パルデスクリームの効果や副作用｜陰部やヘルペスの使用、ステロイドの強さ、先発医薬品は？

パルデスクリーム0.05%の特徴、効果、使い方、副作用、薬価、市販での購入等について添付文書等から解説していきます。

パルデスクリームの特徴｜ステロイドの強さ

パルデスクリーム0.05はクロベタゾン酪酸エステルを成分とするステロイドの塗り薬です。
アトピー性皮膚炎の他、湿疹や皮膚炎などに効果があり((パルデス軟膏0.05％／パルデスクリーム0.05％／パルデスローション0.05％　添付文書　http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/130202_2646722M1127_1_05.pdf))、比較的マイルドな作用のため、顔面や陰部などのデリケートな部位に使用されることが多く、また、赤ちゃん・子供から大人までの幅広い年齢層で使用される外用剤です。
パルデスクリームはステロイド外用剤の中で強さが下から2番目に弱いとされるⅣ群（Mild）に分類される薬です。ステロイドは効果の強さによって最も強いⅠ群（Strongest）、Ⅱ群（VeryStrong）、Ⅲ群（Strong）、Ⅳ群（Mild）、最も弱いⅤ群（Weak）に分類されます。パルデスクリームはⅣ群ですので、効果は比較的穏やかな分、顔や陰部などのデリケートな部分でも使いやすい薬となります。
パルデスの外用剤にはクリームの他、軟膏とローションの剤型があり、それぞれパルデスクリーム0.05%、パルデス軟膏0.05％、パルデスローション0.05%の販売名で販売されています。軟膏、クリーム、ローションの使い分けの例として以下のような特徴があります。

剤型	メリット	デメリット	向いている ケース
軟膏	保湿性が高く、刺激が少ない	ベタベタし使用感がイマイチ	傷があったり、ジュクジュクしている部分
クリーム	軟膏よりもベタつかず、吸収も良い	軟膏よりも効果が低い可能性、刺激を感じることも	乾燥している部分、皮膚が厚い部分
ローション	吸収が最も速く、使用感も良い	最も刺激を感じやすく、効果が続かない	頭部などへの使用

今回は主にパルデスクリームについて確認していきます。

パルデスクリームの先発はキンダベート

パルデスクリームはジェネリック医薬品に分類される薬であり、同じくクロベタゾン酪酸エステルの成分を含む先発医薬品として、キンダベートがあります。
ただし、キンダベートは軟膏のみの剤型が販売されており、クロベタゾン酪酸エステルの成分を含むクリーム剤はジェネリック医薬品のパルデスクリームのみとなっています。

パルデスクリームの効能効果

パルデスクリームはアトピー性皮膚炎や、主に顔や陰部などにおける湿疹、皮膚炎に対する効能を有する薬です。
パルデスクリームの効能効果の詳細は以下の通りです。

アトピー性皮膚炎（乳幼児湿疹を含む）
顔面、頸部、腋窩、陰部における湿疹・皮膚炎

パルデスクリーム0.05％　添付文書

パルデスクリームの作用機序

パルデスクリームが湿疹、皮膚炎などの皮膚疾患に対して効果を示すのは、ステロイド成分による抗炎症作用が働くためです。
ステロイドの成分は一般的に抗炎症蛋白のリポコルチンを産生を促進させ、ホスホリパーゼA2を阻害し、結果として抗炎症作用を示すとされています。

パルデスの実際の効果は73.3〜100%の改善率

パルデスの実際の患者さんに対する効果を確認したものとして、クリーム剤とローション剤における臨床試験の結果があります((パルデス軟膏0.05％／パルデスクリーム0.05％／パルデスローション0.05％　添付文書　http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/130202_2646722M1127_1_05.pdf))。
パルデスクリーム、パルデスローションは各疾患における改善率を確認しており、各種疾患に対して73.3〜100%の改善率、平均では80.6〜82.5%の改善率が確認されています。

アトピー性皮膚炎	81.3% （26/32）	83.9% （26/31）
接触性皮膚炎	88.2% （30/34）	92.3% （12/13）
急性湿疹	76.0% （38/50）	82.1% （23/28）
脂漏性湿疹	87.5% （7/8）	75.9% （22/29）
その他	73.3% （11/15）	100.0% （2/2）
平均	80.6% （112/139）	82.5% （85/103）

パルデスクリームはヘルペスには使用しない

パルデスクリームに含まれる成分は抗炎症作用をもつステロイドであり、ウイルスの感染に対しては基本的に効果は期待できません。
ヘルペスなどもウイルスが原因の感染症であり、パルデスクリームには適さない皮膚疾患です。

パルデスクリームの使い方

パルデスクリームは1日1〜数回患部に塗って使用します。
パルデスクリームの用法用量の詳細は以下の通りです。

通常1日1～数回適量を患部に塗布する。なお、症状により適宜増減する。

パルデスクリーム0.05％　添付文書

パルデスクリームは顔や陰部などにも使用

パルデスクリームは前述の通りステロイドの中でも作用が比較的マイルドな方であり、顔や陰部などのデリケートな部分でも使用できます。ステロイドと聞くと抵抗がある人もいるかと思いますが、医師から顔や陰部などへの使用を指示されている場合はその通り使用しても問題ありません。
ただし、医師からの指示でない自己判断での使用は控えるようにしましょう。

パンデルクリームをプロペトやヒルドイドと混合するケースも

パンデルクリームは他の塗り薬と混合して処方されるケースもあります。
代表的なものとしてプロペトやヒルドイドなどと混合するケースがあります。これらのものは混合しても基本的には使い方は変わりません。パンデルクリーム単剤と同様の使い方で問題ないでしょう。

パルデスクリームの副作用｜かゆみなどに注意

パルデスクリームはステロイドの一つであり、副作用が心配という人もいるかと思いますが、正しい使用法で使用する分にはあまり心配は必要ないと言えます。
副作用の頻度として参考になるものとしてパルデスクリームの先発医薬品であるキンダベート軟膏の臨床試験の結果が参考となります。
キンダベート軟膏の主な副作用は、そう痒（かゆみ；0.13%）、毛のう炎・せつ（0.10%）、刺激感（0.09%)、ステロイドざ瘡（0.08%)、皮疹の増悪（0.05%）などとされています((キンダベート軟膏0.05%　添付文書　http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/340278_2646722M1100_1_04.pdf))。
起こりうる副作用は基本的には塗布した部分におけるものがほとんどであり、塗った部位を様子を見ながら使用すれば副作用が問題になるようなことはあまりないと言えるでしょう。
なお、頻度はまれですが、報告されている重大な副作用として目に関わる副作用もあり、眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障が報告されています。これらは目の周辺に使用した場合や、特に長期にステロイドを使用している際に可能性があるため、目の周辺や長期で使用しているような場合は、念のため定期的に目にも異常がないか確認するようにしましょう。
その他、ステロイドは免疫を弱めてしまう傾向があるため、皮膚の感染症を起こしてしまうリスクが共通してあることも念のため覚えておきましょう。

パルデスクリームの薬価

パルデスクリームの薬価は、2018年4月の改定時点で、1gあたり9.4円とされています。1本あたり5gで47円、10gで94円の計算となります。
この薬価はパルデスクリームの先発医薬品であるキンダベート軟膏の1gあたり23.5円よりも安価であり、ジェネリック医薬品であるパルデスを使用する方が経済的と言えます。

パルデスクリームの市販での購入

パルデスクリームの成分であるクロベタゾン酪酸エステルを含む外用剤は市販薬としては販売されておらず、市販で買うことはできません。
しかし、パルデスクリームと同じⅣ群（Mild）に分類されるステロイドは市販でも購入することができます。
その代表的なものがヒドロコルチゾン酪酸エステルを含むロコイダンと、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを含むリビメックスコーワなどです。これらはいずれもⅣ群の処方薬ロコイド、リドメックスと同じ成分を含む市販薬です。パルデスクリームと強さが近い成分の外用剤を市販で買いたい場合はこれらが適していると言えます。
ただし、これらの薬も処方薬と比較し有効成分量が半分になっているため、その分効果が抑えられている点はご注意ください。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。