ファモチジンについて、ガスターやファモチジンD、ファモチジンOD、注射などの種類とそれぞれの薬価、胃痛に対する効果や作用機序、市販での販売状況について添付文書などから確認していきます。
ファモチジンの種類|ガスターとジェネリック
ファモチジンは胃痛を引き起こす胃炎や胃潰瘍などの治療に使われる胃薬の成分の一つです。
ファモチジンの成分を含む代表的な薬がガスターであり、ジェネリック医薬品としてファモチジンという名称でも販売されています。
ファモチジンとガスターの違いは先発医薬品であるかジェネリック医薬品であるかの違い(もしくは成分名であるか商品名であるか)であり、効果に関しては同じ効果が期待出来ると言えアス。
また、ファモチジンにはいくつかの剤型の種類があり、一般的な錠剤や、最近は最も使われているのが水なしでも服用できる口腔内崩壊錠(OD錠もしくはD錠)、粉薬である散剤の他、注射剤もあります。
さらにファモチジンは市販薬でも販売されている成分であり、市販薬の代表的な製品が「ガスター10」などです。
ファモチジンの市販での販売状況については後ほど詳しく解説します。
ファモチジンの薬価
処方薬のファモチジンについて薬価を確認していきましょう。
ファモチジンは先発医薬品であるガスターが最も薬価が高く、飲み薬である錠剤やD錠では10mgのものが1錠あたり24.6円、20mgのものが1錠あたり42.2円となっています。胃潰瘍などで1回20mgを1日2回使用する場合では1日あたりが 42.2 × 2 = 84.4円 となり、1ヶ月分では2500円程度になる計算です。これを3割負担とすると750円くらいになる計算です。
一方、ファモチジンのジェネリック医薬品である「ファモチジン錠」や「ファモチジンD錠」などでは、10mgのものが1錠あたり9.9円、20mgのものが1錠あたり10.9円〜22.2円となり、ガスターよりも半額程度の薬価で入手することが可能です。
このようにジェネリック医薬品にすることで非常に経済的になるため、ファモチジンのジェネリック医薬品を希望する場合は医師や薬剤師に申し出ましょう。
ファモチジンの胃痛などへの効果と作用機序
ファモチジンの効能効果は胃潰瘍や胃炎の他、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎などがあります。
処方薬のファモチジンの効能効果の詳細は以下の通りです。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、上部消化管出血(消化性潰瘍、急性ストレス潰瘍、出血性胃炎による)、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群
下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期ガスター錠10mg/ ガスター錠20mg 添付文書
ファモチジンの作用のメカニズム(作用機序)は胃酸の分泌を抑制することで、胃炎や胃潰瘍による胃痛などの症状を抑えます。
ファモチジンはH2ブロッカーと呼ばれる胃薬のグループに属し、胃酸のを過剰に分泌する原因のひとつである胃粘膜壁細胞のヒスタミンH2受容体に対して抑制的に働くことで、その効果を発揮します。
近年ではプロトンポンプインヒビター(PPI)と言われる胃薬のグループに属する薬が胃潰瘍などではよく使われるようになっていますが、なんらかの理由でPPIがしおうできない人や、H2ブロッカーの方が効果があるという人では、ファモチジンは現在でもよく使われる薬の一つです。
ファモチジンの市販での販売状況
ファモチジンは前述の通り、市販でも買うことができる成分です。
代表的な市販薬はガスター10シリーズであり、通常の錠剤の他、粉薬のガスター10〈散〉、処方薬のガスターD錠と同じく水なしで飲めるガスター10 S錠、さらには処方薬にはない液体タイプのガスター10 内服液が市販で販売されています。
なお、ファモチジンを含む市販薬は、市販の胃薬の中でも効果が強い方であり、また注意すべき副作用などもあるため、市販薬の中では規制が厳しい第一類医薬品に該当します。
第一類医薬品は薬剤師の販売が義務付けられている市販薬であり、薬剤師のいる店舗でしか買うことができません。また、通販も認められているものの、こちらもやはり薬剤師による事前相談が必要とされており、現状ではamazonなど大手通販サイトでも扱っていないケースが多くあります。
このようにファモチジンの市販薬は、市販で買う際にもひと手間かかる薬ですが、その効果は市販薬の中では非常に高い方であり、胃痛に悩まされている場合には購入を検討してみましょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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