ネオマレルミンの効果や副作用|眠気の出やすさやお酒との飲み合わせなども

ネオマレルミンの特徴、効果、使い方、副作用、飲み合わせ、授乳中・妊娠中の使用、薬価、市販での購入などについて添付文書等から解説していきます。

ネオマレルミンの特徴

ネオマレルミンはd-クロルフェニラミンマレイン酸塩を成分とする抗ヒスタミン薬であり、蕁麻疹、湿疹、アレルギー性鼻炎、風邪に伴うくしゃみ、鼻水、咳などに効果があります1)
ネオマレルミンは眠気などの副作用も比較的出やすい反面、効果も強いという特徴があり、アレルギーなどの強い症状があるようなケースで向いている薬の一つです。
ネオマレルミンは通常の錠剤であるネオマレルミン錠2mgと、効果が持続する徐放製剤のネオマレルミンTR錠6mgがあります。
今回は主に通常の錠剤であるネオマレルミン錠2mgについて確認していきます。
1) ネオマレルミン錠2mg 添付文書

ネオマレルミンはポララミンのジェネリック

ネオマレルミンはジェネリック医薬品の一つであり、ネオマレルミンと同じ成分を含む先発医薬品はポララミンという製品名で販売されています。
ただし、ネオマレルミンTR錠6mgはネオマレルミンだけのみに存在する企画であり、先発医薬品のポララミンにもない規格となります。
6mgの徐放性製剤を使用したい場合はネオマレルミンTR錠6mgのみが選択肢となります。

ネオマレルミンの効果

ネオマレルミンは、蕁麻疹、湿疹、アレルギー性鼻炎、風邪に伴うくしゃみ、鼻水、咳などに効果があります。
ネオマレルミンの効能効果の詳細は以下の通りです。

じん麻疹、血管運動性浮腫、枯草熱、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、薬疹)、アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、感冒等上気道炎に伴うくしゃみ・鼻汁・咳嗽

ネオマレルミン錠2mg 添付文書

ネオマレルミンの作用機序

ネオマレルミンの作用機序はヒスタミン受容体阻害による遊離ヒスタミンと受容体との結合を阻害することで効果が発揮されます2)
アレルギー原因物質が体内に侵入すると、ヒスタミンなどのアレルギーを引き起こす物質が放出され、体内の受容体に作用することで鼻炎症状やアレルギー症状などが引き起こされます。ネオマレルミンはこのヒスタミンの受容体を阻害して症状を和らげる働きがあるとされています。
2) ネオマレルミン錠2mg インタビューフォーム

ネオマレルミンの効果時間

ネオマレルミンの効果時間として、ポララミンの効果発現時間、効果持続時間が参考となります。ポララミンの効果発現時間が15分〜60分程度、効果持続時間が4〜8時間と考えられており3)、ネオマレルミンも同程度の効果時間と想定されます。
比較的早い段階で効果を実感することができる薬の一つと言えます。
3) ポララミン散1%/ ポララミン錠2mg インタビューフォーム

ネオマレルミンの実際の効果

ネオマレルミンはジェネリック医薬品であるため、臨床試験の結果などは明記されていませんが、同じ成分を含む先発医薬品のポララミンの喧嘩が参考となります。
ポララミン錠、ポララミン散の効果に関しては、臨床試験の結果として、75.7%の有効率が確認されており、疾患別では、蕁麻疹 80.5%、皮膚疾患に伴う瘙痒(湿疹、皮膚炎、皮膚瘙痒症、薬疹)74.6%、枯草熱、アレルギー性鼻炎 75.0%であった、とされています3)
3) ポララミン散1%/ ポララミン錠2mg インタビューフォーム

ネオマレルミンの咳に対する効果は

ネオマレルミンはいわゆる鎮咳薬のような咳中枢に直接働きかけて咳を鎮めるような薬でありませんが、効能効果として咳嗽が認められており1)、咳の症状に対しても一定の効果を期待することができます。
1) ネオマレルミン錠2mg 添付文書

ネオマレルミンの使い方

ネオマレルミン錠の使い方は、1回に1錠を1日1〜4回使用するのが一般的な使用法となります。
ネオマレルミン錠の用法用量の詳細は以下の通りです。

d-クロルフェニラミンマレイン酸塩として、通常成人1回2mg(本錠1錠)を1日1~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

ネオマレルミン錠2mg 添付文書

ネオマレルミンの副作用

ネオマレルミンの代表的な副作用は眠気です。
一般的にネオマレルミンなどの抗ヒスタミン薬で眠い状態になっていまう理由は、ヒスタミンが脳の覚醒に影響する作用をもっており、そのヒスタミンの作用を阻害してしまうためとされています。
近年のアレグラやクラリチンといった抗ヒスタミン薬は比較的眠気が出にくいとされていますが、ネオマレルミンの成分は昔からあるものであり、眠気がやや出やすいとされています。
ネオマレルミンと同じ成分を含む先発医薬品のポララミンでは、眠気の副作用の頻度は6.21%とされており、使用する際には眠気に関して注意するようにしましょう。
なお、ネオマレルミンは眠気がでることがあるために自動車などの運転に関して注意喚起されています。

眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。

ネオマレルミン錠2mg 添付文書

ネオマレルミンの飲み合わせ

ネオマレルミンは飲み合わせに注意が必要ものが幾つかあります1)
「中枢神経抑制剤、アルコール、MAO阻害剤、抗コリン作用を有する薬剤」および「ドロキシドパ、ノルアドレナリン」についてはネオマレルミンと「併用注意」という位置付けであり、一緒に使用する場合は注意が必要なります。
「中枢神経抑制剤、アルコール、MAO阻害剤、抗コリン作用を有する薬剤」の代表的な薬剤はアキネトンやエフピーなどが挙げられます。これらの薬と一緒に使用することで効果が強く出てしまう可能性があるため、注意が必要です。
また、アルコールに関しても同様であり、ネオマレルミン使用中にお酒を摂取すると強い眠気が現れる可能性などが考えられるため、ネオマレルミンを使用中は基本的にお酒(アルコール類)を避けるようにしましょう。
「ドロキシドパ、ノルアドレナリン」の代表的な薬剤はドプス、ドロキシドパカプセルなどが挙げられます。これらの薬とポララミンを併用すると血圧が過度に上昇する可能性があるため、注意が必要となります。
1) ネオマレルミン錠2mg 添付文書

ネオマレルミンの授乳中・妊娠中の使用

ネオマレルミンの授乳中や妊娠中の使用について確認していきます。

ネオマレルミンの授乳中の使用

ネオマレルミンは授乳中の使用に関して、使用することは禁止されていません1)。ただし、ネオマレルミンと同じ成分を含む先発医薬品のポララミンのメーカー情報では使用が推奨されていません。

・第一世代の抗ヒスタミン剤は抗コリン作用により乳汁分泌を阻害する。抗ヒスタミン剤の少量が乳汁中へ移行し、幼児の興奮作用を発現するため、使用は勧められない。

ポララミン散1%/ ポララミン錠2mg インタビューフォーム

専門家による見解として、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きがあり、使用はできるものの可能であれば他の薬剤に変更を検討するという内容です4)

  大量・長期投与時は児の眠気に注意する。可能ならば移行性の低く鎮静作用の弱い他剤への変更を検討する。

「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)

同様に、大分県「母乳と薬剤」研究会が作成している母乳とくすりハンドブックでは、乳児の鎮静に注意すれば使用可能という内容であり、「限られた授乳婦で研究した結果、乳児へのリスクは最小限と考えられる / 授乳婦で研究されていないが、リスクを証明する根拠が見当たらない」という見解です5)

乳児の鎮静に注意すれば両立可能。新生児 や早産児では回避。潜在的に乳汁分泌を抑制する可能性がある。

母乳とくすりハンドブック

実際に授乳中にネオマレルミンを使用するかは、処方医の先生の判断となります。授乳中はネオマレルミンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は授乳中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。
1) ネオマレルミン錠2mg 添付文書
4) 愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)
5) 大分県「母乳と薬剤」研究会 母乳とくすりハンドブック(2010)

ネオマレルミンの妊娠中の使用

ネオマレルミンは妊娠中の使用に関しては、治療の有益性が危険性を上回る場合のみ使用と注意喚起さており、実際に使用するかは医師の判断となります。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]

ネオマレルミン錠2mg 添付文書

ただし、同じ成分を含む先発医薬品のポララミンの情報では動物実験レベルでは、血液-胎盤関門通過性や生殖発生毒性を確認した試験において、胎仔及び新生仔への影響はみられていないとされています3)

専門家による見解のひとつとして、愛知県薬剤師会が作成している「妊娠・授乳と薬」対応基本手引きでは、妊婦に使用できる使用はできるという見解もあり4)、処方医の先生によっては使用するケースもあると考えられます。

実際に妊娠中にネオマレルミンを使用するかについても、授乳中と同様に処方医の先生の判断となります。妊娠中はネオマレルミンに限らず、クリニックや病院で薬を処方してもらう場合は妊娠中である旨を必ず伝えるようにし、自己判断で使用するようなことは避けましょう。

3) ポララミン散1%/ ポララミン錠2mg インタビューフォーム
4) 愛知県薬剤師会 「妊娠・授乳と薬」対応基本手引き(改訂 2 版)(2012)

ネオマレルミンの薬価

ネオマレルミン錠2mgの薬価は2016年4月改定(2018円3月まで)の薬価は1錠あたり5.6円となります。
ネオマレルミン錠と同じ成分を含む先発医薬品のポララミン錠2mgについて、同じく1錠あたり5.6円となるため、先発医薬品でもジェネリックでも価格は変わりありません。

ネオマレルミンの市販での購入

ネオマレルミンの成分であるd-クロルフェニラミンマレイン酸塩は市販薬でも最も使用されている成分の一つであり、数多くの総合感冒薬(いわゆる風邪薬)や鼻炎薬に含まれている成分として市販でも入手が可能です。
なお、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩とdl-クロルフェニラミンマレイン酸塩は厳密にはやや異なる成分であり、市販薬にはdl-クロルフェニラミンマレイン酸塩も多く含まれています。d-とdl-の違いは専門的な話では鏡像異性体が片側のみ含まれているか両方含まれているかの違いですが、得られる効果は大きくは変わらないケースもありますが、ポララミンと同じ成分を厳密に使用したい場合は、dl-ではなく、d-クロルフェニラミンマレイン酸塩を選択するようにしましょう。
d-クロルフェニラミンマレイン酸塩を含む代表的な市販薬としてストナリニサットなどがあります。ただし、ストナリニサットに関してもd-クロルフェニラミンマレイン酸塩以外の成分も含んでおり、また、1錠あたりのd-クロルフェニラミンマレイン酸塩の量は1mgでありネオマレルミン錠2mgの半分となる点に注意しましょう。
 
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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