ペリアクチンの効果や副作用|鼻水などへの作用や眠気などについても

ペリアクチン錠4mgの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中・妊娠中の使用、薬価、ジェネリック、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

ペリアクチンの特徴

ペリアクチンはシプロヘプタジンを成分とする第一世代の抗ヒスタミン薬に分類される薬であり、花粉症などのアレルギー性鼻炎、蕁麻疹、風邪などい伴うくしゃみ、鼻水、咳などに効果がある薬です1)
ペリアクチンの特徴は比較的高い抗ヒスタミン作用が得られる点と、子供でもよく使用される安全性が挙げられます。
ペリアクチンには通常の錠剤であるペリアクチン錠4mgの他、粉薬であるペリアクチン散1%、主に小児使用されるシロップ剤のペリアクチンシロップ0.04%の3種類があります。
今回は主にペリアクチン錠4mgについて確認していきます。
1) ペリアクチン錠4mg 添付文書

ペリアクチンの効果

ペリアクチン錠4mgは蕁麻疹、花粉症などを含めたアレルギー性鼻炎、湿疹・皮膚炎などの皮膚疾患の痒み、感冒等上気道炎(いわゆる風邪など)にともなうくしゃみ・鼻水・咳などに効果がある薬です。
ペリアクチン錠4mgの効能効果の詳細は以下の通りです。

皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎,皮膚そう痒症,薬疹),じん麻疹,血管運動性浮腫,枯草熱,アレルギー性鼻炎,血管運動性鼻炎,感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽

ペリアクチン錠4mg 添付文書

ペリアクチンの作用機序

ペリアクチン錠の主な作用機序は抗ヒスタミン作用です。
抗ヒスタミン薬が花粉症などのアレルギー性鼻炎や蕁麻疹、皮膚炎に効果がある理由は、これらのアレルギーを引き起こす原因物質であるヒスタミンの作用をブロックするためです。
花粉などやアレルギーなどでアレルギー原因物質が体内に取り込まれると、体の防御反応が働き体内で免疫反応が起こりますが、この反応が過剰になってしまっているのがアレルギー状態であり、この際にヒスタミンが過剰に放出されることが知られています。
ペリアクチンなどの抗ヒスタミン薬はこれらのヒスタミンの受容体(ヒスタミンが作用する部分)を阻害することによってヒスタミンの作用を抑制します。これによりアレルギー性の鼻炎や蕁麻疹、皮膚炎などの症状が和らぎます。
また、ペリアクチンにはヒスタミンの他にセロトニンを抑える効果も知られています。このため、セロトニンが関与しているアレルギー性疾患に対しても高い効果が期待できるのがペリアクチンの特徴の一つと言えます。

ペリアクチンの効果は57.8%〜100%の有効率

ペリアクチンの実際の患者さんに対する効果は臨床試験にて確認されています。
臨床試験の結果では、蕁麻疹に対しては85.3%、湿疹、皮膚炎、皮膚そう痒症、薬疹等に伴うそう痒に対しては69.1%の有効率が確認されています。また、アレルギー症状に対しては、アレルギー性鼻炎に対して57.8%、感冒に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽に対しては59.0%、血管運動性浮腫に対しては100%の有効率が確認されています1)
1) ペリアクチン錠4mg 添付文書

ペリアクチンの使い方

ペリアクチン錠4mgは1回1錠を1日1〜3回使用するのが一般的な使い方となります。
ペリアクチン錠4mgの用法容量の詳細は以下の通りです。

シプロヘプタジン塩酸塩として,通常成人1回4mgを1日1~3回経口投与する。
なお,年齢,症状により適宜増減する。

ペリアクチン錠4mg 添付文書

ペリアクチンの副作用

ペリアクチンの主な副作用は、眠気(15.30%)、倦怠感(1.64%)、口渇(0.78%)、頻尿(0.78%)などとされています。
上記の通り、眠気が高い頻度で確認されており、ペリアクチンを使用する場合に最も注意が必要な副作用が眠気と言えるでしょう。ペリアクチンを使用する際には基本的に自動車の運転などは控えるよう注意喚起されています。

重要な基本的注意
眠気を催すことがあるので,自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。

ペリアクチン錠4mg 添付文書

その他の副作用として、頭痛、食欲不振、下痢などの副作用も確認されていますが、いずれも頻度は0.1〜5%未満となっており、経験することはあまり多くないと言えるでしょう。

ペリアクチンの飲み合わせ

ペリアクチン錠は飲み合わせに注意が必要な薬がいくつかあり、併用注意として注意喚起されています1)

成分名等 代表的な薬剤
アルコール
中枢神経抑制剤
睡眠剤
鎮静剤
トランキライザー
抗不安剤等
マイスリー、ソラナックス、
モノアミン酸化酵素阻害剤 エフピー
抗コリン作働薬 アキネトン、ブスコパン
セロトニン系を介して効果を発揮する抗うつ薬
選択的セロトニン
再取り込み阻害剤等
パキシル、ジェイゾロフト

比較的多くの人に該当する可能性があるのがアルコール(お酒)です。
お酒(アルコール類)と飲み合わせに注意が必要な理由は、中枢神経系に影響を与える可能性があり、眠気などが強く出る可能性があるためでやや危険が伴う飲み合わせと言えます。
ペリアクチンを使用中は基本的はお酒(アルコール類)を控えるようにし、仮に服用する場合でも最低限の頻度、最低限の量などを心がけるようにしましょう。また、可能であれば、医師や薬剤などに事前に相談するようにしましょう。
1) ペリアクチン錠4mg 添付文書

ペリアクチンの授乳中・妊娠中の使用

ペリアクチン錠は授乳中、妊娠中の使用に関してそれぞれ注意喚起されています。

ペリアクチンの授乳中の使用

ペリアクチン錠は授乳中に使用する場合は基本的に授乳を中止するよう注意喚起されています。

本剤投与中は授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]

ペリアクチン錠4mg 添付文書

上記内容が注意喚起されている理由は、実際に授乳中に投与した例が少なく、安全性が確認されていなことが理由とされています。
実際には、専門家による見解の中には問題なく使用出来るというものもあり、大分県「母乳と薬剤」研究会が作成している母乳とくすりハンドブックでは、乳児の鎮静に注意すれば授乳可能としており、「限られた授乳婦で研究した結果、乳児へのリスクは最小限と考えられる / 授乳婦で研究されていないが、リスクを証明する根拠が見当たらない」という見解です2)

乳児の鎮静に注意すれば両立可能。新生児や早産児では回避。潜在的に乳汁分泌を抑制する可能性がある。

母乳とくすりハンドブック

実際に授乳中にペリアクチンを使用するかは、処方医の先生の判断となります。ペリアクチンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。
2) 大分県「母乳と薬剤」研究会 母乳とくすりハンドブック(2010)

ペリアクチンの妊娠中の使用

ペリアクチンの妊娠中の使用に関しては、治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用と注意喚起さており、使用するかは医師の判断になります。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ラット)において催奇形作用が報告されている。]
(参考)
ラットに10~50mg/kg/日を妊娠7~15日の間に単回腹腔内投与あるいは2mg/kg/日を妊娠全期間にわたり連続腹腔内投与した試験及び15~50mg/kg/日を妊娠6~15日に連続経口投与した試験において,胎児及び産児の死亡率の上昇及び形態異常を認めたとの報告がある。

ペリアクチン錠4mg 添付文書

上記のような注意喚起がされている理由は、動物実験において妊娠ラットでの薬剤投与により胎児及び産児の死亡率の上昇及び形態異常を認めたとされているためですが、上記の場合はかなりの高用量の使用であり、生殖発生毒性試験のうち、比較的低用量で使用した場合は、異常が認められなかったことも確認されています3)

実際に妊娠中にペリアクチンを使用するかは、授乳中と同様に処方医の先生の判断が必要です。ペリアクチンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

3) ペリアクチン錠4mg インタビューフォーム

ペリアクチンの薬価、ジェネリック

ペリアクチン錠4mgの2016年4月改定(2018年3月まで)の薬価は1錠あたり5.7円となっています。
なお、ペリアクチン錠4mgにはジェネリック医薬品は販売されていません。シプロヘプタジンの錠剤は使用したい場合はペリアクチンを使用する必要があります。

ペリアクチンの市販での購入

ペリアクチンの成分は市販薬としては販売されていない成分であり、基本的に市販で購入することはできません。
ペリアクチンと同じような効能効果を持つ比較的近い成分として、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩を含む市販薬は多数販売されています。d-クロルフェニラミンマレイン酸塩を含む代表的な市販薬としてストナリニサットなどがあります。ただし、ストナリニサットに関してはd-クロルフェニラミンマレイン酸塩以外の成分も含んでいる点は注意が必要です。
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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