キプレスチュアブルの効果や副作用|味やジェネリック、使用する年齢は

キプレスチュアブルの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、薬価、ジェネリック、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

キプレスチュアブルの特徴

キプレスチュアブルはモンテルカストを成分とし、気管支喘息に対して効果がある薬です((キプレスチュアブル錠5mg 添付文書))。
キプレスチュアブルの最大の特徴は、噛み砕いて服用できる点であり、年齢が6歳以上の子供に対して用いられる薬です。6歳以上の子供であれば年齢による用量調節は不要であり、1日1回の使用で喘息症状をコントロールします((キプレスチュアブル錠5mg インタビューフォーム))。同系統のロイコトリエン拮抗剤であるオノン(成分名:プランルカスト)と比較し1日1回で効果が期待できる利点があります。

キプレスチュアブルの味

キプレスチュアブルの味はほのかな甘みがあるアメリカンチェリー味((五十嵐 隆, 乳幼児・小児服薬介助ハンドブック, じほう))とされており、小児用の薬であるため、子供でも飲みやすい味となっています。
拒薬の報告事例もとくにないとされており((五十嵐 隆, 乳幼児・小児服薬介助ハンドブック, じほう))、服薬されるにあたり苦労するケースはあまりないと言えるでしょう。

キプレスチュアブルとシングレアチュアブルは同じ効果が期待できる薬

キプレスチュアブルと同じモンテルカストを成分とする細粒剤としてシングレアチュアブルがあります。製造販売元が異なる(キプレスチュアブルは杏林製薬株式会社、シングレアチュアブルはMSD株式会社)ものの、基本的にキプレスチュアブルとシングレアチュアブルは全く同じ効果が期待出来る薬です。
なお、キプレスチュアブルとシングレアチュアブルの違いとして、薬価が厳密には異なります。
キプレスチュアブル錠5mgは1錠あたり190.7円であるのに対し、シングレアチュアブル錠5mgは1錠あたり190.9円とされており、ほんの少しキプレスチュアブルの方が安い薬価が設定されています。ただし、この差は薬局でかかる費用として計算される場合1日の薬剤として丸められるため、実際にはほとんどのケースで変わらない金額になります。

キプレスチュアブルの効果

キプレスチュアブルは気管支喘息に対して効果がある薬です。
キプレスチュアブルの添付文書では効能効果として以下の通り記載されています。

【効能・効果】
気管支喘息

キプレスチュアブル錠5mg 添付文書

キプレスチュアブルの作用機序

キプレスチュアブルの作用機序はロイコトリエン(LT)受容体拮抗作用によるものです。
ロイコトリエンとは、気管支の収縮やアレルギー反応に関与する物質であり、キプレスの成分であるモンテルカストはこのロイコトリエンが受容体に結合するのを抑制し、気道の炎症を抑え、気管支喘息の症状を起こりにくくしたりします。
喘息に対しては発作に対して即時的に効果を示すような薬ではなく、日常的にコントロールに使用するような薬であるため、症状が落ち着いている時でも継続して使用することが重要となります。

キプレスチュアブルの効果時間

キプレスチュアブルを含めたロイコトリエン受容体薬はどちらかと言えば即効性はあまり強くありません。
効果発現は内服開始後1週程度で認められ、連用で改善率が上昇するとされています((藤村昭夫,  頻用薬の使い分け, 羊土社))。

キプレスチュアブルの実際の患者に対する効果

キプレスチュアブルの実際の患者さんに対する効果は臨床試験や市販後の使用成績調査において確認されており、国内の臨床試験では6歳から14歳までの小児気管支喘息患者における有効率(全般改善度中等度改善以上の割合)は 60.9%(123/202 例)であった((キプレスチュアブル錠5mg インタビューフォーム))、とされています。
また、市販後の特定使用成績調査においては気管支喘息の患者を対象として観察期間 1 年(53 週)以上で、使用実態下における長期使用例での安全性及び有効性の検討をしており、有効性評価対象症例 1,145 例において、全般改善度から有効性を検討した結果、有効率は 93.4%(1,069/1,145 例)であった((キプレスチュアブル錠5mg インタビューフォーム))、 という結果も得られています。

キプレスチュアブルの使い方

キプレスチュアブルは6歳以上の子供に対して1日1回就寝前に、1回1錠を使用するのが一般的な使い方です。
キプレスチュアブルの用法用量の詳細は以下の通りです。

通常、6歳以上の小児にはモンテルカストとして5 mgを1日1回就寝前に経口投与する。

キプレスチュアブル錠5mg 添付文書

キプレスチュアブルを使用する年齢は6歳以上の子供

キプレスチュアブルは6歳以上の子供に対して使用することを想定して開発された薬です。6歳未満の場合はキプレス細粒が適しており、また、大人では通常の錠剤の剤型があるため、そちらを使用します。

キプレスチュアブルは大人向けではない

前述の通りキプレスチュアブルは6歳以上の子供に対して使用することを想定した薬であるため、大人に対して使用することは想定されていません。使用しても体に悪い影響を及ぼすことはありませんが、大人は通常10mgを使用することが多い薬剤であり、キプレスチュアブルの5mg錠では十分な効果が得られない可能性があります。自己判断で大人がキプレスチュアブルを使用するのは避けるようにしましょう。

キプレスチュアブルを飲み込んだ場合は

キプレスチュアブルは噛んだり、口で溶かして使用する薬です。

用法・用量に関連する使用上の注意
1.本剤は、口中で溶かすか、噛み砕いて服用すること。

キプレスチュアブル錠5mg 添付文書

なお、文献の報告例として、シングレアチュアブルは胃に到達すれば有効成分が溶け出し、効果を発現するため、咀嚼せずに飲み込む場合でも特に問題はないという報告もあります((佐野 祐子 月刊薬事 58(15): 3274 -3277 2016))。
上記の内容からも間違って飲み込んでも体に有害な作用は想定されず、大きな影響はないと考えられますが、基本的には正しい使用法である噛んでの服用、もしくは口で溶かして使用することを心がけましょう。

キプレスチュアブルの副作用

キプレスチュアブルの副作用として、臨床試験の段階では96例中2例(212%)に2件の副作用が認められたとされています((キプレスチュアブル錠5mg 添付文書))。副作用の症状としては蕁麻疹様皮疹、浮動性めまいとされています。
また、国内で実施された市販後の特定使用成績調査では1,194例中8例(0.7%)に9件の副作用が認められ、副作用は、悪心2件(0.2%)、嘔吐、頭痛、チック、湿疹、多形紅斑、蕁麻疹、潮紅各1件(0.1%)であった((キプレスチュアブル錠5mg 添付文書))、とされています。
さらに国内で実施された市販後の製造販売後臨床試験におけては134例中9例の副作用が認められ、副作用は、尿中蛋白陽性2件(1.5%)、悪心、頭痛、月経障害、感情不安定、白血球数増加、総蛋白増加、血中ビリルビン増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中尿素増加、尿中ウロビリン陽性各1件(0.7%)であった((キプレスチュアブル錠5mg 添付文書))、とされています。
キプレスは副作用の頻度は決して高いとは言えず、安全面では大きな心配がいらない薬と考えられます。

キプレスチュアブルの飲み合わせ

キプレスチュアブルは飲み合わせに注意が必要な薬としてフェノバルビタール製剤が挙げられています。併用注意の理由として、フェノバルビタールが代謝酵素を誘導し、キプレスチュアブルの代謝が促進され、効果が不十分となる可能性が指摘されています((キプレスチュアブル錠5mg 添付文書))。
フェノバルビタール製剤以外の薬に関しては、飲み合わせで注意喚起されている薬はなく、基本的にどの薬と併用しても問題ありません。

キプレスチュアブルの薬価・ジェネリック|AGは

キプレスチュアブルの薬価は、2016年4月の改定時点(2016年4月〜2018年3月まで)で1錠あたり190.7円となっています。
キプレスチュアブルにはジェネリック医薬品が販売されており、成分名であるモンテルカストチュアブル錠5mgの名称で販売されています。キプレスチュアブルのジェネリック医薬品の薬価は1錠あたり76.3円であり、キプレスチュアブルよりも安価となっています。
なお、キプレスチュアブルのAG(Authorized Generic)に該当する薬剤は現在はありません。通常の錠剤のキプレス錠ではモンテルカスト錠「KM」という製品名のジェネリックがAGに該当します。

キプレスチュアブルの市販での購入

キプレスチュアブルは市販薬としては販売されていない成分となります。また、キプレスが分類されるいわゆる抗ロイコトリエン薬は市販薬としては販売されていない系統の薬であり、基本的には市販では購入できない薬となるのでご注意ください。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
 

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