ロキソニンテープの新たな副作用にショック、アナフィラキシーのリスク

ロキソニンテープの新たな副作用として、ショック、アナフィラキシーのリスクが厚労省およびPMDAの評価中となっていることが2017年6月9日に公表され、7月4日に正式に使用上の注意の改訂となりました。
新たなリスクに関する情報、ショック、アナフィラキシーの副作用の内容、ロキソニンテープの実際の危険性、今後の使用などについて確認していきます。

ロキソニンテープの新たな副作用としてショック、アナフィラキシーが追加

ロキソニンテープの新たなリスクとして、ショック、アナフィラキシーの副作用が厚労省およびPMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)による評価中であることが、2017年6月9日に公表され1)、7月4日に添付文書の使用上の注意の改訂となりが重大な副作用として明記されました2)
医療用医薬品のロキソニンテープを始め、ロキソニンパップ、ロキソニンゲルおよびこれらのジェネリック医薬品、ロキソニンの成分であるロキソプロフェンを含んだスプレー剤、さらには市販薬のロキソニンSテープ、ロキソニンSパップ、ロキソニンSゲルについても同様のリスクが挙げられます。
厚労省およびPMDAが評価中であるという点は、正確には「使用上の注意の改訂等に繋がりうる注目しているリスク情報」として注目しているということであり、2017年7月4日に実際に使用上の注意の改訂指示が出ました。
1) PMDAメディナビ 2017年6月9日
2) PMDAメディナビ 2017年7月4日

リスク情報の詳細と経緯

今回、ロキソニンテープが対象となった「使用上の注意の改訂等に繋がりうる注目しているリスク情報」とは、副作用報告の一定の集積、市販直後調査等において示唆されるリスク情報で、厚生労働省及びPMDAにおいて、医薬品との関連性を評価中であるが、使用上の注意の改訂等につながるものとして注目しているもの、と定義されており3)、その後に薬の説明書の位置づけとなる添付文書にて、注意喚起される可能性がある副作用です。
リスクとして注目され、PMDAのホームページに掲載されるまでの過程として、一般的にそのような副作用が実際に数例以上報告されているためです。その後、数週間の間に実際にロキソニンテープの副作用としてショック、アナフィラキシーが重大な副作用として情報提供される可能性が高い状態であり、今回のロキソニンテープも約一ヶ月後の7月4日に重大な副作用として追記されることになりました。
なお、評価中の段階では「患者の皆様へ このページに掲載されている情報は評価中のものです。自己判断で服薬を中止したり、用量を減らしたりされないようお願いいたします。」という注意喚起も同時にされており、現時点ではまだ評価中である位置づけとなります。
正式な使用上の注意の改訂指示になった場合は、新たな副作用として明確に添付文書に記載され、注意喚起されます。
3) PMDAホームページ「医薬品に関する評価中のリスク等の情報について」

ショック、アナフィラキシーとは

今回、ロキソニンテープで重大な副作用として追記されたショックアナフィラキシーとはいわゆるアレルギー症状の重篤なものといったイメージです。
厚労省が作成している重篤副作用疾患別対応マニュアル4)では、アナフィラキシーは「急性の過敏症」としており、「医薬品投与後多くの場合は 30 分以内で、じんま疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、そして息苦しさなどの呼吸器症状を呈します。また、突然、蒼白、意識の混濁などのショック症状があらわれることがあります。」とされています。
初期症状としては、「皮ふのかゆみ」、「じんま疹」、「声のかすれ」、「くしゃみ」、「のどのかゆみ」、「息苦しさ」、「どうき」、「意識の混濁」が挙げられており、ロキソニンテープを使用して万が一上記の症状が現れた場合にはすぐに医師の処置を受ける必要があります。
なお、ショック、アナフィラキシーの副作用はロキソニンテープのみで見られるわけではなく、比較的多くの医薬品で報告がある副作用であり、頻度としては稀であるものの、よく知られている重大な副作用のひとつであると言えます。
今回は、ロキソニンテープなどのロキソニンの外用剤での注意喚起ですが、ロキソニンの飲み薬であるロキソニン錠ではすでにショック、アナフィラキシーが重大な副作用の一つとして注意喚起されています5)。また、ロキソニンテープと同じく非常によく使われるモーラステープでもショック、アナフィラキシーの重大な副作用は報告があり、注意喚起されています6)
4) 重篤副作用疾患別対応マニュアル アナフィラキシー
5) ロキソニン錠60mg 添付文書
6) モーラステープ 添付文書

ロキソニンテープの今後の使用

ショック、アナフィラキシーの重大な副作用が新たに注意喚起されたロキソニンテープですが、今後も医師の指示通りに使用することで問題ないと言えます。
前述の通り、ショック、アナフィラキシーは重篤な副作用の一つであるものの、比較的多くの医薬品で報告されている副作用であり、特にロキソニンテープに限ったリスクとは言えません。また、頻度は非常に稀であるため、正しい使い方をしている分にはまず経験するケースはほぼないと言えます。
今回の重大な副作用の追加に至った経緯も直近3年の国内での症例において、ショック、アナフィラキシー関連症例が起きたとされるのが6例、そのうち、因果関係が否定できない症例2例であり、死亡した症例は0例とされています7)。毎年非常に多くの人に使用されるロキソニンテープにおいて上記の症例数ですので、ショック、アナフィラキシー頻度は非常に低いと言えるでしょう。
同じ貼り薬ではモーラステープやアドフィードパップなどでもショック、アナフィラキシーの副作用報告はあり、ロキソニンテープだから危険ということにはなりません。ただし、上記のような副作用も起こりうるということは可能性として頭に入れておき、前述した初期症状のような異常がみられた場合はすぐに医師の診察を受ける対処を考慮しておきましょう。
今回は市販薬のロキソニンテープでも同様のリスクが指摘されているため、市販薬でもロキソニンテープの使用を控える必要はありませんが、重篤な副作用が起きる可能性がゼロではないことを理解し、正しい使用を心がけるようにしましょう。
7) ロキソプロフェンナトリウム水和物(外皮用剤)(医療用医薬品)の「使用上の注意」の改訂について
 
薬を使用する際には必ず薬の説明書や添付文書を確認し、医師や薬剤師から指示された用法・用量で使用してください。また、違和感や副作用と思われる兆候を感じた場合は医師・薬剤師に相談してください。
今回紹介した内容はあくまで一例であり、必ずしも当てはまらないケースがあります。予めご承知ください。

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