スカイロン点鼻液の使い方や副作用|アラミストとの違いや薬価などについても

スカイロン点鼻液についてその効果や使い方、副作用、アラミストやフルナーゼとの違い、薬価、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

スカイロン点鼻液の効果

スカイロンはステイロイド成分のフルチカゾンプロピオン酸エステルを含む点鼻液です。
花粉症などのアレルギー性鼻炎に対して、アレルギー症状や炎症を抑える効果が期待できます。特に花粉症などの飲み薬で効果が得られにくい鼻づまりに対しても高い効果が期待できます。
スカイロンの効能効果の詳細は以下の通りです。

アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎

スカイロン点鼻液50μg28噴霧用/
スカイロン点鼻液50μg56噴霧用 添付文書

なお、効果が実感できるには数日かかるケースがあります。指示された期間を必ず継続して使用することが重要と言えます。

アレルギー性鼻炎には80%程度の効果が期待出来る

スカイロンと同じ成分を含む点鼻液のフルナーゼの臨床試験では、アレルギー性鼻炎に患者さんに対して、中等度改善以上が84.0%であったという結果が報告されています1)
スカイロンでも同程度の高い効果が期待できます。また、花粉症に対しては症状が重くなる前から使用することがより高い効果が得られるため、早期に治療を開始するのが望ましいと言えます。
1) フルナーゼ点鼻液50μg 28噴霧用/ フルナーゼ点鼻液50μg 56噴霧用 添付文書

スカイロン点鼻液の使い方は両鼻に1日2回

スカイロン点鼻液の使い方は、左右の鼻に1回1噴霧を1日2回使用します。

成人は、通常1回各鼻腔に1噴霧(フルチカゾンプロピオン酸エステルとして50μg)を1日2回投与する。
なお、症状により適宜増減するが、1日の最大投与量は、8噴霧を限度とする。

スカイロン点鼻液50μg28噴霧用/
スカイロン点鼻液50μg56噴霧用 添付文書

上記の通り、1日最大で8噴霧(両鼻で1回2噴霧ずつ)使用することも可能ですが、医師から指示されている場合のみであり、自己判断で使用量を増やすのはやめましょう。

スカイロンには28噴霧用と56噴霧用がありますが、1回1噴霧の場合は1回左右で2噴霧を1日2回使用するため1日4噴霧となり、28噴霧用は1週間用、56噴霧用は2週間用となります。

使用する前に鼻をかんで、使用後は上を向くと効果的

より効果的な使い方として、使用する前は鼻をかんで鼻の通りをよくしておくことが推奨されます。その後左右の鼻にスカイロンを1回ずつ垂直に噴霧し、噴霧した後は数秒間上を向いていると鼻の奥まで行き渡らせることができます。なお、噴霧直後は鼻をかまないようにしましょう。
スカイロンの使用後は衛生面からデバイスの先端を拭いてキャップをし室温で保存しましょう。

スカイロン点鼻液の副作用

スカイロン点鼻液はあまり副作用はありません。
ステロイドの成分を含むため、副作用が心配という方もいるかと思いますが、点鼻薬は基本に使用部位のみに作用するため、全身性の副作用が出ることはほぼありません。
スカイロンはジェネリック医薬品であるため、副作用の頻度を算出できるような調査は実施されていませんが、同じ成分であるフルナーゼの結果が参考となります。
フルナーゼの市販後の調査では副作用の発現頻度は0.7%とされており、ほとんど副作用がないことがわかります。主な副作用は刺激感疼痛(痛み)、乾燥感などの鼻症状が0.2%、不快臭 が0.2%とされており、重症なものではありません。唯一重大な副作用として報告されているのがアナフィラキシーであり、これは成分に対するアレルギー症状が原因と考えられ、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の症状がみられます。頻度は非常に低く、まず起こることはありませんが、万が一上記のような症状が同時に現れた場合にはすぐに医師の処置を受けるようにしましょう。
全身性の副作用が少ない理由の一つにバイオアベイラリティという指標があります。バイオアベイラリティとは生物学的利用能と訳され、薬が全身に取り込まれる割合を表します。スカイロンのバイオアベイラビリティは同じ成分の点鼻液であるフルナーゼの情報が参考なり、その割合は1%以下とされています2)。このように全身に取り込まれる割合が非常に低いため、全身性の副作用の心配がほとんどないと言えます。
2) フルナーゼ点鼻液50μg 28噴霧用/ フルナーゼ点鼻液50μg 56噴霧用 インタビューフォーム

スカイロンとアラミストやフルナーゼとの違い|薬価についても

スカイロン点鼻液と同じくステロイドの点鼻液の代表的なものにアラミストやフルナーゼなどがあります。これらの違いについても確認していきましょう。

スカイロンはアラミストよりも薬価が安い

スカイロンとアラミスト違いはいくつかあり、使用回数、効果発現・効果持続、小児への使用可否、デバイスの使用感、薬価などが挙げられます。
スカイロンの成分はフルチカゾンプロピオン酸エステル、アラミストの成分はフルチカゾンフランカルボン酸エステルであり、比較的似ているステロイドの成分ですが、アラミストの成分の方が新しいものであるため、基本的にはアラミストの方がメリットが多いと言えます。スカイロンの1日2回使用に対し、アラミストは1日1回の使用、アラミストの方が効果発現が早く持続時間も長い、アラミストは小児でも使用出来るといった特徴があります。
しかし、点鼻デバイスの使用感については、個人によって評価が分かれるところであり、スカイロンの方が使いやすいというケースもあります。
また、薬価についてはアラミストの1キット(2週間分)2017.1円に対し、スカイロンは1キット(2週間分)884.6円という違いがあり、この点がスカイロンを使う大きなメリットと言えます。

スカイロンはフルナーゼのジェネリック

スカイロンとフルナーゼ違いはジェネリックか先発医薬品であるかという点です。
スカイロンとフルナーゼの成分はフルチカゾンプロピオン酸エステルであり、基本的に効果に違いはありません。
スカイロンがフルナーゼのジェネリックに該当し、薬価は28噴霧用(1週間用)ではフルナーゼの711.7円に対しスカイロンが465.4円、56噴霧用(2週間用)ではフルナーゼの1385.7円に対しスカイロンが884.6円とスカイロンの方が安価になっています。
その他の違いとして、点鼻デバイスもメーカーの違いによりやや異なります。使用感によってどちらかを選ぶのも良いでしょう。
また、小児用はスカイロンでは販売されていないため、小児に使用したい場合はフルナーゼかスカイロン以外のジェネリックを選択する必要があります。

スカイロンの市販での購入可否

スカイロンを市販で入手したい場合の方法について、同じ成分もしくは近い成分の市販薬を探す、処方箋なしで調剤薬局で購入するなどの選択肢が考えられます。

スカイロンと同じ成分の市販薬はない。近いものはナザールARなど

スカイロンの成分であるフルチカゾンプロピオン酸エステルは市販薬としては販売されていない成分です。残念ながら現在は市販薬としては購入できません。
ステロイド成分が含まれる点鼻薬ではベクロメタゾンプロピオン酸エステルの成分が市販薬として販売されており、代表的な製品はナザールARコンタック鼻炎スプレーパブロン鼻炎アタックなどです。いずれも同じ成分を含むため、同様の効果が期待できますが、パブロン鼻炎アタックは他の製品よりも成分の濃度が高くなっています。

スカイロンは処方箋なしでも法律上は購入が可能

スカイロンは法律上は処方箋なしでも購入できる「処方箋医薬品以外の医薬品」となります。
したがって場合によってはかかりつけの薬局等で処方箋がなくても販売してもらえるケースがあります。ただし、「処方箋医薬品以外の医薬品」に該当する処方薬でも原則は処方箋に基づいての販売になるため、基本は応需してもらいない薬局が多いと考えられます。
また、処方箋がない場合は健康保険の適応とならないため、100%自己負担になる点にも注意が必要であり、基本的にはおすすめできない手法となります。なにより医師の適切な診断がないまま処方薬を使用するのは安全面のリスクが伴うため、特別な理由がない限りは処方箋なしで購入することは控えるようにしましょう。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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