アキネトン(一般名:ビペリデン)のパーキンソニズムや統合失調症のアカシジアに対する効果、眠気や離脱症状などの副作用、薬価やジェネリック医薬品などについて解説します。
アキネトンのパーキソニズムや統合失調症のアカシジアへの効果
アキネトンは一般名をビペリデンといい、特発性のパーキンソニズムや統合失調症などでの向精神薬投与によっておこるアカシジアに対して使用される薬です。
アキネトンの効能効果の詳細は以下の通りです。
特発性パーキンソニズム
その他のパーキンソニズム(脳炎後、動脈硬化性、中毒性)
向精神薬投与によるパーキンソニズム・ジスキネジア(遅発性を除く)・アカシジアアキネトン錠1mg/アキネトン細粒1% 添付文書
アキネトンの作用機序は、神経系において、アセチルコリン受容体と競合的に拮抗し、抗コリン作用を示すことによって効果を発揮します。パーキンソニズムや統合失調症での薬物治療によるアカシジアは主にドパミン作用の低下によって起こると考えられており、相対的にアセチルコリン系の機能が優位になっている点にアキネトンは作用します。
パーキンソニズムとは脳内のドパミンが減少することで振戦(手足のふるえ)、筋固縮(こわばり)、無動(動作が遅い)、姿勢反射障害(バランスがとりづらくなる)のうち、いくつかの症状が起きている状態です。
また、アカシジアは、座ったままでじっとしていられない、そわそわと動き回るなどの症状がでる静座不能症とも言われる疾患です。主に統合失調症などに使われる薬の副作用によるケースが多いとされています。
アキネトンはこれらの症状に対して効果を発揮する、抗コリン薬に分類される薬です。
アキネトンの副作用と離脱症状
アキネトンはいくつかの特徴的な副作用が出る可能性がある薬です。
まず、代表的な副作用に眠気があります。眠気に関しては添付文書においても自動車運転などに対して注意喚起されおり、飲み始める際には特に注意が必要な副作用と言えます。
眠気、調節障害及び注意力・集中力・反射機能等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること
アキネトン錠1mg/アキネトン細粒1% 添付文書
アキネトンは離脱症状に関しても注意が必要となります。急激な減量や中止により、不安、不眠、頭痛、嘔吐などが現れることがるため、注意が必要です。
また、離脱症状とは別Syndromemalin(悪性症候群)の注意喚起もされています。
抗精神病薬、抗うつ剤及びドパミン作動系抗パーキンソン剤との併用において、本剤及び併用薬の減量又は中止により、発熱、無動緘黙、意識障害、強度の筋強剛、不随意運動、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、体冷却、水分補給等の全身管理及び本剤の投与量を一旦もとに戻した後慎重に漸減するなどの適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇があらわれることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下があらわれることがある。
アキネトン錠1mg/アキネトン細粒1% 添付文書
アキネトンの減量や中止により、該当する症状が出た場合はすぐに医師に相談するようにしましょう。
アキネトンの薬価とジェネリック
アキネトンの飲み薬にはアキネトン錠1mgとアキネトン細粒1%があり、それぞれ薬価は1錠あたり5.6円、1gあたり29.1円となっています。
また、アキネトンにはジェネリック医薬品が販売されていますが、錠剤では薬価は同じ5.6円、細粒では少し安くなり、17.7円とされています。
錠剤はジェネリックに変更しても薬価は変わらないためご注意ください。
製品名 | 薬価 | ジェネリック 薬価 |
アキネトン錠1mg | 5.6 | 5.6 |
アキネトン細粒1% | 29.1 | 17.7 |
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
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