生の判断となります。
前述の通り、妊娠中にアレロックを使用してもさほど実際には大きな危険性、胎児への影響は少ないと考えられますが、自己判断でアレロックを使用するのは避け、必ず処方医の先生に相談の上、判断を仰ぐようにしましょう。
先生が妊娠中であることを知った上で処方された場合は、安全と判断しての処方と考えられますので、安心して使用するようにしましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。