リレンザのインフルエンザの予防での使用について、その効果や子供や妊婦、授乳婦の使用、保険適用の有無、自費の価格、予防できる期間などについて解説します。
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リレンザの予防投与とは|子供でも使える?
リレンザの予防投与はインフルエンザの治療薬であるリレンザをインフルエンザの発症前に処方してもらい、インフルエンザの症状が出ることを予防することです。治療薬であるリレンザを使用することで効果的な予防をすることができ、インフルエンザワクチンの予防接種よりも即効性が期待できるとされています。
リレンザの予防投与は子供でも使用可能
リレンザは子供でも使用することのできる薬であり、子供でも予防投与として使用することが可能です。
リレンザの予防投与は妊婦や授乳中でも可能
リレンザは妊婦や授乳中でも使用が禁止される薬ではないため、インフルエンザのリスクが高いようなケースでは医師の判断で予防投与することも可能と言えます。
授乳中の場合は、リレンザを使用した場合は授乳を避けることが注意喚起されていますが、実際には乳汁中に移行する量は少なく、子供でも使用する薬であるため、乳児への影響は限定的であると考えられ、この点も医師の判断に従うようにしましょう。
受験生や大事な用事のときにインフルエンザの予防で使用するのは・・・
受験生や大事な用事などどうしてもインフルエンザにかかりたくないといった場合にリレンザを予防投与したいと思う方もいるかと思いますが、実際に予防投与として使用するかは医師の判断となります。
その理由はリレンザの予防投与の対象は以下のような人に設定されているからです。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
本剤を予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1)高齢者(65歳以上)
(2)慢性心疾患患者
(3)代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4)腎機能障害患者リレンザ 添付文書
上記の通り、原則としてリレンザの予防投与をできる人はインフルエンザ感染者と接触する機会が多く、インフルエンザを発症した時にリスクが高い患者さんに限られます。実際に予防投与をしたい場合には医療期間に事前に確認し、予防投与をしてもらえるかを確認するのが確実と言えるでしょう。
リレンザの予防投与で保険適用の有無と自費の価格|2016-2017シーズンは?
リレンザの予防投与について保険適用の有無や2016-2017シーズンの価格も確認していきましょう。
リレンザの予防投与は保険適用されず自費での負担
リレンザの予防投与は残念ながら健康保険が適用されず、10割負担の自費扱いとなります。したがって、使用する薬を使用する量は同じものの、リレンザをインフルエンザの治療で使用するときよりも3倍以上の価格となる可能性があります。
リレンザの予防の価格は5000円〜10000円程度。2016-2017シーズンは多少安くなる
リレンザを予防で使用する時の自費でかかる価格はおおよそ5000円〜10000円程度になります。
厳密には自由診療の扱いとなるため、価格がクリニックや薬局ごとによってまちまちとなりますが、リレンザの薬の価格である薬価は固定で決まっており、通常の薬局は自費の場合でも薬代としこの薬価を基準に価格を設定していることが多い傾向にあります。
リレンザの薬価は使用するブリスター単位ごとに152.9円であり、予防投与で使用する場合は1回2ブリスターを10日間使用するため、152.9 × 2 × 10 = 3058円 の計算となります。
この薬価を基準に薬局では調剤費なども併せてかかるケースが多く、また、クリニックの診察代、処方料もかかるため、安くても5000円程度、場合によっては10000円近くなるケースもあります。
なお、リレンザの薬価については2016年4月の薬価改定により1ブリスターあたり20円以上引き下げられたため、2016-2017年シーズンは昨シーズンまでよりもかかる価格が安くなるケースが多いと考えられます。
詳細な価格に関しては個々のクリニックや薬局に確認してから診察を受けたり薬をもらうようにしましょう。
リレンザの予防投与の方法と期間
リレンザを実際に予防投与で使用する時の方法や使用する期間を確認しましょう。
リレンザの予防投与は1日1回2ブリスターを10日間使用
リレンザをインフルエンザの予防で用いる場合は1日1回、2ブリスターを吸入し、これを10日の期間使用します。
【用法・用量】
2 .予防に用いる場合
通常、成人及び小児には、ザナミビルとして 1回10mg( 5 mgブリスターを 2 ブリスター)を、1日1回、10日間、専用の吸入器を用いて吸入する。リレンザ 添付文書
リレンザの予防投与の効果と期間
リレンザの予防での効果と効き目の強さ、効果のある期間についても確認していきましょう。
リレンザの効能効果として予防での使用が認められている
リレンザのインフルエンザに対する予防投与は効能効果として認められているものであり、明記されています。
【効能・効果】
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防リレンザ 添付文書
リレンザの予防投与でインフルエンザの発症は1.9%に
リレンザの予防投与での効果の強さとして参考なる調査結果が公表されており、その結果ではプラセボ(偽薬)を使用した患者ではインフルエンザの症状を発症したもしくはインフルエンザウイルス感染が確認された割合が3.8%であったのに対し、リレンザを予防で使用した患者では1.9%まで低下したという結果になっています1)。
リレンザの予防の効果がある期間は使用している期間のみ
リレンザの予防の効果がある期間はあくまでリレンザを使用している10日間のみの期間となります。したがって、もっともリスクが高い時期にピンポイントで使用するのが一般的な予防投与の使い方となります。
また、インフルエンザの患者に接触後1.5日以内に投与しないと予防の効果がない可能性もあるため、インフルエンザ患者に接触した後の予防で使用する場合はなるべく早い使用が必要となります。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
2 .本剤を予防に用いる場合には、次の点に注意して使用すること。
(1)インフルエンザウイルス感染症患者に接触後1.5日以内に投与を開始すること(接触後36時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
(2)インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して使用している期間のみ持続する。リレンザ 添付文書
リレンザの予防投与の副作用は?
リレンザを予防投与で使用した時の副作用で可能性があるものは、主に下痢や吐き気、嘔吐などの消化器症状や発疹などですが、これらはいずれも頻度は高くなく、基本的には副作用の少ない安全に使用できる薬と言えます。
また、因果関係は不明であるものの、タミフルでも認められている異常行動がリレンザでも報告がありますが、これらも頻度は非常に低いものであるため、過剰な心配は不要と言えますが、念のため小児に使用した場合は注意するようにしましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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