アレジオン20とアレジオン10の効果や特徴|20と10の違いや効果時間、効かない場合の対処など市販のアレジオンについて

市販薬のアレジオン20、アレジオン10についてその特徴、効果、副作用、効果時間、効かない場合の対処法、価格、アレジオン20と10の違い、処方薬アレジオンとの違い、アレグラとの違いなどについて確認していきます。

アレジオンの特徴と種類

市販薬のアレジオン20、アレジオン10はエピナスチンの成分を含む抗ヒスタミン薬の一つです。
鼻水、鼻づまり、くしゃみなどのアレルギー性の鼻炎症状に対して効果があり1)、花粉症やハウスダストによる鼻の症状に使用する薬です。
市販薬のアレジオンにはアレジオン20とアレジオン10があり、それぞれ成分のエピナスチン塩酸塩を20mg、10mg含む薬です。
アレジオンは市販薬の他、処方薬でも同じ「アレジオン」の製品名で販売されており、市販薬、処方薬ともによく使われる薬の一つになっています。
アレジオンの特徴として、適度な効き目の強さと、副作用である眠気のでにくさ、さらには1日1回の使用で効果が1日持続するという点が挙げられ、非常に使い易い薬の一つと言えます。
アレジオン1日1回
1) アレジオン20/アレジオン10 添付文書

アレジオンの効果

市販薬のアレジオン20、アレジオン10は鼻水、鼻づまり、くしゃみなどの鼻のアレルギー症状に対して効果がある薬であり、花粉症のシーズンなどに非常によく使われる薬の一つです。
アレジオン20、アレジオン10の効能効果の詳細は以下のとおりです。

花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:鼻みず、鼻づまり、くしゃみ

アレジオン20/アレジオン10 添付文書

アレジオンの作用機序

アレジオンの成分であるエピナスチンは、主に抗ヒスタミン作用、アレルギー作用、抗炎症作用などの作用があるとされています。
抗ヒスタミン作用はヒスタミンというアレルギーを誘発される物質の作用点を阻害することによって、くしゃみや鼻水などの鼻炎症状を抑えます。
抗アレルギー作用は、アレルギーを誘発される物質が体内で放出されることを抑制し、鼻炎症状を抑える作用になります。
抗炎症作用は、白血球の一種でありアレルギーの炎症に関連する好酸球の活性化などを抑制することにより、鼻炎を悪化させるのを防ぎます。
アレジオン(エピナスチン塩酸塩)は上記のような作用を示すことにより花粉症などのくしゃみ、鼻水、鼻づまり等の鼻炎症状に効果を示します2)
2) エスエス製薬 製品情報 アレジオン20

アレジオンの効果時間

アレジオンの効果発現時間と効果持続時間について確認していきましょう。

アレジオンが効き始める時間は30分程度

アレジオンの公式サイトの情報では服用後30分後から効いてくることが明示されてます。

Q.服用後、どれくらいで効いてきますか?
A.服用の30分後が目安になります(効果には個人差があります)。花粉症などのアレルギー性鼻炎では、一般に朝方に鼻炎症状が強くでる人が多くみられます。アレジオンを就寝前に服用することで、起きがけのつらい症状も効率的に抑えることができます。

エスエス製薬 http://www.ssp.co.jp/alesion/faq/

飲んで30分というとかなり即効性がある薬と言えます。すでに症状が出ており、今すぐに症状を抑えたいという場合でも非常に頼りになる薬と言えます。ただし、アレジオン20およびアレジオン10の用法は就寝前が原則となっているため注意しましょう。
なお、薬の体内データからも、アレジオンは早期に効果が得られることが想定されます。
薬の体内データについては、処方薬のアレジオンで確認されており、体の中でアレジオンの濃度が最大になるのは服用後1.8〜1.9時間程度とされていますが、服用後30分〜1時間程度で既に高い濃度であることが確認されています1)
1) アレジオン錠10 アレジオン錠20 インタビューフォーム

アレジオンの効果持続時間は24時間

アレジオンの公式サイトの情報では、アレジオンは1回の服用で24時間効果が持続するとされています。

Q.効果の持続時間はどれくらいですか?
A.約24時間効果が持続します(効果には個人差があります)。

エスエス製薬 http://www.ssp.co.jp/alesion/faq/

1日1回の服用で1日効果が持続するのは、飲み忘れ防止などの面からもメリットがあると言えます。24時間効果が持続するため、アレジオン20、10は1日のうち決まった時間(原則は就寝前)に使用するようにしましょう。
効果が持続する時間についても、薬の体内データから長い効果持続が想定されます。
処方薬のアレジオンで確認された結果をみると、アレジオンは9.2~11.4時間程度で体の中の濃度が半分になるとされており、データ上では24時間後も高い濃度が体の中で保たれていることが確認されています1)
1) アレジオン錠10 アレジオン錠20 インタビューフォーム

アレジオンの使い方

アレジオン20、アレジオン10はいずれも1日1回、1回1錠使用する薬です。また、使用するタイミングは寝る前とされています。

次の1回量を1日1回、就寝前に水又はぬるま湯で服用してください。
[年齢:1回量]
成人(15才以上):1錠
15才未満:服用しないこと

アレジオン20/アレジオン10 添付文書

長期で使用する場合も2週間程度で一度確認を

アレジオン20、アレジオン10の添付文書では、原則として1週間程度で効果が見られない場合は、服用を中止するよう注意喚起されています。また、効果がある場合でも2週間を超えて使用するような場合は、医師、薬剤師、登録販売者などに相談するよう注意喚起されています1)
使用期間を確認し、漫然と長期に使用しないよう注意しましょう。
1) アレジオン20/アレジオン10 添付文書

アレジオンを寝る前に使う理由

アレジオン20、アレジオン10が就寝前に使用するようになっている理由として、公式サイトでは、「使用者がいつ服用すれば良いのかわからず混乱することを防ぐためです。」としています。さらに、臨床試験では就寝前服用で効果が確認されている点、就寝前服用が最も飲み忘れが少ない調査結果があったともされています3)。寝る前でなければ効果が落ちるというようなことが確認されているわけでありませんが、前述のような理由があるため、アレジオン20、アレジオン10は寝る前に使用するようにしましょう。
ただし、処方薬のアレジオンでは寝る前に使用する決まりはありません。仮に市販薬のアレジオン20、アレジオン10を間違えて寝る前以外のタイミングで服用しても健康被害はあまりないと言えます。
3) エスエス製薬 アレジオン ブランド情報

アレジオンが効かない場合は

アレジオン20、アレジオン10を使っても効かないと感じる場合は、まずは正しい使用方法で使用できているか確認しましょう。
アレジオン20、アレジオン10はいずれも1日1回の使用ですが、原則は寝る前に使うこととされており、毎日同じ時間に使用するようにするのが基本的な使い方です。仮に前々日は寝る前使用し、前日は間違って朝に使用したなどのケースでは、次の日の服用時間まで効果が持続しない可能性も考えられます。必ず正しい用法用量で使用しましょう。
また、アレジオン10を使っている場合は、成分量が少ないために効かない可能性も考えられます。この場合はアレジオン20を使うことで効果を実感できる可能性も考えられます。
なお、アレジオン20、アレジオン10の成分であるエピナスチンは近年よく使われる第二世代抗ヒスタミン薬の中では中程度の強さです。
市販薬で使われている成分で言うと、セチリジンなどがより効果が強いことが予想され、ストナリニZやコンタック鼻炎Zなどが挙げられます。重症度が高いような場合はより強い成分への変更も選択肢の一つとなります。
処方薬ではオロパタジンの成分を含むアレロックや、レボセチリジン、セチリジンの成分を含むザイザル、ジルテックなどもあるため、必要に応じて医師に相談することなども検討しましょう。

アレジオンの副作用

アレジオン20、アレジオン10の代表的な副作用は眠気です。
アレジオンは眠気がかなり出にくいことで知られていますが、それでも人によっては眠気がでるケースがあり、アレジオン20、アレジオン10の添付文書でも「してはいけないこと」として、「3.服用後、乗物又は機械類の運転操作をしないでください(眠気等があらわれることがあります。)」と注意喚起されています1)
眠気がでる割合は、処方薬のアレジオンのデータが参考になり、その頻度は1.21%とされています2)
なお、アレジオン20、アレジオン10を使用して眠気が見られた場合、「症状の持続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、この説明書を持って医師、薬剤師又は登録販売者に相談してください」と注意喚起されています。
また、同様の処置が必要な副作用として、口のかわき、便秘、下痢なども挙げられているため、注意しましょう1)
その他の注意喚起されている副作用として、下記の症状が出た場合は原則中止し、医師、薬剤師又は登録販売者に相談するようにします。

[関係部位:症状]
皮膚:発疹・発赤、はれ、かゆみ
消化器:吐き気・嘔吐、口内炎、胃部不快感、腹痛、胃重感、胃もたれ感、腹部膨満感、食欲不振
精神神経系:めまい、不眠、頭痛、頭がボーッとする、しびれ感、悪夢、幻覚、幻聴
呼吸器:息苦しい
循環器:動悸
泌尿器:排尿困難、頻尿、血尿、蛋白尿
その他:むくみ、ほてり、胸痛、痰がからむ、倦怠感、鼻づまり、月経異常、苦味を感じる、味覚が弱くなる、女性化乳房(男性に見られる女性のような乳房)、乳房が大きくなる

アレジオン20/アレジオン10 添付文書

また、非常に稀と考えられますが、以下のような重大な副作用が起きる可能性もあり、初期症状が見られた場合はすぐに医師の診察を受けましょう。

[症状の名称:症状]
肝機能障害:発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振等があらわれる。
血小板減少:血液中の成分である血小板の数が減ることにより、鼻血、歯ぐきからの出血、青あざ等の出血症状があらわれる。

アレジオン20/アレジオン10 添付文書

1) アレジオン20/アレジオン10 添付文書
2) アレジオン錠10/ アレジオン錠20 添付文書

アレジオン20とアレジオン10の価格

アレジオン10、アレジオン20のメーカーの希望小売価格は以下の通りです。

包装 アレジオン10 アレジオン20
6錠 税込1,316円
(税抜1,219円)
税込1,490円
(税抜1,380円)
12錠 税込2,036円
(税抜1,886円)
税込2,138円
(税抜1,980円)

上記の通り、アレジオン10とアレジオン20では成分量が2倍違いますが、価格においてはそこまでの差はなく、アレジオン20の方が100円前後高い程度となっています。
なお、上記はあくまでメーカーの希望小売価格であり、実際のドラッグストアなどではさらに安価に手に入るケースがあります。

アレジオン20と10の違い

市販のアレジオンの名称についている10と20の数値の意味ですが、これはアレジオンの成分であるエピナスチンという物質の成分量を表しています。
アレジオン10→エピナスチン塩酸塩を10mg含む
アレジオン20→エピナスチン塩酸塩を20mg含む
したがって、アレジオン10とアレジオン20との違いは、成分量の違いと言えます。

効き目の強さを考えるとアレジオン20

アレジオン10と20の効き目の強さは、やはり成分量が多いアレジオン20の方が効果が強いことが予想されます。
処方薬に関して言うと、アレジオンは1日量が20mgで使われることが多い薬です。処方薬と同等の効き目を得られるのはアレジオン20の方と言えるでしょう。
ただし、必ずしもアレジオン20の方が高い効果が得られるとは限らず、人によってはアレジオン10でもアレジオン20でもさほど効果が変わらない可能性も考えられます。
アレジオンを処方薬でも使用したことがなく、初めて市販で利用するような場合は、前述の価格の面や眠気など副作用の可能性の点からもアレジオン10から試してみるのも検討しましょう。
なお、理論的には市販のアレジオン10を1回2錠使用すると、アレジオン20と同じ効果が得られると考えられますが、用法用量はアレジオン10とアレジオン20いずれも1回1錠、1日1回とされていますので、アレジオン10を自己判断で2錠使用することは避けましょう。

眠気の副作用を考える場合は

アレジオンはこれらの薬の中でも比較的眠くなりにくい薬と言われていますが、この点も個人差による面があり、人によっては眠気の副作用が出るケースがあります。
眠気の副作用が気になる場合は、やはり成分量の少ないアレジオン10を使用する方が安全性が高いと考えれます。
アレジオン10でも眠気が気になるような場合は、別の市販薬であるアレグラFXやクラリチンEXなどさらに眠気が出にくいものへの変更も検討しましょう。
眠気の出やすさについても、個人差による面が大きいと考えられ、アレジオン10でも20でも同じくらい眠くなる可能性もあれば、アレジオン20でも全く眠気を感じないということもあります。
初めて使用する場合には、眠気をはじめとした副作用に注意しながら使用するようにしましょう。

市販薬のアレジオンと処方薬のアレジオンとの違い

市販薬のアレジオンと処方薬のアレジオンの違いについても確認していきましょう。

市販のアレジオンと処方薬のアレジオンは同じ成分

市販薬のアレジオンも処方薬のアレジオンも成分はおなじエピナスチンであり、市販薬のアレジオン10と処方薬のアレジオン錠10、市販薬のアレジオン20と処方薬のアレジオン錠20がそれぞれ1錠中の成分量が同じものとなります。
効果や効き目の点、眠気の出やすさという点では基本的に変わりありません。

喘息や蕁麻疹で使えるのは処方薬のみ

市販薬のアレジオンと処方薬のアレジオンですが、効能効果には違いがあります。
それぞれの効能効果の詳細は以下のとおりです。

市販薬アレジオン20の効能効果
花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる次のような鼻のアレルギー症状の緩和:鼻みず、鼻づまり、くしゃみ

アレジオン20 添付文書

処方薬アレジオンの効能効果
気管支喘息
アレルギー性鼻炎
蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹、そう痒を伴う尋常性乾癬

アレジオン錠20 添付文書

上記の通り、市販薬は鼻のアレルギー症状のみに使用できるのに対し、処方薬は気管支喘息や蕁麻疹なども効能効果に含まれます。
市販薬と処方薬の大きな違いとして、医師による診察が含まれるかという点が挙げられます。喘息や蕁麻疹に対しては自己判断で使用することはせず、からなず医師の診察を受けた上で処方薬をもらうようにしましょう。
逆にアレルギー性鼻炎に対しては、医師の診察を受ける時間がないような場合は市販薬でも十分効果が期待できると言えます。

市販薬アレジオン20、アレジオン10、処方薬アレジオンの使い分けの例

アレジオン20、アレジオン10、処方薬アレジオンの使い分けの例として、花粉症などの鼻炎症状に対して、一時的に凌ぎたい、クリニックや病院になかなか行けないという場合は、市販のアレジオンが通販やドラッグストア・薬局で買えることができます。
市販薬を選択する場合に、以前に処方薬のアレジオンを使用してた場合はアレジオン20を選択するのが良いでしょう。処方薬の場合は多くの場合はアレジオン20と同じ1日量を使用していることが多く、アレジオン20なら処方薬と同じ効果が見込めるためです。
また、アレジオン10で効果があまり感じられなかった場合もアレジオン20を試してみてもいいでしょう。
処方薬のアレジオンを使ったことがなく、市販のアレジオンも初めて使う場合は、まずはアレジオン10の方から試してみるのが経済的な面からもいいかもしれません。
アレジオン10で十分な効果が感じられる場合は、わざわざ価格の高いアレジオン20に変える必要はないでしょう。
鼻の症状でも長期的な治療が必要な場合はクリニックで医師の診断のもと処方薬をもらう方が安全であり、経済面でも健康保険の適応となるためメリットがあります。薬を使用する期間を考え、クリニックなどを活用することを検討しましょう。
気管支喘息や蕁麻疹で使用する場合は処方薬のみであり、喘息や蕁麻疹で使用する場合は、市販薬のアレジオン10、アレジオン20は使用できません。
以前に処方薬のアレジオンを使用していたとしても、医師の診断をもとに適切な薬を処方してもらうようにしましょう。

アレジオンとアレグラの違い

花粉症などのアレルギー性鼻炎に使用する薬のうち、アレジオンと近い成分で有名なものにアレグラがあります。アレジオンとアレグラを比較すると、まず用法用量が異なっています。アレジオンは1日1回で済むのに対し、アレグラは1日2回飲む必要があります。この点は飲み忘れという点からアレジオンの方が使いやすいと言えます。
眠気の出やすさも異なっています。アレジオンは前述の通り、眠気は少ないものの、人によっては眠気が出ることが予想されますが、アレグラはさらに眠気が出にくいとされており、市販されている抗ヒスタミン薬の中でも最も眠気が出にくい薬のひとつです。眠気の出にくさという点はアレグラの方が優れていると言えるでしょう。
効果の強さは大きな差はないとされていますが、一般的にはアレグラよりもアレジオンの方がやや効果が強いと言われています。

比較 アレジオン アレグラ
使い方 1日1回 1日2回
効果の強さ
(>アレグラ)
眠気の少なさ

アレジオンとアレグラは似ている薬ですが、より自分のライフスタイルにあった方を選ぶようにしましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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