ベピオゲルの効果や副作用|ニキビ跡への使用や化粧水の順番、毛穴への効果も

ベピオゲルの特徴、効果、使い方、副作用、薬価、ジェネリック、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

ベピオゲルの特徴

ベピオゲル2.5%は過酸化ベンゾイルを成分として含む尋常性ざ瘡(ニキビ)に対して効果がある塗り薬です((ベピオゲル2.5% 添付文書))。
ベピオゲルの特徴として、1日1回、洗顔後に患部に適量を塗布することにより、炎症性皮疹数(赤ニキビ、黄色ニキビ)、非炎症性皮疹数(白ニキビ)を減少させる効果が期待できます((ベピオゲル2.5% インタビューフォーム))。ベピオゲルの作用は、ニキビの原因となる毛穴のつまりを改善し、併せてニキビの原因菌(アクネ菌など)の増殖を抑えます((ニキビ治療とマルホのお薬について))。
ベピオゲルは現在は1本あたり15gの規格のみが販売されています。

ベピオゲルの効果|面ぽう、赤み、化膿に対しては

ベピオゲルは「尋常性ざ瘡」に対する効能効果を有する薬です((ベピオゲル2.5% 添付文書))。
尋常性ざ瘡はいわゆるニキビのことであり、ベピオゲルは、非炎症性皮疹である面ぽう(いわゆる白ニキビ)から炎症性皮疹である赤みのあるニキビ(赤ニキビ)や、化膿を伴うニキビ(黄色ニキビ)に対して効果があると考えられています((ニキビ治療とマルホのお薬について))。

ベピオゲルの作用機序

ベピオゲルの作用機序は有効成分の過酸化ベンゾイルの毛穴詰まりの改善と原因菌の増殖抑制です。
ベピオゲルの成分は抗菌作用とピーリング作用(古い皮膚の表面をはぎ取り、新しい皮膚を形成させる作用)があります。抗菌作用は過酸化ベンゾイルの分解で生成したラジカルによるものであり、抗菌薬による抗菌作用とは機序が異なり、ニキビに関与しているアクネ菌、表皮ブドウ球菌及。黄色ブドウ球菌に対して抗菌活性を示します((ベピオゲル2.5% 添付文書))。
ピーリング作用は角質細胞同士の結合を弛めて角層剥離を促し、毛漏斗部の角層肥厚を改善(毛穴の詰まりを改善)します((ベピオゲル2.5% 添付文書))。

ベピオゲルの効果が出るまで

ベピオゲルの効果が出るまでの時間は、明確な指標はありませんが、通常のにきび治療では最初の2週間が治療開始期間、2週以降から3ヶ月程度が効果を確認していく時期にあたり、それ以降がよくなっている状態を維持する時期となります((ニキビ治療とマルホのお薬について))。
通常1日、2日程度で効果が出るような薬ではありませんので、数日から数週間は効果を感じなくても継続しましょう。また、症状がよくなってきても薬をすぐにやめると再度症状が悪化するケースもあるため、医師から指示された期間は継続して使用するようにしましょう。
なお、ベピオゲルの代表的な臨床試験では、12週(3ヶ月程度)使用した結果にて有効性が確認されており、数ヶ月使用することで高い効果が期待できると考えられます。

ベピオゲルの実際の患者さんへの効果

ベピオゲルの実際の患者さんに対する効果は臨床試験において確認されています。
顔面に尋常性ざ瘡を有する患者を対象として、ベピオゲル又はプラセボ(偽薬)を12週間塗布する臨床試験の結果、ベピオゲル使用群では炎症性皮疹数の減少率が統計学的に有意であったことが確認されています。

本剤
(203例)
プラセボ
(201例)

(差の95%信頼区間)
炎症性皮疹数
減少率(%)
72.73 41.67 25.72
(19.23~32.89)
非炎症性皮疹数
減少率(%)
56.52 21.88 29.48
(21.38~37.59)
総皮疹数
減少率(%)
62.22 28.57 29.44
(22.73~36.46)

ベピオゲルはにきび跡を治す薬ではない

ベピオゲルはニキビの症状に対して使用する薬であり、にきび跡を治す薬ではありません。製薬会社からの資料でもにきび跡(瘢痕)の症状には範囲外となっているため((ニキビ治療とマルホのお薬について))、自己判断でニキビ跡に使用するようなことは避け、医師による処置を受けるようにしましょう。

ベピオゲルの使い方、塗り方|化粧水の順番は

ベピオゲルの使い方は、1日1回洗顔後に使用します。
ベピオゲルの用法用量の詳細は以下の通りです。


1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する。

ベピオゲル2.5% 添付文書


ベピオゲルの塗り方は、洗顔後しっかりと水分を拭き取り、ベピオゲルを指にとります。顔全体に塗る場合の目安は、人差し指の先から第一関節までの長さ(約0.5g)です。顔全体に塗る場合は、左額、右額、左ほほ、右ほほ、鼻、あご、の6箇所に置きひろげるように塗ります。塗り終わったら、手を綺麗に洗います((ベピオ®ゲル2.5%を使用される方へ))。
なお、化粧水を使用する場合のベピオゲルとの順番は基本的に医師に指示通りとなりますが、メーカーの資料では例としてベピオゲルの先に保湿となっており、先に化粧するを使用するのが使用例に適する順番となります((ニキビ治療とマルホのお薬について))。

ベピオゲルは自己判断で背中に使わない

ベピオゲルは同じニキビ治療薬のディフェリンゲルと異なり、顔のニキビのみの制限はなく((ベピオゲル2.5% 添付文書))、場合によっては背中のニキビに対しても使用することは可能と考えられます。ただし、背中の赤みは必ずしも顔のニキビを原因が同じケースだけではないため、自己判断でベピオゲルを背中に使用することはせず、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。

ベピオゲルの併用

ベピオゲルは他の抗菌剤系ニキビ薬や、ヒルドイドなどの保湿剤等と一緒に併用されるケースも多い薬です。
これらの薬と併用する場合は①保湿剤、②ベピオゲル、③抗菌剤の順番となります((ニキビ治療とマルホのお薬について))。
代表的な保湿剤はヒルドイド、ビーソフテンなどのヘパリン類似物質を含む製剤であり、ソフト軟膏やクリーム、ローションの形状があり、通常は顔全体の広範囲に使用します。
抗菌剤の塗り薬ではアクアチムクリーム・ローション、ダラシンTゲル・ローション、ゼビアックスローションなどがあり、通常はニキビの患部に部分的に使用します。

ベピオゲルの副作用

ベピオゲルの代表的な副作用は以下のようなものです((ベピオ®ゲル2.5%を使用される方へ))。
● 鱗屑 ・ 落屑(皮膚に粉がふく、うすくはがれる)
● 刺激感(ヒリヒリ感)
● 紅斑(皮膚が赤くなる)
● 乾燥
上記の症状は通常、症状は軽度で、多くは使いはじめてから1、2ヵ月以内に生じ、その後やわらいできますが、よくなるのにしばらくかかることもあります。また、症状によっては、繰り返し生じる場合もあります。
臨床試験で確認されている副作用の頻度は、主なもので皮膚剥脱(鱗屑)81例(18.6%)、適用部位刺激感61例(14.0%)、適用部位紅斑60例(13.8%)、適用部位乾燥32例(7.4%)であったとされています((ベピオゲル2.5% 添付文書))。

ベピオゲルの薬価、ジェネリック

ベピオゲルの薬価は2016年4月の改定時点(2016年4月〜2018年3月まで)で、1gあたり120.9円とされています。ベピオゲルの包装単位は1本あたり15gであり、単純計算で1本1813.5円となります。
ベピオゲルは現時点でジェネリック医薬品は販売されていません。通常新薬は承認されてから一定の年数がたった後に再度審査を受ける必要があり、この期間を終えるまではジェネリック医薬品は販売されません。ベピオゲルの再審査期間は2014年12月26日~2022年12月25日とされており((ベピオゲル2.5% インタビューフォーム))、この期間の間はジェネリック医薬品は販売されません。また、特許期間に該当する場合はその期間もジェネリック医薬品は販売できません。

ベピオゲルの市販での購入

ベピオゲルの成分は市販で購入することはできません。必ず医師の診察を受けた上で処方してもらうようにしましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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