アレグラドライシロップについて、赤ちゃんや子供への使い方や使用する量、味などの特徴、鼻水など鼻の症状や風邪に対する効果、眠気の有無などの副作用、薬価やジェネリックなどについて添付文書等から解説していきます。
Contents
アレグラドライシロップの味や特徴
アレグラドライシロップはフェキソフェナジンの成分を含み、アレルギー性鼻炎などでの鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの症状や、蕁麻疹、湿疹、アトピーにも使われ、抗ヒスタミン薬に分類される粉薬です。
アレグラドライシロップの特徴として抗ヒスタミン薬に共通する眠気の副作用が非常に出にくいことが挙げられ、使いやすい薬と言えます。
アレグラドライシロップの味はストロベリー味となっており、赤ちゃんや子供でも比較的飲み易い粉薬となっています。0.3gと0.6gに分包されて販売されています。
アレグラドライシロップの効果|風邪への使用についても
アレグラドライシロップは鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの鼻炎症状、蕁麻疹、湿疹、アトピーなどの皮膚のアレルギー疾患に対して効果があります。
アレグラドライシロップの効能効果の詳細は以下の通りです。
アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒
アレグラドライシロップ5%
アレグラドライシロップの作用機序はヒスタミン受容体の阻害作用
アレグラドライシロップが鼻炎、蕁麻疹、アトピーなどのアレルギー症状に効果があるのは、ヒスタミンというアレルギーを引き起こす物質が体内のヒスタミン受容体に結合することを、アレグラドライシロップが阻害するためです。
その結果、ヒスタミンの作用が阻害され、鼻炎、蕁麻疹、アトピーなどの症状が和らぎます。
アレグラドライシロップの効果が現れるのは60分以内
アレグラドライシロップの効果が現れる時間、1時間以内であることが想定されます。
その根拠として、花粉症の患者さんに対し、アレグラの成分もしくはプラセボ(偽薬)を使用した調査にて、アレグラの成分を使用した患者さんは、プラセボを使用した患者さんと比較して、薬の使用60分後に鼻炎症状がより抑制された結果が得られています1)。
この結果から、アレグラドライシロップにおいても60分(1時間)程度で効果が現れると考えられます。
また、効果の持続時間については、1日2回使用の臨床試験にて効果が確認されていることから、1回の使用で12時間(半日)程度は効果が持続すると考えられます。
1) アレグラドライシロップ インタビューフォーム
アレグラドライシロップは風邪の鼻症状に対しても一定の効果が期待できる
アレグラドライシロップなどの抗ヒスタミン薬は、アレルギー性鼻炎に対する効能があり、風邪の鼻症状に対しては効能効果として明記されていないものの、実際には処方されるケースも多く、一定の効果は期待できます。
ただし、風邪などの感染症に対するアレグラドライシロップの使用はあくまで対症療法であり、アレグラドライシロップで風邪が治るわけではありません。アレグラドライシロップで鼻症状が治まっても安静を心がけ、完治するまでは無理をしないようにしましょう。
アレグラドライシロップの効果は強くはない
アレグラドライシロップの効果の強さという面では、抗ヒスタミン薬の中では比較的弱い分類となります。
一般的に抗ヒスタミン薬は効果の強さと副作用である眠気の出やすさが比例する傾向にあります。アレグラドライシロップは効果は強い方ではありませんが、その分眠気の副作用も非常に出にくく、症状が軽い場合には非常に使い易い薬と言えます。もしアレグラドライシロップが効かないという症状の場合は、アレジオンドライシロップやアレロック顆粒などに変更することで、より強い効果が望める場合があります。
アレグラドライシロップの使い方|赤ちゃんや子供の体重別の使用量も
アレグラドライシロップの使い方として、年齢別に量が使用する量が定められており、使用する回数はいずれの年齢も1日2回となっています。
主にアレグラドライシロップが使用される赤ちゃんや子供での用法用量の詳細は以下の通りです。
通常、12歳以上の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回60mg(ドライシロップとして1.2g)、7歳以上12歳未満の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回30mg(ドライシロップとして0.6g)を1日2回、用時懸濁して経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
通常、2歳以上7歳未満の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回30mg(ドライシロップとして0.6g)、6ヵ月以上2歳未満の小児にはフェキソフェナジン塩酸塩として1回15mg(ドライシロップとして0.3g)を1日2回、用時懸濁して経口投与する。アレグラドライシロップ5%
年齢別の1回に使用する量を表にまとめると以下の通りとなります。
年齢 | 1回の使用量 (製剤量) |
分包品の場合 |
6ヵ月以上 2歳未満 |
0.3g | 0.3g分包 1包 |
2歳以上 7歳未満 |
0.6g | 0.6g分包 1包 |
7歳以上 12歳未満 |
0.6g | 0.6g分包 1包 |
12歳以上 | 1.2g | 0.6g分包 2包 |
基本は少量の水に溶かして使う
ドライシロップ剤は基本的に水に溶かして使うことを想定しています。
小さなコップに1回分の薬を入れて、5-10ccの水で溶かして使用しましょう。また、薬を飲んだ後にも水を服用することで口の中に残った薬も飲みきることができます。赤ちゃんや子供が飲みにくそうにしている場合は、少量の水で練ってほほの裏に塗りつけて飲ませるという方法もあります。
普通の水で飲めない場合は、アイスクリーム、コンデンスミルク(練乳)、メープルシロップ、ココアなどに混ぜて飲んでも問題ありません。
ただし、牛乳については、牛乳嫌いになる可能性があるため基本的には避けるようにしましょう2)。
2) アレグラドライシロップ5%のお子さんへの上手な飲ませ方
アレグラドライシロップの副作用
アレグラドライシロップは副作用が少なく、安全に使用出来る薬です。
アレグラドライシロップの国内での臨床試験の結果では、症例数212例に対し、副作用が出たのは0.9%のみであり、その内訳は眠気が0.5%、白血球減少が0.5%という結果でした。
同じ成分を含むアレグラの錠剤に関しても決して頻度は高くなく、特徴的な副作用もあまりありません。
眠気に関しては、抗ヒスタミン薬で共通する副作用と言えますが、アレグラに関してはこの眠気の副作用が出にくいという特徴を持った薬です。
一般的に花粉症などの治療で使用される抗ヒスタミン薬は、身体に吸収され脳にも移行することによって眠くなる事が知られていますが、アレグラの成分は抗ヒスタミン薬の中でも脳に移行しにくいとされており、このため眠くなりにくい事が知られています。
アレグラドライシロップの薬価とジェネリック
アレグラドライシロップの薬価は1gあたり122.1円となります。
分包品では0.3gと0.6gがあり、計算上はそれぞれ1包あたり36.63円と73.26円となります。
また、アレグラドライシロップは現在はジェネリック医薬品は販売されていません。
処方薬には販売が開始された後に一定期間の再審査を受ける期間が設けられており、この再審査期間が終了して、厚労省による再審査が終了しないとジェネリック医薬品が販売できない規定となっています。アレグラドライシロップの再審査期間は2018年まであり、最低でもこの期間が終わってからジェネリック医薬品が販売されることになります。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
コメント