カロナール細粒 20%、カロナール細粒 50%について、その特徴や味、効果と小児に対する効き目、体重別の小児用量、使用する期限、副作用などについて添付文書等から解説します。
Contents
カロナール細粒の種類と特徴|粉薬の味についても
カロナール細粒はアセトアミノフェンを成分として含む解熱鎮痛薬です。
主に小児に使われることが多く、その種類として20%が有効成分であるカロナール細粒 20%と、50%が有効成分であるカロナール細粒 50%がありますが、成分量の違いであるため、いずれも薬の効き目は変わりません。
カロナール細粒の特徴は副作用が少なく、小児に対しても使いやすい解熱鎮痛剤という点、オレンジ風味の甘い味がついており、小児も飲みやすい点が挙げられます。
カロナール細粒の効果と効果時間|小児に対する効き目
カロナール細粒は様々な痛みや風邪などにおける解熱鎮痛に使われますが、最もよく使用される場面は、下記の効能効果の(3)に該当する小児における解熱・鎮痛目的での使用です。
(1) 下記の疾患並びに症状の鎮痛
頭痛,耳痛,症候性神経痛,腰痛症,筋肉痛,打撲痛,捻挫痛,月経痛,分娩後痛,がんによる疼痛,歯痛,歯科治療後の疼痛,変形性関節症
(2) 下記疾患の解熱・鎮痛
急性上気道炎(急性気管支炎を伴う急性上気道炎を含む)
(3) 小児科領域における解熱・鎮痛カロナール細粒20%/カロナール細粒50% 添付文書
カロナール細粒の効果が出るまでの時間は30分|持続する時間は2〜6時間|空ける間隔は4〜6時間以上
カロナール細粒の効果時間については、カロナール錠剤でのデータが参考になります。
カロナール錠剤の添付文書ではカロナールの効果時間について、効果が出るまでの時間(効果発現時間)は30分程度、効果が持続する時間(効果持続時間)については2〜6時間と考えられることが記載されています。
同じ成分で同じ経口剤であるカロナール細粒に関しても、同程度の効果時間が予想され、比較的速やかに効果を発揮し、持続時間はそこまで長くないと考えられます。
なお、カロナール細粒を使用するときの空ける間隔は用法用量に明記されており、4~6時間以上の間隔を空ける必要があります。
カロナール細粒の小児に対する効き目は77.8%〜97.6%
カロナール細粒の効き目については、実際の小児の患者に対して使用した結果が報告されており、風邪などの上気道発熱性疾患に対しては77.8%〜97.6%の有効率であったとされています1)。
カロナール細粒は上記の通り、小児に対しても比較的高い有効率を示すことが確認されている薬と言えます。
1) カロナール細粒20%/カロナール細粒50% 添付文書
カロナール細粒の体重別の小児用量|使い方や使用する期限についても
カロナール細粒には20と50の種類があり、小児に対してもそれぞれ体重ごとに使用する小児用量の目安が決まっています。
小児科領域における解熱・鎮痛
通常,乳児,幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして,体重1kgあたり1回10~15mgを経口投与し,投与間隔は4~6時間以上とする。なお,年齢,症状により適宜増減するが,1日総量として60mg/kgを限度とする。ただし,成人の用量を超えない。また,空腹時の投与は避けさせることが望ましい。カロナール細粒20%/カロナール細粒50% 添付文書
体重と年齢の目安別のカロナール細粒(20、50)1回用量は以下の通りです。
体重 | 年齢の目安 | 20% | 50% |
5kg | 0歳 | 0.25〜 0.375 |
0.1〜 0.15 |
10kg | 1〜3歳 | 0.5〜 0.75 |
0.2〜 0.3 |
20kg | 4〜7歳 | 1.0〜 1.5 |
0.4〜 0.6 |
30kg | 8〜10歳 | 1.5〜 2.25 |
0.6〜 0.9 |
カロナール細粒20%/カロナール細粒50% 添付文書一部改変
なお、前述の通り、カロナールの使い方で注意する点は、連続で使用するときの使用間隔として4〜6時間以上あける必要があります。
また、スポーツ飲料やオレンジジュースなどに混ぜて飲むと苦みが出るようなことがあるため、飲みにくい場合はアイスクリームに混ぜて使用するのが良いでしょう。
また、カロナール細粒は保存の期限として、3年間は安定して使用できることが確認されていますが1)、この結果はあくまで未開封の状態での結果であるため、薬局などで分包されている場合は、吸湿などの問題から効果が落ちてしまうなどの可能性もあるため、基本的には処方された時に使い切るのが適切と言えるでしょう。
1) カロナール細粒20%/カロナール細粒50% 添付文書
カロナール細粒の副作用
カロナール細粒は副作用が少なく、小児でも安全に使用できる薬と言えます。
少ない中でもたまに見られる副作用として、吐き気や嘔吐、食欲不振、過敏症などが挙げられます。過敏症(アレルギー反応)が見られた場合は、基本的には薬を中止することになりますが、その他の副作用については、軽度であれば服用を継続しても問題ないと考えられます。
その他、重大な副作用として注意が必要なものに肝障害が挙げられます。こちらはカロナールの成分であるアセトアミノフェンを大量に使ったり、長期に使ったりすることで起こる可能性が上がりますが、基本的に医師から処方された通りに使用している場合はあまり心配はいらないと言えるでしょう。
注意が必要なこととして、アセトアミノフェンは市販薬でも非常に多くの薬に含まれている成分であることと、処方薬でもカロナールの商品名以外にアセトアミノフェン製剤が存在していることです。市販薬を連用し続けたり、処方薬のカロナール以外のアセトアミノフェン製剤であるコカール、アンヒバ、アルピニー、PL顆粒などを繰り返し使用しているような場合は、意図せずアセトアミノフェンを過剰に摂取してしまう可能性もあるため、自分がどのような成分の薬を使用しているか確認しておくと安心と言えるでしょう。
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。
コメント