ロキソニンSテープ、ロキソニンSテープLが2016年8月(発売日2016年8月25日)に新発売となりました。ロキソニンSテープの効果や効果時間(効果発現時間、効果持続時間)、副作用、価格や値段などについて確認していきたいと思います。
ロキソニンテープの新たな副作用のショック、アナフィラキシーについては以下の記事を参照してください。
ロキソニンテープの新たな副作用にショック、アナフィラキシーのリスク
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ロキソニンSテープの成分と処方薬との比較
ロキソニンSテープの成分はロキソプロフェンであり、市販薬でロキソプロフェンを含むテープ剤が初めて発売されたことになります。
ロキソニンSテープは2種類発売され、①ロキソニンSテープは大きさが7cm×10cm、膏体量(成分が含まれる部分)が1g、②ロキソニンSテープLは大きさが10cm×14cm、膏体量が2gとなっています。
これを処方薬のロキソニンテープと比較すると、市販薬のロキソニンSテープは処方薬のロキソニンテープ50mgと、市販薬のロキソニンSテープLは処方薬のロキソニンテープ100mgと成分量、大きさが全く同じであり、今まで処方薬でしか手に入らなかった薬と全く同じものが市販でも買えるということなります。
なお、販売元が第一三共ヘルスケア株式会社、製造販売元がリードケミカル株式会社であり、この点も処方薬のロキソニンテープと同じです(第一三共ヘルスケアは第一三共の関連会社)。従って、メーカーが異なることによる使用感の違いもほとんどないと考えられます。
市販のロキソニンSテープは処方薬のロキソニンテープに全く劣らない効果が期待できると言えます。
ロキソニンSテープの効果と効果時間
ロキソニンSテープの効果は痛み止めであり、腰痛、肩こり、関節痛、筋肉痛など幅広い痛みに効果があると考えられます。
ロキソニンSテープの効能効果の詳細は以下の通りです。
腰痛、肩こりに伴う肩の痛み、関節痛、筋肉痛、腱鞘炎(手・手首の痛み)、肘の痛み(テニス肘など)、打撲、捻挫
ロキソニンSテープ 添付文書
ロキソニンSテープは痛みの元を抑制して効果を発揮する
ロキソニンSテープが痛みに効果がある理由は、含まれる成分のロキソプロフェンが痛みの元となるプロスタグランジンという物質の生成を抑制するためです。
痛みや熱の元となるプロスタグランジンという生理活性物質は、シクロオキシゲナーゼという酵素の働きによって生成されますが、ロキソプロフェンはこのシクロオキシゲナーゼを阻害するため、結果としてプロスタグランジンの生成を抑えます。
このような作用機序によってロキソニンSテープは痛みを抑えます。
ロキソニンSテープは1時間程度で効果が現れ24時間以上持続
ロキソニンSテープの効果時間は貼った1時間後から効果が現れ、その効果は24時間以上持続すると考えられます。
処方薬のロキソニンテープでは効き目が出始める時間を調査した結果の一つに、動物のラットに対してロキソニンテープを使用した調査があり、その結果は1時間後には痛みを感じる閾値が上昇していた(痛みを感じにくくなった)とされています1)。
また、他の動物実験ではロキソニンテープを使った20分後にはその効果が確認できたという結果2)もあります。これはロキソプロフェンテープは貼付後20分後以降、薬を使用していない対照群と比較し、統計学的に痛みの程度に有意な差が出たとされており、テープを貼ってから20分で効果が出たと言える結果です。
このように処方薬のロキソニンテープでは1時間以内に効果が現れる、速ければ貼って20分で効果がでるという報告もあり、比較的、即効性が期待できる痛み止めのテープ剤です。
また、効果の持続時間に関しては参考になる調査として、ロキソニンの飲み薬と効果を比較した結果があり、ロキソニンテープを1日1回使用した場合と、飲み薬のロキソニン錠を1日3回使用した場合では痛みに対する効果が変わらなかったという結果が出ています1)。
ロキソニン錠を1日3回使用した場合はほぼ1日中、痛みをカバーできるため、これと変わりない結果が得られているということは、ロキソニンテープは1日1回で効果が1日中(24時間以上)持続すると考えられます。
処方薬のロキソニンテープは持続時間も比較的長い、使いやすい薬と言えます。
市販のロキソニンSテープも成分や製剤的な特徴は同じであるため、基本的には同じ効果時間と言えるでしょう。
1) ロキソニンテープ50mg/ロキソニンテープ100mg インタビューフォーム
2) 薬理と治療 38(7):597-601.2010
ロキソニンSテープの使い方
ロキソニンSテープは1日1回の使用で効果を発揮する湿布剤(テープ剤)です。1日のうちに張り替える必要がないので、非常に使い勝手が良いと言えます。
<用法用量>
表面のライナー(フィルム)をはがし、1日1回患部に貼付して下さい。ロキソニンSテープ 添付文書
なお、使い方の注意点として、「15歳未満の小児は使用しないで下さい。」、「1日あたり「ロキソニンSテープ」は4枚、「ロキソニンSテープL」は2枚を超えて使用しないで下さい。」という旨が注意喚起されています。
特に1日の最大使用枚数(ロキソニンSテープ:4枚、ロキソニンSテープL:2枚)には注意して使用するようにしましょう。なお、痛みの幹部の場所が多い場合は、ロキソニンSテープなら最大4箇所まで使えるということになります。両手両足など4箇所同時に使用したい場合などはサイズが小さいロキソニンSテープの方を選択するようにしましょう。
ロキソニンSテープの副作用
ロキソニンSテープの副作用で最も気をつけるものはかぶれやかゆみ、湿疹などのテープを貼った部位の異変です。
これらの副作用は処方薬のロキソニンテープの結果を確認すると、頻度としては1〜2%とされており、決して高頻度ではないと考えられます。
テープを貼る部位の副作用を抑える方法として、貼るときに汗などを拭いたり、貼る部位を清潔にしておくことによって副作用を防げる可能性が上がります。
また、処方薬のロキソニンテープは、剥がした後もある程度効果が持続すると考えられています。主成分のロキソプロフェンの血中の濃度推移から推測すると、12時間貼り付けてから剥がした場合は、血中の濃度が半分になるまでが26時間後とされており、剥がした後も長く効果が持続することが想定されます。
したがって、肌が弱いなどでテープを貼ることによる皮膚のトラブルが気になる場合は、ロキソニンSテープを1日中貼らずに、半日程度で剥がしてしまうという方法もあり、その場合でも効果はさほど落ちないと考えられます。ただし、そのような方法をとる場合は、なるべく事前に医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
なお、処方薬の痛み止めテープ剤の代表的なもので、モーラステープがあり、光線過敏症(テープを貼った部位が日光にあたるとかぶれたりする)の副作用が報告されていますが、ロキソニンテープではこの副作用はほとんど起こらないと考えられています。ロキソニンSテープに関しては日光に普段当たる部分に貼っても問題ないと言えるでしょう。
また、ロキソプロフェンをはじめとした解熱鎮痛成分では、特に飲み薬において、胃腸障害が共通の副作用となっており、テープ剤などの外用剤でもそれらの副作用が全くないわけではありません。処方薬のロキソニンテープでは1%未満とされていますが、胃が弱い人などは念のためこちらも注意しましょう。
ロキソニンSテープの価格と購入方法|買えるお店は?通販は?
ロキソニンSテープの価格、値段を確認していきたいと思います。
ロキソニンSテープ(7cm×10cm)
包装 | メーカー希望小売価格(税抜き) |
7枚 | 980円 |
14枚 | 1,580円 |
ロキソニンLテープ(10cm×14cm)
包装 | メーカー希望小売価格(税抜き) |
7枚 | 1,580円 |
価格を処方薬と比較してみます。
ロキソニンテープ50mgでは1枚あたりの薬価が24.7円であり、2週間分(14枚)だと
24.7 × 14 = 345.8円 となり、さらにここから通常は3割負担となるため、
345.8 × 0.3 = 103.74円 となります。
これに対して、ロキソニンテープ50mgと同じ規格の市販薬ロキソニンSテープは14枚で1,580円という価格です。
厳密には処方薬の場合、診察料や薬局での調剤料などがかかり、薬価の計算方法も少し異なりますが、その点を考慮しても市販薬のロキソニンSテープは少し割高と言えそうです。
もし長期で使うには保険適用となる処方薬の方が経済的と言えるため、疾患の状況とご自身の時間的な都合、金銭面の状況などを考慮し、市販で買うか、医師の診察を受けて処方薬をもらうかを決めるのが良いでしょう。
ロキソニンSテープは要指導医薬品|通販は不可、薬剤師のいるお店でしか買えない
ロキソニンSテープは市販薬の中でも規制区分として要指導医薬品に分類され、薬剤師のいる店舗でのみ販売が可能であり、amazonなどの通販では買えません。
ロキソニンSテープは薬剤師がいる店舗で対面で買う必要がある薬です。
要指導医薬品とは薬剤師の対面による情報の提供、指導が行われることが必要な薬であり、厚生労働大臣が指定している医薬品です。市販薬で新たに登場する成分の場合などが要指導医薬品に分類される傾向があります。ただし、要指導医薬品に分類されるのは一時的であるケースが多く、数年後には通販も可能である第1類医薬品、もしくは薬剤師の指導が不要な第2類医薬品に規制が変更される可能性があります。
ロキソニンSテープもいずれは通販で買えるようになる可能性が高いと考えられます。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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