ネキシウム顆粒の小児の使用|承認日、発売日、薬価、使い方や子供に対する効果も

ネキシウム顆粒の特徴、小児への使用、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、薬価、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

ネキシウム顆粒の特徴

ネキシウム懸濁用顆粒はエソメプラゾールを成分とし、胃潰瘍や逆流性食道炎、ヘリコバクターピロリの除菌などに効果がある薬です((ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg/ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/670227_23290A9D1023_1_04.pdf))。
ネキシウム顆粒の最大の特徴は、1歳以上の子供にも使える顆粒剤となっている点であり、プロトンポンプインヒビター(PPI)の系統の中では唯一小児でも使用できる薬となります。幼児及び小児に対する上部消化器症状持続消失効果が臨床試験において確認されています((ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg/ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/670227_23290A9D1023_1_011_1F))。
ネキシウム顆粒には10mgの分包と20mgの分包品があります。

ネキシウム顆粒の発売日・承認日

ネキシウム顆粒は2018年1月に厚生労働省に承認(承認日:2018年1月19日)されました。
ネキシウム顆粒の発売日はまだ未定ですが、通常新しい剤型の新薬は承認から1〜2ヶ月程度で発売されるので2018年2月〜3月の発売が予想されます。

ネキシウム顆粒の効果

ネキシウム懸濁用顆粒は胃潰瘍や逆流性食道炎、ヘリコバクターピロリの除菌などに効果が認められている薬です。
ネキシウム顆粒の効能効果の詳細は以下の通りです。

<ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg>
○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
○下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎
<ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg>
○胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制、低用量アスピリン投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
○下記におけるヘリコバクター・ピロリの除菌の補助胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病、早期胃癌に対する内視鏡的治療後胃、ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎

ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg/ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg 添付文書

ネキシウム顆粒の作用機序

ネキシウム顆粒の作用機序は胃壁細胞の酵素であり、胃酸を作り出すプロトポンポンプの働きを阻害することで、胃酸の分泌を抑えることによるものです。
ネキシウムと比較的作用が近い成分としてオメプラールなどに含まれるオメプラゾールが挙げられますが、ネキシウムはオメプラゾールのより効果が高い部分を取り出したようなイメージであり、より高い効果が期待されます。

ネキシウム顆粒の小児への効果

ネキシウム顆粒は小児・子供を対象に使用されることを想定されたものであり、臨床試験において小児への効果が確認されています。
胃潰瘍、逆流性食道炎、およびその疑いのある1~14歳の患者に対して、ネキシウム顆粒の使用で胸やけ、呑酸、心窩部痛、及び上腹部不快感などの症状が40%以上の割合で消失したとされています。また、投与前に内視鏡的評価が実施できた患者のうち病理学的所見が認められた3例すべてにおいて投与後に所見が消失したとされています((ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg/ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/670227_23290A9D1023_1_04.pdf))。

ネキシウム顆粒の使い方・用量

ネキシウム顆粒の使い方は疾患によって量が変わりますが、子供においては20kg未満と20kg以上で使用する量が異なるケースが一般的です
胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎では体重20kg未満では1回10mg、体重20kg以上では症状に応じて1回10~20mgを1日1回使用します。
実際に使用する量は個人によって異なりますので、医師から処方された量を確認し、正しい用量で使用しましょう。

ネキシウム顆粒の副作用

ネキシウム顆粒の主な副作用は下痢や臨床検査値の異常などです((ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg/ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/670227_23290A9D1023_1_04.pdf))。
なお、ネキシウム顆粒を小児に使用した臨床試験で認めらた副作用は、腹痛、下痢、光線過敏症のみであり、全て1例ずつであるため頻度はいずれも2%であったとされています((ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg/ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg インタビューフォーム http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/670227_23290A9D1023_1_011_1F))。
上記のようにネキシウム顆粒は副作用について特別に心配するような薬ではなく、子供の使用に関しても臨床試験の結果からは特別に注意が必要な事項はないと言えます。

ネキシウム顆粒の飲み合わせ

ネキシウム顆粒には絶対に一緒に使用できない併用禁忌の薬剤や、飲み合わせに少し注意が必要な併用注意の薬があります((ネキシウム懸濁用顆粒分包10mg/ネキシウム懸濁用顆粒分包20mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/670227_23290A9D1023_1_04.pdf))。
併用禁忌の薬剤として①アタザナビル硫酸塩(レイアタッツ)、②リルピビリン塩酸塩(エジュラント)があります。
これらの薬と併用禁忌の理由として、ネキシウムとの併用によりこれらの薬の効果の低下を引き起こす可能性が考えられます。いずれもHIVの薬であり使用するケースは限られていますが、上記の薬剤を使用している場合は必ず医師に知らせるようにしましょう。
ネキシウム顆粒の併用注意の薬剤としては以下の薬が挙げられています。

成分名等 代表的な薬剤等
ジアゼパム
フェニトイン
シロスタゾール
ダイアップ、ヒダントール
ワルファリン  ワーファリン
タクロリムス水和物 プログラフ
ジゴキシン
メチルジゴキシン
ジゴシン、ラニラピッド
イトラコナゾール イトリゾール
チロシンキナーゼ阻害剤
ゲフィチニブ
ニロチニブ
エルロチニブ
アイクルシグ、イレッサ
ボリコナゾール ブイフェンド
ネルフィナビルメシル酸塩 ビラセプト
サキナビルメシル酸塩 インビラーゼ
セイヨウオトギリソウ
(St. John’s Wort、セ
ント・ジョーンズ・ワート)含有食品
メトトレキサート リウマトレックス

上記の薬剤に関しては、小児においては比較的使用されるケースは限定的なものが多いですが、ジアゼパムを含むダイアップ坐剤に関しては子供で使うケースも多い薬です。
また、喫煙も注意したい併用のひとつです。喫煙によってテルネリンの代謝を促し、効果が弱まる可能性があるので注意が必要です。ネキシウムとダイアップの併用で懸念される事項はダイアップの成分の作用が強くなる可能性がありますが、医師が併用を把握した上で処方した場合には特に問題なく使用して良いでしょう。

ネキシウム顆粒の薬価・ジェネリック

ネキシウム顆粒の薬価は現時点では未定です。通常承認から1月程度で薬価収載されるケースが多いため、2018年2月頃に薬価が決まると考えられます。カプセル剤の薬価は10mgカプセルが83.4円、20mgカプセルが145.1円となっており、これと同程度の薬価になると予想されます。
ネキシウム顆粒は現時点ではジェネリック医薬品は発売されていません。
通常新薬は承認されてから一定の年数がたった後に再度審査を受ける必要があり、この期間を終えるまではジェネリック医薬品は販売されません。ネキシウムの再審査期間は2011年7月1日~2019年6月30日、小児の適応においては2018年1月19日~2022年1月18日とされておりこの期間の間はジェネリック医薬品は販売されません。また、特許期間に該当する場合はその期間もジェネリック医薬品は販売できません。

ネキシウム顆粒の市販での購入

ネキシウムに含まれる成分は市販薬では販売されておらず、市販で買うことはできません。また、同系統のいわゆるプロトンポンプインヒビターの薬剤についても市販で買えるものはありません。必ず医師に診察を受け、処方してもらうようにしましょう。
 
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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