クラリチンレディタブ10mgの味や眠気などの副作用は?一包化の可否や子供や妊娠中の使用は?

クラリチンレディタブの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中・妊娠中の使用、薬価、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

クラリチンレディタブの特徴

クラリチンレディタブ錠10mgはロラタジンを成分として含む抗アレルギー・抗ヒスタミン薬であり、蕁麻疹や花粉症を含むアレルギー性鼻炎、湿疹などに効果がある薬剤です((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027F1022_3_02.pdf))。
クラリチンレディタブ錠の特徴は、口腔内で速やかに崩壊することから水なしでも服用可能である点、1日1回の使用で優れた臨床効果が期待でき、眠気などの運転能力に影響を及ぼす副作用がほとんどなく日常活動への影響は少ない点などが挙げられます((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg インタビューフォーム
http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/630004_4490027F1022_3_001_1F))。
クラリチンレディタブは7歳以上の小児に対しても用法用量が設定されており、子供でも使用することができる薬です。7歳未満の子供では一般的にはクラリチンドライシロップが使用されます。

クラリチンレディタブの味

クラリチンレディタブの味はミント味とされています((バイエル薬品株式会社 Dermatology・Allergy View))。子供でも比較的飲みやすい味となっています。

クラリチンレディタブのレディタブは速崩壊錠の意味

クラリチンレディタブの「レディタブ」はrapidly disintegrating tabletsのスペルが由来となっており、速やかに崩壊する錠剤の意味合いとなります。
他の薬剤では一般的にOD(Oral Disintegrant)錠と呼ばれる錠剤と同じ位置付けとなります。

クラリチンレディタブの効果

クラリチンレディタブは、花粉症や蕁麻疹、アレルギー症状などに対して効果が認められています。
クラリチンレディタブの効能効果の詳細は以下の通りです。

アレルギー性鼻炎,蕁麻疹,皮膚疾患(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症)に伴うそう痒

クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書

クラリチンレディタブの作用機序

クラリチンレディタブの蕁麻疹や花粉症を含めたのアレルギー性鼻炎などに対する主な作用機序はアレルギーを引き起こす原因物質であるヒスタミンに対しての拮抗作用です((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027F1022_3_02.pdf))。
花粉やアレルギーなどでアレルギー原因物質が体内に取り込まれると、体の防御反応が働き体内で免疫反応が起こりますが、この反応が過剰になってしまっているのがアレルギー状態であり、この際にヒスタミンが過剰に放出されることが知られています。
クラリチンレディタブなどの抗ヒスタミン薬はこれらのヒスタミンの受容体(ヒスタミンが作用する部分)を阻害することによってヒスタミンの作用を抑制します。これにより鼻水・鼻づまり・くしゃみなどが症状となるアレルギー性の鼻炎や蕁麻疹、皮膚炎などの症状が和らぎます。

クラリチンレディタブの効果時間

クラリチンレディタブの効果時間について、効果発現時間、効果持続時間がそれぞれ確認されています。
効果発現時間はヒトにおいて錠剤10㎎の単回投与した試験にて、膨疹に対しては使用後1時間後から、紅斑に対しては使用後2時間後から効果が認められています((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg インタビューフォーム
http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/630004_4490027F1022_3_001_1F))。この点からクラリチンレディタブは比較的早期に効果が現れることが想定されます。
また、クラリチンレディタブの効果持続時間については、ラットのヒスタミン誘発皮膚血管透過性亢進に対する試験にて、ロラタジンの抑制作用はが経口投与後12時間においても認められている点、
ヒトにおいて錠剤10㎎の単回投与後14時間以上でもヒスタミン誘発皮内反応(膨疹及び紅斑)を抑制している点からも高い持続性が確認されており((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027F1022_3_02.pdf))、1日1回の使用で効果が持続することが考えられます。

作用発現時間 2時間
作用持続時間 14 時間

クラリチンレディタブの実際の患者さんへの効果

クラリチンレディタブの実際の患者さんへの効果として、普通錠の臨床試験結果が参考となります。
クラリチンの効果は実際の患者さんに対して薬を使用した臨床試験で確認されており、通年性アレルギー性鼻炎に対しては52.7%、慢性蕁麻疹、湿疹・皮膚炎及び皮膚そう痒症に対しては、それぞれ77.7%、60.7%、61.5%の全般改善率であったことが確認されています((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027F1022_3_02.pdf))。

疾患名 全般改善率
「中等度改善」以上の
症例/総症例
通年性アレルギー性鼻炎 52.7%(146/277)
慢性蕁麻疹 77.7%(310/399)
湿疹・皮膚炎 60.7%(105/173)
皮膚そう痒症 61.5%(56/91)

クラリチンレディタブの風邪への効果

クラリチンレディタブは風邪における鼻炎症状に対しては基本的に効能効果の範囲外となります。
ただし、風邪をひいたときの鼻炎症状でもアレルギー性の要因が関わっているようなケースでは一定の効果が期待でき、医師によっては処方するケースがあります。
また、比較的クラリチンと近い系統であるペリアクチンなどは「感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽」が効能効果として認められています。
鼻炎の症状で風邪と思ってクリニックにかかってクラリチンレディタブを処方された、というケースでは指示された通り使用して問題ないと言えるでしょう。ただし、自己判断で手持ちのクラリチンレディタブを風邪で使うようなことは避けましょう。

クラリチンレディタブの使い方

クラリチンレディタブ錠10mgは1回1錠、1日1回を食後に使用するのが一般的な飲み方となります。また、レディタブ錠の特徴として、水なしでも口の中で溶け、唾液で飲むことで効果が発揮されます。
クラリチンレディタブの用法用量の詳細は以下の通りです。

成人:通常,ロラタジンとして1回10mgを1日1回,食後に経口投与する。なお,年齢・症状により適宜増減する。
小児:通常,7歳以上の小児にはロラタジンとして1回10mgを1日1回,食後に経口投与する。
クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書

クラリチンレディタブは7歳以上の子供でも使用

前述の通り、クラリチンレディタブは7歳以上であれば子供でも大人と同じ量で使用することができる薬です。
なお、7歳未満の場合は同じクラリチンのドライシロップを使うのが一般的です。

クラリチンレディタブが効かない場合は

クラリチンレディタブの効果を感じないといった時にまず確認したいのが、正しい用法用量でクラリチンレディタブを使用できているかという点です。
クラリチンレディタブは1日1回の使用で効果が持続する薬ですが、前回の使用から極端に間隔が長くなったりした場合はその間に効果が切れてしまう可能性もあります。逆に間隔が近すぎる場合は、次の日まで効果が持続しない可能性も考えられるため、適切な使用間隔で使用できているかを確認しましょう。
正しい飲み方で使用できている場合は、クラリチンレディタブが症状にあっていない可能性もあります。クラリチンレディタブは第二世代の抗ヒスタミン薬の中では効果が穏やかな方であり、他の抗アレルギー薬ではより高い効果が得られるというケースもあるため、正しい用法用量でも効果を感じない場合は処方医に相談してみるようにしましょう。

クラリチンレディタブは一包化に向かない

クラリチンレディタブは一包化は基本的にしない薬剤となります。
クラリチンレディタブは吸湿性を有するため、使用直前にブリスターシートから取りだすよう注意喚起されています。また、通常の錠剤よりも柔らかいため、自動分包機には適さない旨も合わせて注意喚起されています。

クラリチンレディタブの副作用|眠気はプラセボと変わらず

クラリチンレディタブの副作用頻度して、の臨床試験、市販後の製造販売後調査の結果があります。
クラリチンの臨床試験における主な副作用は、眠気(6.4%)、倦怠感(1.4%)、腹痛(0.9%)、口渇(0.9%)、嘔気・嘔吐(0.5%)、製造販売後調査における主な副作用は眠気(0.7%)、腹痛(0.1%)、口渇(0.1%)、便秘(0.1%)とされています((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027F1022_3_02.pdf))。
眠気の副作用に関しては、上記の通り一定の頻度で認められているものの、国内におけるパソコンでの数字入力作業による精神運動機能に及ぼす影響を検討した結果や、海外におけるサーキット上での自動車運転能力に及ぼす影響を検討した結果ではいずれもプラセボ(偽薬)と統計学的に有意な差はないとされています((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg インタビューフォーム
http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/630004_4490027F1022_3_001_1F))。
クラリチンレディタブが抗ヒスタミン作用を有するにもかかわらず眠気が出にくいのは、中枢への移行作用性が少ないためと考えられており、実際にアレロックやアレジオン、ザイザルなどでは自動車運転に対して注意喚起されているものの、クラリチンレディタブはこの点に関する注意喚起はなく、薬を服用しても運転などの作業が可能な薬剤の一つです。

クラリチンレディタブの飲み合わせ

クラリチンレディタブには併用禁忌でないものの、飲み合わせに注意が必要なものがいくつかあります((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027F1022_3_02.pdf))。
クラリチンレディタブとの飲み合わせに注意が必要な薬(併用注意薬)は以下の通りです。

成分名等 代表的な薬剤
エリスロマイシン、シメチジン エリスロシン、タガメット

上記の薬剤は薬物代謝酵素(CYP3A4、CYP2D6)阻害作用を有するために、ロラタジンから活性代謝物への代謝が阻害され、ロラタジンの血漿中濃度が上昇する可能性が考えられています。
いずれも服用している場合は医師、薬剤師に伝えておくようにしましょう。

クラリチンレディタブとお酒(アルコール)との飲み合わせ

クラリチンレディタブは前述の通り、お酒(アルコール類)に関しては特別な注意喚起はありません((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書 http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_4490027F1022_3_02.pdf))。
海外において、サーキット上でアルコール摂取時の自動車運転能力に与える影響を検討したとき、ロラタジン10mgの併用はアルコールによる運転能力低下を増強せず、アルコールによる中枢神経抑制作用への影響を認めなかったとされています。
また、このときの脳波を測定したところ、ロラタジン単独投与では薬剤による徐波発現は認められず、アルコール単独ではかなり多くの徐波活性化が認めらました。ロラタジンとアルコールを併用したときはアルコール単独とほぼ同様の徐波活性が認められ、ロラタジンの併用によって徐波活性の増加は認められなかったとされています((クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg インタビューフォーム
http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/3/630004_4490027F1022_3_001_1F))。
上記の結果からは、クラリチンレディタブとアルコール併用はほとんど問題ないと考えられますが、それでもロラタジンを使用中にお酒を飲むことは推奨されることではありません。
クラリチンレディタブとアルコールの併用は影響が少なく、絶対に避けるものではないと言えますが、可能であれば事前に医師や薬剤師に相談しておき、飲酒をする場合でも量を控えたり時間を空けるなどを検討するようにしましょう。

クラリチンレディタブの授乳中の使用

クラリチンレディタブは授乳中の場合は使用しない、もしくは授乳を避けることが推奨されています。

授乳中の婦人には、投与を避けることが望ましい。やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。〔ヒト母乳中への移行が報告されている。〕

クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書

上記の注意喚起がされている理由として、クラリチンレディタブの成分が母乳中へ移行することが報告されている点が挙げられます。
ただし、専門家による見解の中には問題なく使用出来るというものもあり、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでは、小児にも適応があり、授乳婦にも使用可能という内容です((愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)))。また、大分県「母乳と薬剤」研究会が作成している母乳とくすりハンドブックでも、中枢への移行が少ないため通常量であれば問題ないという内容であり、「多くの授乳婦で研究した結果、安全性が示された薬剤 / 母乳への移行がないか少量と考えられ乳児に有害作用を及ぼさない」という見解です((大分県「母乳と薬剤」研究会 母乳とくすりハンドブック(2010)))。

小児にも適応があり、母乳中への移行が少ないため、授乳婦に使用可能と考えられる。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

中枢への移行は少なく通常の治療量であれば問題ない。

母乳とくすりハンドブック

実際に授乳中にクラリチンレディタブを使用するかは、処方医の先生の判断となります。クラリチンレディタブに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

クラリチンレディタブの妊娠中の使用

クラリチンレディタブの妊娠中の使用に関しては、使用しないことが推奨されています。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,投与を避けることが望ましい。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また,動物試験(ラット,ウサギ)で催奇形性は認められないが,ラットで胎児への移行が報告されている。]

クラリチン錠10mg/ クラリチンレディタブ錠10mg 添付文書

上記の注意喚起がされている理由として、動物実験においてロラタジンの胎児への移行が確認されている点が挙げられます。
専門家による見解のひとつとして、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでは、催奇形性や毒性を示すデータがなく、妊婦にも使用可能という内容です((愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)))。

ヒトでの催奇形性、胎児毒性を示唆するデータなし。妊婦に使用可能と考えられる。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

実際に妊娠中にクラリチンレディタブを使用するかは、授乳中と同様に処方医の先生の判断が必要です。クラリチンレディタブに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

クラリチンレディタブの薬価・ジェネリック

クラリチンレディタブ錠10mgの2016年4月改定(2018年3月まで)の薬価は1錠あたり86.7円となっています。
クラリチンレディタブのジェネリック医薬品に該当するものとして、同じく水なしで飲め、クラリチンの成分名であるロラタジンのOD錠があります。
ロラタジンOD錠のジェネリック医薬品の薬価は、1錠あたり40.2〜44.7円となっており、クラリチンレディタブよりもかなり経済的と言えます。ジェネリック医薬品を希望する場合は医師や薬剤にその旨を伝えるようにしましょう。

クラリチンレディタブの市販での購入

クラリチンレディタブの成分は市販薬でも使用されている成分であり、市販で購入することができます。
クラリチンレディタブの代表的な市販薬が同じ製品名で水なしで飲めるクラリチンEX OD錠です。クラリチンEX OD錠は同じ成分であるロラタジンを含み、基本的にクラリチンレディタブと同じ効果が得られます。ただし、市販薬では効能効果は「鼻のアレルギー症状の緩和」のみであり、蕁麻疹や皮膚疾患では効能効果の範囲外である点に注意しましょう。
なお、市販薬は保険適用となる処方薬のクラリチンレディタブと比較すると割高になるケースが多いと考えられます。一時的に使用する分には手軽に手に入る市販薬は向いていると言えますが、長期的に使用する場合には医師の適切な診断のもと、処方箋を発行してもらい処方薬を使用するのが合理的と言えるでしょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました