市販薬のアレルギー性鼻炎薬のアレグラFXについて、その特徴や効果、使い方、副作用、飲み合わせ、価格、処方薬のアレグラとの違い等について添付文書等から解説していきます。
アレグラFXの特徴
アレグラFXはフェキソフェナジンを成分として含み、くしゃみ、鼻みず、鼻づまりなどのアレルギー性鼻炎症状に効果がある市販薬です1)。
アレグラFXの最大の特徴は抗ヒスタミン薬に分類される薬の中でも最も眠気が出にくい薬の一つであるという点であり、「集中力、判断力、作業能率の低下」といったいわゆるインペアード・パフォーマンスを起こしにくい薬です。花粉症シーズンなどは生活上、眠くなるのが困る場合などに非常に重宝される市販薬です。
CMなどでも紹介されている薬であるため、商品名に馴染みのある方も多く、花粉症シーズンでは最も使われている市販薬の一つです。
また、アレグラFXは当初は要指導医薬品という薬剤師がいる店舗でしか販売できない(通販でも買えない)市販薬でしたが、第1類医薬品への変更を経て、現在はさらに規制が緩和される第2類医薬品の区分に属しているため、薬剤師がいないドラッグストアなどの店舗でも購入が可能となりました。その他amazonなどの通販サイドでも現在は購入できるようになっています。
なお、アレグラFXはもともとは処方薬のみで販売されてたいわゆるスイッチOTCであり、同じ「アレグラ」という名称で処方薬としても販売されています。アレグラFXは処方薬のアレグラ60mgと同じ成分量を含んでいる薬であり、基本的には処方薬と同じ効き目が期待できる市販薬です。
1) アレグラFX 添付文書
アレグラFXの効果
アレグラFXは鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの鼻のアレルギー症状に対して効果がある薬であり、花粉症のシーズンなどに非常によく使われる薬の一つです。
アレグラFXの効能効果の詳細は以下のとおりです。
花粉,ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ,鼻みず,鼻づまり
アレグラFX 添付文書
アレグラFXの作用機序
アレグラFXがアレルギー性の鼻炎に効く理由は、アレグラFXの成分であるフェキソフェナジンによる抗ヒスタミン作用によるものです。
抗ヒスタミン作用はヒスタミンというアレルギーを誘発される物質の作用点を阻害することによって、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの鼻炎症状を抑えます。
また、フェキソフェナジンにはヒスタミンなどのケミカルメディエーターが放出されること自体を防ぐ効果もあるとされおり、アレルギーの原因を元から抑えることも期待できます。
アレグラFXの効果時間
アレグラFXの効果が出るまでの時間については、処方薬であるアレグラのデータが参考になります。
処方薬のアレグラの臨床試験の結果では、使用してから60分後にはプラセボ(偽薬)を使用した群と比較して統計学的に有意に効果が出ることが確認されています2)。
上記の結果から同じ成分を含むアレグラFXも1時間程度で速やかに効果が現れることが想定されます。
効果の持続時間についてはアレグラFXの公式サイトでも記載されているとおり、1日2回の服用で24時間効果が持続することが公表されています3)。1回の使用で半日の12時間前後は効果が持続すると考えられます。
2) アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg インタビューフォーム
3) アレグラFX 公式サイト http://www.allegra.jp/
アレグラFXの効き目、効果の強さ
アレグラFXの成分であるフェキソフェナジンは抗ヒスタミン薬の中では、あまり効き目は強くはないという位置付けになります。抗ヒスタミン薬は一般的に効き目の強さと眠気の出やすさが比例する傾向があり、眠気が最も出にくいアレグラは効果の強さもマイルドとされています。
処方薬のアレグラでは他の抗ヒスタミン薬と効き目を比較している臨床試験も実施されており、その一例では小児のアレルギー性鼻炎患者において、くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉症状の改善をケトチフェンフマル酸塩(代表製品:ザジテン)と比較した結果、非劣性(同程度の効果)が検証された、とされています4)。
4) アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書
アレグラFXはアトピー、蕁麻疹には使用しない
アレグラFXは前述の通り、効能効果はアレルギー性鼻炎に限定されており、処方薬のアレグラの効能効果として認めれらているアトピーや蕁麻疹に対する適応はありません。
市販薬と処方薬の大きな違いとして医師による診察が含まれるかという点が挙げられます。アトピーや蕁麻疹に対しては自己判断でアレグラFXを使用することはせず、必ず医師の診察を受けた上で処方薬をもらうようにしましょう。
逆にアレルギー性鼻炎に対しては、医師の診察を受ける時間がないような場合は市販薬でも十分効果が期待できると言えます。
アレグラFXは風邪には使用しない
アレグラFXの効能効果は前述のとおりアレルギー性鼻炎の鼻炎症状であり、風邪に対しては使用しないのが適正な使用方法と言えます。
処方薬のアレグラに関しては、現実的には風邪における鼻炎症状に対してもアレルギー性のものが疑われるケースなどで処方されることもあり、実際に効果があるケースもありますが、市販薬のアレグラFXに関しては、あくまでアレルギー性の鼻炎症状に対する使用を目的とするものであり、専門家でない方が自己判断で風邪の鼻炎症状に対して使用するのは避けるようにしましょう。
アレグラFXの使い方
アレグラFXは1日2回、1回1錠使用する薬です。使用するタイミングは朝・夕とされており、空腹時でも使用可能とされています。
アレグラFXの用法用量の詳細は以下のとおりです。
用法・用量 成人(15才以上),1回1錠,1日2回朝夕に服用してください。
[年齢:1回量:服用回数]
成人(15才以上):1錠:1日2回朝夕
15才未満:服用しないことアレグラFX 添付文書
長期で使用する場合は2週間程度で一度確認を
アレグラFXの添付文書では、原則として1週間程度で効果が見られない場合は、服用を中止するよう注意喚起されています。また、効果がある場合でも2週間を超えて使用するような場合は、医師、薬剤師、登録販売者などに一度相談するよう注意喚起されています1)。
使用期間を確認し、漫然と長期に使用しないよう注意しましょう。
1) アレグラFX 添付文書
アレグラFXが効かない場合の対処法
アレグラFXが効かない、効果を感じないといった時にまず確認したいのが、正しい用法用量でアレグラFXを使用できているかという点です。
前述の通り、アレグラFXは1日に2回使用する薬であり、これが1日1回だけになってしまうと、効果が持続しないため、効果を感じなくなる原因の一つとなります。また、1日2回は朝・夕での使用とされており、これが極端に間隔が長くなったりした場合はその間に効果が切れてしまう可能性もあります。逆に間隔が近すぎる場合は、次の日の朝まで効果が持続しない可能性も考えられるため、適切な使用間隔で使用できているかという点も確認しましょう。
花粉症の症状が重くなってから使っていないか
アレグラFXが効かないと感じるのは薬を飲み始める時期にも原因の可能性があります。
アレグラFXの成分であるフェキソフェナジンは、花粉症などに使われる抗アレルギー薬の中では、決して効果が強い方ではありません。
アレグラFXの公式のサイトでも花粉症などの症状を感じたら、早めの対処が効果的という解説をしており、花粉症の症状がひどくなってからだと十分な効果を感じない可能性があります。
1回で2錠飲む倍量の使用はNG
1回1錠で効果が見られないからといって、1回で2錠(2倍量)使用するのは止めましょう。
2錠飲んでも必ずしも1錠より高い効果が得られるわけではありません。人によっては2錠飲んでも1錠飲んだ時と効果が変わらないという可能性も考えられます。
また、2錠飲むことで副作用が出る可能性が上がります。
1回で2錠使用することは上記の通り、効果の面や安全性の面、さらには経済的な面からもデメリットがありますので、絶対に止めましょう。
また、1日2回飲むのを忘れた場合も、同様に1回で2錠(2倍量)使用するのはNGとされています。
飲み忘れの時の対処法については公式サイトのQ&Aでも解説されてます。
Q.一度に2錠をまとめて飲んでも良いですか?
A.一度に2錠をまとめて飲むことはやめてください。
飲み忘れた場合、通常の服用時間からそれほどたっていなければ、気付いた時にすぐに1錠服用してください。また、次の服用に近い時間に気付いた時には、飲み忘れの分は抜いてください。ただし、次の服用まで6~8時間間隔をあけられるようでしたら、服用してもかまいません。アレグラFX 公式サイト http://www.allegra.jp/
アレグラFXの代わりとなる市販薬
アレグラFXを正しく使えていても効かないという場合は、他の市販薬に変えるのが対処法の一つとなります。
絶対に眠くなりたくない場合はクラリチンEXやアレギサール鼻炎が選択肢となります。
アレグラFXは抗ヒスタミン薬と言われるグループに分類される薬ですが、絶対に眠くなりたくない場合にアレグラの代わりになる抗ヒスタミン薬としてクラリチンEXが挙げられます。
クラリチンEXはアレグラFXと同様に抗ヒスタミン薬の中で、自動車運転などの注意喚起がされていない数少ない薬の一つです。眠くなりにくさはアレグラFXと同程度考えられ、アレグラFXが合わないような時に新たな選択肢と言えます。ただし、効き目の強さもアレグラFXとあまり変わらないと考えられているため、必ずしも高い効果が期待できるわけではない点に注意しましょう。
また、アレグラFXなどの抗ヒスタミン薬とは別のグループではありますが、花粉症などのアレルギー性鼻炎に効いて眠くなる成分が入っていない飲み薬として、アレギサール鼻炎があります。
アレギサール鼻炎は鼻炎や鼻づまりなどの原因となる物質を元から抑えることによって、花粉症などのアレルギー症状に効果を発揮します。
アレギサール鼻炎の注意点としては、効果を感じられるようになるまで、1〜2週間程度かかる可能性がある点、花粉が飛び始める1〜2週間前から使用するのが良いとされているため、重症化してしまった花粉症には効果が少ない点などがあります。
アレギサール鼻炎もアレグラFXと同様に、使用中も車の運転などが禁止されていないため、仕事で車の運転などが必須の方などは選択肢の一つとなる市販薬と言えるでしょう。
多少の眠気を容認できる場合の選択肢
アレグラFXの最大の特徴は眠くなりにくいという点ですが、アレジオン20やエバステルALといった市販薬も人によってはほとんど眠くならないと言われています(ただし、車の運転などについて注意喚起されています。)。
また、効果の強さという点では、一般的にアレグラFXよりもアレジオンやエバステルの方が強いと言われています。アレグラFXが効かないといった時にまず試してみたいのが、アレジオン20やエバステルALと言えるでしょう。
また、この2つの市販薬はアレグラFXの1日2回と違い、1日1回で効果が1日続くのも大きな特徴です。1日1回を夜に服用する分には眠気の副作用が出たとしても大きな問題にならない場合いもあるため、使いやすい薬と言えます。
強い効果を望む場合はストナリニZやストナリニSなど
アレグラFXよりもとにかく効果が強いものを使いたいという場合は、ストナリニZやストナリニSなどが挙げられます。
ストナリニZはセチリジンという成分が含まれており、眠気は多少出るとされているものの、アレグラFXの成分よりは効果が強いと言われています。
また、アレジオンやエバステルと同様に1日1回の使用で1日効果があるという点もメリットと言えます。
ストナリニSはクロルフェニラミンマレイン酸塩、フェニレフリン塩酸塩、ダツラエキスという3種類の成分が含まれており、成分ごとに効く症状が異なるため、花粉症のくしゃみ、鼻水、鼻づまりにアレグラよりも強い効果が期待できる市販薬です。
人によっては強い眠気が心配されますが、薬が二重構造になっている工夫がされており、1日1回だけの使用でも効果が期待できるため、寝る前に飲むことで眠気のデメリットも多少軽減されることが期待できます。
目の症状にはザジテンAL点眼薬なども
アレルギー性の症状が鼻炎のみでなく、目の症状が強い場合は、目薬を併用することも検討しましょう。
抗ヒスタミン薬の目薬としてザジテンAL点眼薬などが挙げられます。
ザジテンAL点眼薬の成分である、ケトチフェンフマル酸塩は花粉症などの症状に高い効果が期待できるものの、飲み薬だと眠気が非常に出やすいとされています。しかし目薬であれば、局所作用であるため、強い眠気がでることは考えにくく、目の症状には高い効果が期待できます。
アレグラFXの副作用
アレグラFXは眠気の副作用が出にくいことが特徴であり、アレジオンやエバステルなどの他の抗ヒスタミン市販薬と異なり、服用後の乗物や機械類の運転操作が禁止されていません。
抗ヒスタミン薬の服用により眠気が出る理由は脳内での抗ヒスタミン作用による覚醒状態の抑制によるものです。ヒスタミンはアレルギーの原因物質になるのと同時に、脳内では覚醒に関連する物質となります。抗ヒスタミン薬ごとの眠気の出やすさの違いは、脳内への移行する割合の違いによるものが大きく、アレグラFXは脳内に移行する割合が非常に低いことがわかっており、このためアレグラFXは眠くなりにくいとされています。
この”眠くなりにくさ”はアレグラFXの最大の特徴でありますが、中にはアレグラFXでも眠気がでてしまう人もいるため、念のため最初に使用するときは注意をしましょう。
なお、眠気が出る割合の参考になるデータとして、処方薬のアレグラの副作用発現頻度があり、その割合は臨床試験では2.3%、市販された後の使用成績調査及び特別調査では0.5%とされています4)。
なお、アレグラFXを使用して眠気が見られた場合、「症状の持続又は増強がみられた場合には,服用を中止し,医師又は薬剤師に相談してください」と注意喚起されています。
同様の処置が必要な副作用として、口のかわき、便秘、下痢なども挙げられているため、注意しましょう1)。
その他の注意喚起されている副作用として、下記の症状が出た場合は原則中止し、医師又は薬剤師又に相談するようにします。
[関係部位:症状]
皮ふ:のど・まぶた・口唇等のはれ,発疹,かゆみ,じんましん,皮ふが赤くなる
消化器:はきけ,嘔吐,腹痛,消化不良
精神神経系:しびれ感,頭痛,疲労,倦怠感,めまい,不眠,神経過敏,悪夢,睡眠障害
泌尿器:頻尿,排尿困難
その他:動悸,味覚異常,浮腫,胸痛,呼吸困難,血圧上昇,月経異常アレグラFX 添付文書
また、非常に稀と考えられますが、以下のような重大な副作用が起きる可能性もあり、初期症状が見られた場合はすぐに医師の診察を受けましょう。
[症状の名称:症状]
ショック(アナフィラキシー):服用後すぐに,皮ふのかゆみ,じんましん,声のかすれ,くしゃみ,のどのかゆみ,息苦しさ,動悸,意識の混濁等があらわれる。
肝機能障害:発熱,かゆみ,発疹,黄疸(皮ふや白目が黄色くなる),褐色尿,全身のだるさ,食欲不振等があらわれる。
無顆粒球症:突然の高熱,さむけ,のどの痛み等があらわれる。
白血球減少:突然の高熱,さむけ,のどの痛み等があらわれる。
好中球減少:突然の高熱,さむけ,のどの痛み等があらわれる。アレグラFX 添付文書
1) アレグラFX 添付文書
4) アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書
アレグラFXの飲み合わせ
アレグラFXは他の薬との飲み合わせで注意が必要なものがあります。
製薬メーカーからは、他のアレルギー薬や抗ヒスタミン成分を含む内服薬、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムを含む制酸剤、抗生物質のエリスロマイシンを使用している場合はアレグラFXを使用しないよう注意喚起されています。
してはいけないこと
2.本剤を服用している間は,次のいずれの医薬品も使用しないでください。
他のアレルギー用薬(皮ふ疾患用薬,鼻炎用内服薬を含む),抗ヒスタミン剤を含有する内服薬等(かぜ薬,鎮咳去痰薬,乗物酔い薬,催眠鎮静薬等),制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤),エリスロマイシンアレグラFX 添付文書
アレルギー用薬や抗ヒスタミン剤を含有する内服薬との併用が注意喚起されている理由は作用の重複を懸念してのことと考えられ、アレグラFXを使用している場合はアレジオンやクラリチンなど他の抗ヒスタミン薬は使用しないようにしましょう。また、風邪薬にも抗ヒスタミン成分が含まれているものが数多くあるため、基本的には使用せず、どうしても使用したい場合は薬剤師などの専門家に相談するようにしましょう。
制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤)との飲み合わせが注意喚起されている理由は水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウムがアレグラFXの成分を一時的に吸着することにより吸収量が減少し、アレグラFXの作用を減弱させる可能性が考えられています4)。
エリスロマイシンとの飲み合わせが注意喚起されている理由はエリスロマイシンがP糖蛋白という蛋白の阻害により、アレグラFXのクリアランスの低下及び吸収率の増加によってアレグラFXの血中での濃度が高くなり、効果が強く出る可能性が考えられています4)。
なお、制酸剤とエリスロマイシンに関しては、処方薬のアレグラにおいては併用注意という注意喚起の区分であり、場合によっては医師の判断により併用されるケースもありますが、市販薬のアレグラFXは「してはいけないこと」として併用は明確に禁止されています。十分に注意しましょう。
その他の薬に関しては、「相談すること」として「医師の治療を受けている人」が挙げられているため、処方薬を服用している場合は基本的に専門家に相談した上でアレグラFXを使用するようにしましょう。
相談すること
1.次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談してください。
(1)医師の治療を受けている人アレグラFX 添付文書
なお、ロキソニンやタイレノールなどのいわゆる解熱鎮痛薬に関しては併用可能と公式サイトでも記載されています3)。
3) アレグラFX 公式サイト http://www.allegra.jp/
4) アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書
アレグラFXの使用前後に飲酒(アルコール類の摂取)と空ける時間
アレグラFXの飲み合わせの注意するものとしてお酒(アルコール類)も挙げられます。
基本的にアレグラFXの服用前後はお酒、アルコールの”飲酒”は禁止されています。
してはいけないこと
3.服用前後は飲酒しないでください。アレグラFX 添付文書
上記の通り、アレグラの使用前後はお酒、アルコールの摂取(飲酒)は明確に禁止されてますので止めましょう。
なお、アレグラFXと飲酒の時間をどの程度空けるべきかという点についてはメーカーからも詳細な情報は提示されていません。
参考になるデータとして、アレグラの成分の血中濃度を確認した体内動態データがあり、その内容はアレグラの成分を60mg服用後に血中での最大濃度になる時間が約2.2時間、その後血中での濃度が半分になるまでの時間が約9.6時間とされています4)。
このデータから考えるにアレグラの成分の血中濃度が上昇している2〜3時間以内はまず飲酒を避けた方が良いと考えられ、半日程度空けるとアレグラFXの血中での濃度が半分程度になるため、多少は危険性が下がると想定されます。
上記はあくまで参考データであるため、最も安全なのはアレグラFXを使用した日は飲酒しない、飲酒した日はアレグラFXを使用しないことと言えます。このことを前提とし、アレグラFXの服用から時間を空けた上でどうしても外せないお酒の席があるようなケースでは普段よりも量を減らす、頻度もなるべく減らすなどを心がけましょう。
4) アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書
アレグラFX使用前後に間違えて飲酒してしまった場合に考えられる影響は
アレグラFXを飲んでいるのみかかわらず、誤ってお酒やアルコールを摂取してしまった場合や、アルコールが入っている食品などを意図せず飲んでしまった場合に考えられる影響の一つとして、眠気が強く出る可能性が考えられます。
アレグラFXは眠くなりにくいとされていますが、頻度が低いながらも眠気の副作用が確認されており、アルコールの中枢神経抑制が加わって眠気が強くでる可能性が考えられます。
ただし、処方薬のアレグラにおいては併用注意の区分に「アルコール」は含まれておらず、処方薬のアレグラではアルコールとの併用は明確には注意喚起されていません4)。その点を考慮すると誤ってアレグラFXをアルコールと併用しても極端な心配はせず、いつもと違う症状が出ないかなどを注意するようにしましょう。
4) アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書
アレグラFXの価格
アレグラFXの価格、値段について、メーカーの希望小売価格は以下の通りです。
包装 | アレグラFX |
14錠 (1週間分) |
1,314円 (税別) |
28錠 (1週間分) |
1,886円 (税別) |
上記はあくまでメーカーの希望小売価格であり、実際のドラッグストアなどではさらに安価に手に入るケースがあります。また、現在はアレグラFXはamazonなどの通販でも購入することが可能となっています。
アレグラの市販薬と処方薬の違い
市販薬のアレグラFXと処方薬のアレグラは成分が同じフェキソフェナジンであり、処方薬のアレグラ錠60mgとアレグラFXは1錠中の成分量が同じものとなります。
効果や効き目の点、眠気の出やすさという点では基本的に変わりありません。
蕁麻疹やアトピーで使えるのは処方薬のみ
市販薬のアレグラFXと処方薬のアレグラですが、効能効果には違いがあります。
それぞれの効能効果の詳細は以下のとおりです。
市販薬アレグラFXの効能効果
花粉,ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:くしゃみ,鼻みず,鼻づまりアレジオンFX 添付文書
処方薬アレグラの効能効果
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒アレグラ錠30mg/アレグラ錠60mg/アレグラOD錠60mg 添付文書
上記の通り、市販薬は鼻のアレルギー症状のみに使用できるのに対し、処方薬は蕁麻疹やアトピーなども効能効果に含まれます。
市販薬と処方薬の大きな違いとして、医師による診察が含まれるかという点が挙げられます。アトピーや蕁麻疹に対しては自己判断で使用することはせず、からなず医師の診察を受けた上で処方薬をもらうようにしましょう。
逆にアレルギー性鼻炎に対しては、医師の診察を受ける時間がないような場合は市販薬でも十分効果が期待できると言えます。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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