バファリンの眠気の副作用について|時間や対策、製品の成分の特徴も確認

バファリンの製品と眠気の副作用について確認していきます。

バファリンの特徴と製品の種類

バファリンは主に頭痛や痛み止め、風邪などで使われるイメージがある薬ですが、処方薬にもバファリンと言われる製品があり、様々な場面で使用されている薬のブランド名です。
バファリンシリーズの中でも最も有名なものが市販薬でアスピリンを成分とし、痛み止めとして使われるバファリンAです。それ以外にもイブプロフェンを成分とするバファリンプレミアムやロキソニンと同じ成分を含むバファリンEX、風邪薬のバファリンかぜEX錠、小児で使われる小児用バファリンCIIなどがあります。処方薬のバファリンはバファリン配合錠A81がよく使用されており、主に抗血小板作用を期待して使用されます。
バファリンのシリーズの主な製品は以下の通りであり、バファリン=アスピリンのイメージが強いブランドですが、実際にはイブプロフェン、アセトアミノフェン、ロキソプロフェンを含む製品や、解熱鎮痛成分を全く含まない製品もあります。
市販薬のバファリンシリーズ

製品名 成分
バファリンA アスピリン、合成ヒドロタルサイト(ダイバッファーHT)
バファリン顆粒 アスピリン、合成ヒドロタルサイト
バファリンプラスS アスピリン、アセトアミノフェン 、無水カフェイン 、アリルイソプロピルアセチル尿素 、乾燥水酸化アルミニウムゲル
バファリンプレミアム イブプロフェン 、アセトアミノフェン 、無水カフェイン 、アリルイソプロピルアセチル尿素 、乾燥水酸化アルミニウムゲル
バファリンEX ロキソプロフェンナトリウム水和物、乾燥水酸化アルミニウムゲル
バファリン ルナ イブプロフェン、アセトアミノフェン 、無水カフェイン 、アリルイソプロピルアセチル尿素
バファリンルナi イブプロフェン、アセトアミノフェン 、無水カフェイン 、乾燥水酸化アルミニウムゲル
バファリンルナJ アセトアミノフェン
バファリンかぜEX錠 イブプロフェン、クレマスチンフマル酸塩 、ブロムヘキシン塩酸塩 、dl-メチルエフェドリン塩酸塩 、ジヒドロコデインリン酸塩 、無水カフェイン 、アスコルビン酸カルシウム
小児用バファリンCII アセトアミノフェン
小児用バファリンチュアブル アセトアミノフェン
キッズバファリンシロップS アセトアミノフェン 、ジフェンヒドラミン塩酸塩
キッズバファリンかぜシロップO、P、S アセトアミノフェン 、dl-メチルエフェドリン塩酸塩 、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 、グアイフェネシン、ジフェンヒドラミン塩酸塩
バファリンジュニアかぜ薬 アセトアミノフェン 、dl-メチルエフェドリン塩酸塩 、ジヒドロコデインリン酸塩 、グアヤコールスルホン酸カリウム 、クロルフェニラミンマレイン酸塩 、無水カフェイン
キッズバファリン鼻炎シロップS クロルフェニラミンマレイン酸塩、dl-メチルエフェドリン塩酸塩、サイシン流エキス
キッズバファリンせきどめシロップS デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 、dl-メチルエフェドリン塩酸塩 、グアイフェネシン、キキョウ流エキス 、セネガ流エキス 、ジフェンヒドラミン塩酸塩

 
処方薬のバファリン

製品名 成分
バファリン配合錠A81 アスピリン、ダイアルミネート
バファリン配合錠A330 アスピリン、ダイアルミネート

 
上記ようにさまざな製品部を含むバファリンシリーズは、その含まれる成分によって、眠気の副作用の出やすさは異なってきます。今回はバファリンの眠気の副作用について、成分の関連を含め確認していきます。

バファリンの眠気と副作用

バファリンシリーズには前述の通り、様々な製品があり、含有成分は成分によって様々です。バファリンで眠気が出るかという点を確認する場合にどの製品であるかを正確に把握する必要があります。特に市販のバファリンでは含まれる成分によって全く眠気の出やすさは異なります。
バファリンシリーズのうち、眠気が最も出やすいのは鎮静成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素の成分を含むものと、鼻水やアレルギー症状に効果がある抗ヒスタミン成分のジフェンヒドラミン塩酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩を含むものです。鎮静成分は痛み止めん作用を増加させる目的で配合されていますが、同時に眠気も引き起こすことがあります。抗ヒスタミン成分は鼻水やアレルギー症状を抑える目的で配合されています。
また、咳止めの成分であるジヒドロコデインリン酸塩やデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物も眠気の副作用が一定の頻度で確認されている成分です。風邪薬として作られている一部のバファリンシリーズはこれらの成分を含みます。
その他、解熱鎮痛成分のアスピリンやイブプロフェン、ロキソプロフェンは一般的には眠気が出るような成分ではありませんが、イブプロフェンやロキソプロフェンなどではまれに眠気がでることも報告されています。これらで眠気がでる理由は、現時点では明確にされていないものの、原因の一つとしてプラスタグランジンD2の睡眠誘発作用、プロスタグランジンE2の覚醒誘発作用などが複雑に関与してる可能性が考えられています((Hayaishi O: J Biol Chem, 263(29): 14593-14596, 1988))。NSAIDsの主な作用ははシクロオキシゲナーゼを阻害することによりプロスタグランジの合成に影響を与えるため、この作用により副次的に眠気を引き起こしている可能性があります。解熱鎮痛成分による眠気は頻度は高くないものの念のため、注意が必要です。

バファリンの製品別の眠気の出やすさ

前述の内容を踏まえ、製品別に眠気の出やすさを大まかに分類すると以下のようになります。なお、実際に眠気が出るかは個人差や体調によって大きく異なる点にご注意ください

眠気の出やすさ 含まれる成分 製品名

(眠くなる可能性が高い)
鎮静成分、抗ヒスタミン成分 バファリンプラスS、バファリンプレミアム、バファリン ルナ、キッズバファリンシロップS、キッズバファリンかぜシロップO・P・S、バファリンジュニアかぜ薬、キッズバファリン鼻炎シロップS

(眠くなる可能性がある)
鎮咳成分(鎮静成分、抗ヒスタミン成分は含まない) バファリンかぜEX錠、キッズバファリンせきどめシロップS

(眠くなる可能性は低い)
主に解熱鎮痛成分 バファリンA、バファリン顆粒、バファリンEX、バファリンルナi、バファリンルナJ、小児用バファリンCII、小児用バファリンチュアブル、処方薬のバファリン配合錠

バファリンの眠気の時間やできる対策は

バファリンの眠気のでる時間帯は含まれる成分によっても異なりますが、多くは服用してから数時間以内と考えられます。バファリンシリーズに含まれる成分はいずれも短時間で効果がなくなる者が多く、作用が1日以上続くようなものはほとんどないと考えられます。バファリンを服用したら1日中眠い、服用をやめた翌日になっても眠気があるなどの場合は別の原因も考えられるため、注意しましょう。
バファリン服用による眠気を防ぐ対策として、まずは使用する製品の成分を確認し、鎮静成分、抗ヒスタミン成分、鎮咳成分などの眠くなる成分が入っていないものを選ぶのが一番です。市販のバファリンシリーズであればバファリンA、バファリンEX、小児用バファリンCIIなどが眠気が出る可能性が低いと言えるでしょう。
その他の対策として、ダイヤルモカなどの眠気防止剤(カフェイン製剤)を併用する方法もありますが、この場合はあらかじめカフェインが含まれているバファリンシリーズの場合は危険であり、カフェインが含まれていない製品が対象となります。バファリンプラスS、バファリンプレミアム、バファリン ルナ、バファリンルナi、バファリンかぜEX錠、バファリンジュニアかぜ薬はカフェインが成分として含まれているため、カフェイン製剤と併用するのは避けましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました