パルデスローションの効果や副作用｜薬の強さや塗り方、頭皮や顔、陰部への使用も

パルデスローションの特徴、効能効果、使い方、副作用、薬価、市販での購入等について添付文書等から解説していきます。

パルデスローションの特徴や強さ

パルデスローションはクロベタゾン酪酸エステルを成分とするステロイドの塗り薬です。
アトピー性皮膚炎の他、湿疹や皮膚炎などに効果があり¹⁾、比較的マイルドな作用のため、顔面や陰部などのデリケートな部位に使用されることが多く、また、赤ちゃん・子供から大人までの幅広い年齢層で使用される外用剤です。
パルデスローションの強さは、ステロイド外用剤の中で下から2番目に弱いとされるⅣ群（Mild）に分類される薬です。ステロイドは効果の強さによって最も強いⅠ群（Strongest）、Ⅱ群（VeryStrong）、Ⅲ群（Strong）、Ⅳ群（Mild）、最も弱いⅤ群（Weak）に分類されます。パルデスローションはⅣ群ですので、効果は比較的穏やかな分、顔や陰部などのデリケートな部分でも使いやすい薬となります。
パルデスの外用剤にはローションの他には軟膏とクリームの剤型があり、それぞれパルデス軟膏0.05％、パルデスクリーム0.05%、パルデスローション0.05%の販売名で販売されています。軟膏、クリーム、ローションの使い分けの例として以下のような特徴があります。

今回は主にパルデスローションについて確認していきます。
1) パルデスローション0.05％　添付文書

パルデスはキンダベートのジェネリック

パルデスローションはジェネリック医薬品に分類される薬であり、同じくクロベタゾン酪酸エステルの成分を含む先発医薬品として、キンダベートがあります。
ただし、先発医薬品であるキンダベートにはローションの剤型はなく、クロベタゾン酪酸エステルの成分を含む外用剤を使用したい場合はパルデスローションか同じくジェネリック医薬品の分類となるキンダロンローションが選択肢となります。

パルデスローションの効能と効果

パルデスローションはアトピー性皮膚炎や、主に顔や陰部などにおける湿疹、皮膚炎に対する効能を有する薬です。
パルデスローションの効能効果の詳細は以下の通りです。

アトピー性皮膚炎（乳幼児湿疹を含む）
顔面、頸部、腋窩、陰部における湿疹・皮膚炎

パルデスローション0.05％　添付文書

パルデスローションの作用機序

パルデスローションが湿疹、皮膚炎などの皮膚疾患に対して効果を示すのは、ステロイド成分による抗炎症作用が働くためです。
ステロイドの成分は一般的に抗炎症蛋白のリポコルチンを産生を促進させ、ホスホリパーゼA2を阻害し、結果として抗炎症作用を示すとされています。

パルデスの実際の効果は73.3〜100%の改善率

パルデスの実際の患者さんに対する効果を確認したものとして、クリーム剤とローション剤における臨床試験の結果があります¹⁾。
パルデスクリーム、パルデスローションは各疾患における改善率を確認しており、各種疾患に対して73.3〜100%の改善率、平均では80.6〜82.5%の改善率が確認されています。

1) パルデスローション0.05％　添付文書

パルデスローションの使い方・塗り方

パルデスローションは1日1〜数回患部に塗って使用します。
パルデスローションの用法用量の詳細は以下の通りです。

通常1日1～数回適量を患部に塗布する。なお、症状により適宜増減する。

パルデスローション0.05％　添付文書

パルデスローションは顔や陰部などにも使用

パルデスローションは前述の通りステロイドの中でも作用が比較的マイルドな方であり、顔や陰部などのデリケートな部分でも使用できます。ステロイドと聞くと抵抗がある人もいるかと思いますが、医師から顔た陰部などへの使用を指示されている場合はその通り使用しても問題ありません。
ただし、医師からの指示でない自己判断での使用は控えるようにしましょう。

パルデスローションの赤ちゃんの使用

パルデスローションは前述の通り、ステロイドの中でも強さが下から二番目に弱い薬剤であり、赤ちゃんでも比較的使用されるケースがあります。医師の適切な診察のもと処方された場合は安心して使用するようにしましょう。
ただし、赤ちゃんはの肌は一般的大人よりもデリケートであり成分の吸収が良いことがあります。大人と同じ感覚で使用すると作用が強く出すぎる可能性もあるため、注意深く使用するようにしましょう。

パルデスローションの頭皮への使用

パルデスローションは頭皮にも使用されるケースのある薬です。
頭皮への実際の使用方法は、基本的には患部の部分のみに適量を滴下するようにして使用し、患部以外の部分についた場合はふき取るようにしましょう。

パルデスローションの副作用

パルデスローションはステロイドの一つであり、副作用が心配という人もいるかと思いますが、正しい使用法で使用する分にはあまり心配は必要ないと言えます。
副作用の頻度として参考になるものとしてパルデスローションの先発医薬品であるキンダベートの臨床試験の結果が参考となります。
キンダベートの主な副作用は、そう痒（かゆみ；0.13%）、毛のう炎・せつ（0.10%）、刺激感（0.09%)、ステロイドざ瘡（0.08%)、皮疹の増悪（0.05%）などとされています²⁾。
起こりうる副作用は基本的には塗布した部分におけるものがほとんどであり、塗った部位を様子を見ながら使用すれば副作用が問題になるようなことはあまりないと言えるでしょう。
なお、頻度はまれですが、報告されている重大な副作用として目に関わる副作用もあり、眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障が報告されています。これらは目の周辺に使用した場合や、特に長期にステロイドを使用している際に可能性があるため、目の周辺や長期で使用しているような場合は、念のため定期的に目にも異常がないか確認するようにしましょう。
その他、ステロイドは免疫を弱めてしまう傾向があるため、皮膚の感染症を起こしてしまうリスクが共通してあることも念のため覚えておきましょう。
2) キンダベート軟膏0.05%　添付文書

パルデスローションの薬価

パルデスローションの薬価は、2016年4月の改定時点（2016年4月〜2018年3月まで）で、1gあたり10.2円とされています。1本あたり10gで102円の計算となります。
この薬価はパルデスローションの先発医薬品であるキンダベートの1gあたり31.7円よりも安価であり、ジェネリック医薬品であるパルデスローションを使用する方が経済的と言えます。

パルデスローションの市販での購入

パルデスローションの成分であるクロベタゾン酪酸エステルを含む外用剤は市販薬としては販売されておらず、市販で買うことはできません。
しかし、パルデスローションと同じⅣ群（Mild）に分類されるステロイドは市販でも購入することができます。
その代表的なものがヒドロコルチゾン酪酸エステルを含むロコイダンと、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルを含むリビメックスコーワなどです。これらはいずれもⅣ群の処方薬ロコイド、リドメックスと同じ成分を含む市販薬です。パルデスローションと強さが近い成分の外用剤を市販で買いたい場合はこれらが適していると言えます。また、ローションの剤型を購入したい場合はリビメックスコーワローションが適していると言えるでしょう。
ただし、これらの薬も処方薬と比較し有効成分量が半分になっているため、その分効果が抑えられている点はご注意ください。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。